青色の色素フタロシアニンは、熱や光に対して安定性が高いため、色落ちのしない顔料として新幹線の車体や道路標識の青色ペイントなどに広く利用されています。

信州大学では、フタロシアニンが生体酸化酵素であるポルフィリンに似た構造を持つことに注目し、「人工酵素」と呼んで長年研究を進めました。その過程で、アンモニアや硫化水素を含む天然の悪臭成分を分解・中和する事、黄色ブドウ球菌などの雑菌の増殖を抑える事、さらにダニなどが作るアレルゲンを吸着する事を明らかにしました。

大和紡績（ダイワボウノイ）と信州大学および科学技術振興機構の産学官連携により、このフタロシアニンで染色した繊維が消臭・抗菌・抗アレル繊維として製品化されました、それがアレルキャッチャーです。

さらに研究は進み、消臭効果を利用して、骨折患者のアンダーギプス内に利用したところ、これまで予期していなかったキズの早期治療や痒み止めの効果が確認されました。また、湿疹や皮膚炎、褥瘡への改善効果も見られ、なかでもアトピー性皮膚炎の患者がフタロシアニン繊維を継続的に着用すれば、痒みの症状が抑えられと言う事で、敏感肌対策の肌着などが製品化されています。

青色の人工酵素フタロシアニンは、消臭・抗アレル物質・抗菌の実証された効果を中心に、現在では化粧品、敏感肌対策、エアコンフィルター、インテリアやふとん雑貨、自動車内の消臭、介護医療業務の現場にまで幅広く利用されています。

アレルキャッチャーマスクは、この金属フタロシアニンを含浸した不織布を含む4層構造のマスクで、見た目も青い高機能マスクでありながら、汎用マスクとしての価格帯に収まった、普段使いに相応しいコストパフォーマンスの高いマスクです。