おはようございます。
東日本大震災と福島第一原発事故から 13年1月 (4785日) です。
元日の令和6年能登半島地震から 105回目 の朝を迎えました。
また、戦後最大の大火災「鳥取大火(死者3人 重軽傷者3,963人)」から4月17日(水曜日)で 72年 です。
春の土用(4月16日〜5月4日)です。
明日(4月16日火曜日)は、立夏前の春の「土用(どよう)」入りです。
土用というのは、四季の変わり目を知らせる期間のことです。
立春、立夏、立秋、立冬の前の18〜19日間の期間を指し、土用は、一年に春・夏・秋・冬の 計4回 訪れます。
一般には、立秋前の一年中で最も暑い季節となる「 夏の土用(7月19日〜8月6日)
」がもっともなじみ深く、スタミナをつけるために「土用の丑(うし)の日(7月24日)」に「鰻(ウナギの蒲焼)」を食べる習慣で知られています。
ただ、春の土用は、4月16日〜5月4日(立夏前)まで、ということです。
…さて、
土用の語源は、古代中国の学説「陰陽五行説」(紀元前700年頃か?)にあります。
陰陽道の「土」を司る神様「土公神(どくじん)」や「土公(つちぎみ)」などと呼ばれていますが、この神様が支配する季節の変わり目の日が「土用」なのだそうです。
この土用の期間には、土の神様が土の中から地上に出てくることで、土が最も働く時期になると考えられています。
つまり、土公は地霊的存在であって、土用は地霊の放つ「土気(どき)」ということのようです。
天気や空気ではなく土気が働くことによって四季が訪れる、という考え方です。
平安時代以降には、土公の所在を侵すと祟られる…などと考えて、その怒りを鎮めるために陰陽師やら密教僧による地鎮祭(土公祭)が行われるようになりました。
現在も、神道においては、産土神(うぶすながみ=その土地の神様)と大地主神(おおとこぬしのかみ)を主神として、土木工事や建築工事を始める時に、その土地の神様に工事の安全と完成した建物のその後の守護を祈願するお祭り(建築儀礼)として「地鎮祭(じちんさい)」の行事が伝統として残っていますが、基本的には、これらは全て由来は同じように思います。
地鎮祭の最も古い記録では、「日本書紀」の持統天皇五年(西暦691年)に藤原京で行われた地鎮祭が知られているそうです。
とにかく、土用は、ちょうど季節の変わり目という“目安”となります。
季節の大きな変わり目には、人は身体的に身心が不安定となり、体調を崩しやすくなったり、疲れやすくなったりするものです。
土用の時期には、無理をせずゆっくり過ごすとよいでしょう。
夏バテ対策の「ウナギの蒲焼」の慣習も理にかなっているというワケですね。
夏だけでなく、秋、冬、春の土用でも体調に留意しましょう!
… … … … … …
そして、週末(4月19日金曜日)は、
暦(二十四節気)の「 穀雨(こくう) 」
を迎えます。
穀雨は「 春の雨が降って百穀を潤す(穀物が成長するのに必要な雨が降る) 」という意味から来ており、この時季にはやわらかい「春雨(はるさめ)」が降る日が多くなります。
あらゆる穀物を潤し、芽を出させることから「百穀春雨(ひゃっこくはるさめ)」とも呼ばれています。
《 春雨や、蓬(よもぎ)をのばす、艸(くさ)の道 》松尾芭蕉
《 春雨や、京菜の尻の、濡るるほど 》夏目漱石
…さて、
先々週のコラムに紹介した “春の嵐” が過ぎたあとは、はっきりしない日が続くようになります。
※先々週のコラム
⇒https://www.seishop.jp/blog/staffblog27/
春の日本付近には、西から東に向って吹く偏西風に運ばれて小さな高気圧がやってきますが、これを移動性高気圧(停滞せずに移動していく高気圧)と呼びます。
その移動速度は、時速30キロ、40キロ程度とあまり速くはないので、日本列島の上空を通過するのに3日、4日ほどかかります。
移動性高気圧の中心付近は、雲もなく風も弱く快晴ですが、この3日、4日間ほどは、日中の気温が20度前後のはっきりしない天気が続きます。
一つの移動性高気圧が通過した後は、次の移動性高気圧がやってくるまでの間に、西から東に移動する温帯低気圧がくることが多く、気圧の谷となり、まもなく上層雲が現れて、次第に天気が下り坂となって、やや悪い天気となります。
つまり、移動性高気圧がきて晴れた後には、温帯低気圧の影響によって雲や雨の日となるということです。
だいたい一週間ごとに雨模様の日が来るのが、この4月頃の天気のパターンとなります。
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この春の雨の特徴は、
雨は暖かく、雨足はそんなに強く降りません。
「春の長雨」とも呼ばれ、その雨は“シトシトと降る”なんて形容されてもいます。
そして、
ひと雨降るごとに、だんだんと暖かくなっていくというのも、この「春雨」の頃の特徴です。
桜の花をはじめ、色んな花を咲かせる穀雨の頃の春雨ですから、「花を催す(咲かす)雨」という意味で「催花雨(さいかう)」とも呼ばれています。
また、3月から4月の“菜の花”が咲く頃に降る雨でもあるため、同じ語音で「菜花雨(さいかう)」とも呼び変えられることから、この時季の長雨を「菜種梅雨(なたねづゆ)」とも呼びます。
…小雨のなかで新国劇の月形半平太は傘を差しだす舞妓に
『 春雨じゃ、濡れて行こう! 』
なんてキザな台詞を吐きます。
秋から冬に降ったりやんだりする弱い雨を「時雨(しぐれ)」と言いますが、時雨の様な冷たい雨ではなく、
シトシトと弱く降る暖かくも生命を育む「春雨」だったからこそ、きっと粋(イキ)な名台詞となったのやもしれません。
…というわけで、雨の降るこの季節は、折りたたみ傘を一本、カバンに入れて、お出かけするようにしましょう。
セイショップでは小さな通り雨も“マイクロディザスター(不快な災害因子)”と定義して、折りたたみ傘を販売しています。
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ただ、
春や秋の天気は変わりやすい
ので注意が必要です。
3、4日ごとに移動性高気圧と温帯低気圧が交互にやってくる天候の移り変わりもありますが、
それ以外にも、この季節には、たった1日で激しい気温差が生じることもあるからです。
それが「霜(しも)」です。
周辺地域が移動性高気圧に覆われ、風が弱くよく晴れた夜には、高温の物体が熱を外に放射して冷える現象「放射冷却」が発生して、地面の土や自動車の表面の温度が0度以下にまで下がって霜がおりてきます。
昼は好天でぽかぽか陽気だったのに、夜間の冷えこみが激しく、朝起きたら自家用車のフロントガラスに霜(氷)が生じていた―というのが、この移動性高気圧がやって来る頃の天気の特徴のひとつとなります。
霜は、とくに秋の終わりごろ、盆地や低地で多いかと思いますが、
春でも
「春霜(しゅんそう)」
「余寒(よかん)」
「春寒(はるさむ・しゅんかん)」
「花冷え」
…などと、霜がおりてこなくても、立春以降の寒さを表す季語は、たくさんあるのです。
寝ているあいだに急に冷えて来ることもありますので、朝起きたら体調を崩した、なんてことにならないように注意しましょう。
◆執筆者
SEI SHOP(セイショップ)総合プロデューサー
平井敬也(ひらい ひろや)
防災士(日本防災士機構登録No.040075)、日本人間工学会会員。
1970(昭和45)年、東京都世田谷区生まれ。神奈川県横浜市在住。日本大学大学院で安全工学・人間工学を専攻。大学院修了後、大手ゲーム製造メーカーに入社、企画開発、PL(製造物責任法)担当や品質管理(ISO9000)に携わる。2001(平成13)年、災害用長期備蓄食〈サバイバル®フーズ〉の輸入卸元、株式会社セイエンタプライズ取締役に就任。阪神淡路大震災で家族が神戸で罹災、日常の防災意識や危機管理の啓蒙普及を企図した無料メールマガジン『週刊防災格言』を07年よりスタート。毎週月曜日に防災格言を発信し続け2万人の読者を得ている。
【書籍】天災人災格言集―災害はあなたにもやってくる! ¥1,650(税込)