本記事では賞味期限とは何か、賞味期限切れの食品はいつまで食べられるのか、賞味期限が切れたら食べてはいけないもの、非常食はより長い期間を過ぎても食べられるのかについて、わかりやすく解説します。
- 賞味期限と消費期限の違いを知ることができる
- 賞味期限切れの食品がいつまで食べられるかの目安がわかる
- 非常食は賞味期限を過ぎても食べられる場合があることを知ることができる
賞味期限とは

賞味期限とは、一般的に食品の「おいしく食べられる期限」のことを指します。具体的には、消費者庁が示す賞味期限の定義は、以下の通りです。
定められた方法により保存した場合において,期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。ただし、当該期限を越えた場合であっても,これらの品質が保持されていることがあるものとする。
引用:消費者庁|食品期限表示に関する一般(消費者)向けの説明資料について
つまり正確には「食品の味・風味・食感・栄養などの品質が十分に保持されると認められる期限を示す年月日」が賞味期限ということになります。
この定義をわかりやすく説明すると、以下のようになります。
- 賞味期限は、製造者が、食品の品質劣化の度合いを検討して設定した期限です。
- 賞味期限を過ぎても直ちに食べられなくなるわけではないですが、味や風味、食感などの品質は徐々に劣化する可能性があります。
例えば、スナック菓子や缶詰などの加工食品は、賞味期限を過ぎても、数週間から数ヶ月程度は、おいしく食べられる可能性があります。ただし、賞味期限を過ぎると、以下のような変化が見られるようになる場合があります。
- 味や風味が落ちる
- 食感が悪くなる
- 変色する
- においが気になる
このような変化が見られる場合は、食べないほうがよいでしょう。 また、食品の種類や保存状態によって大きく異なるものの、生鮮食品や弁当、総菜、パンなど品質が急速に劣化する食品には賞味期限ではなく「消費期限」が表示されるのが原則で、そのため生鮮食品や乳製品、パンなどの賞味期限表示がない食品は、賞味期限を過ぎると、すぐに品質が劣化し、食べられなくなる可能性があります。
賞味期限を過ぎた食品を食べる場合、まずは、見た目やにおいをよく確認しましょう。カビが生えていたり、異臭や異味といった、見た目やにおいに異常がある場合は食べないことが重要です。
賞味期限の表示内容
賞味期限は、食品のパッケージや容器に表示されます。
- 賞味期限の事項名(期限の種類=消費期限または賞味期限)を表示した上で、その後に年月日または年月を並べて表示すると定められています。
- 賞味期限が3か月以内の食品は、年月日で表示する必要があります。
- 賞味期限が3か月を超える場合は、年月のみで表示することもできます。ただし、年月日で表示しても差し支えありません。
引用:加工食品(消費期限又は賞味期限)|「食品衛生の窓」東京都保健医療局
賞味期限を過ぎた食品がおいしく食べられるかどうかは、食品の種類や保存状態によって異なります。
賞味期限の表示がある食品
賞味期限の表示がある食品は、以下のようなものです。
【表示がある主な品目】
- カップ麺
- レトルト食品
- スナック菓子
- 乳製品(バター・チーズ・ヨーグルトなど保存性が高いもの)
- 飲料(缶ジュース・ペットボトル飲料等)
- 缶詰
これらの食品は、製造工程で以下のような加工が行われるため、品質劣化が比較的遅く、賞味期限の表示が可能となります。
| 加熱処理 | 食品中の微生物や酵素の活性を抑える |
| 乾燥処理 | 食品中の水分を減らす |
| 酸化防止処理 | 食品中の酸化を抑える |
※乳製品のうち、バターやチーズ、ヨーグルトなど保存性が高いものは賞味期限で表示される一方、牛乳などは消費期限で表示されることが一般的です。
賞味期限の表示がない食品
賞味期限の表示が省略できる食品は、品質の劣化が著しく遅く、賞味期限の表示が不要であると認められる食品で以下のとおりです。
【表示がない主な品目】
- でん粉
- 砂糖
- 食塩・うまみ調味料
- チューインガム
- 冷菓
- アイスクリーム類
- 酒類
- ガラス瓶入りやポリエチレン製容器入りの飲料水・清涼飲料水
- 氷
これらの食品は保存性が高いため賞味期限表示が省略されています。ただし、賞味期限の表示が省略できる食品であっても、保存方法に注意し、開封後は早めに食べることが推奨されます。
具体的な注意点は以下の通りです。
- 高温多湿を避けて、涼しい場所に保存する
- 開封後は、できるだけ早く食べきる
このように保存方法を守ることで、食品をおいしく安全に食べることができます。
賞味期限と消費期限の違い
賞味期限と消費期限は、食品の品質や安全性に関する表示ですが、その意味合いが異なります。賞味期限は、食品の「おいしく食べられる期限」のことを指します。消費期限は、食品の「安全に食べられる期限」のことを指します。
【消費期限の定義】
賞味期限と消費期限は、食品の品質や安全性に関する表示ですが、その意味合いが異なります。
消費者庁が示す賞味期限と消費期限の定義は、以下のとおりです。
| 賞味期限 | 食品を定められた方法により保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。ただし、当該期限を越えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする。 |
| 消費期限 | 食品を定められた方法により保存した場合において、腐敗その他の理由により、その安全性を損なうおそれがないと認められる期限を示す年月日をいう。 |
引用:消費者庁|食品期限表示に関する一般(消費者)向けの説明資料について
より分かりやすく解説をすると。以下のとおりです。
- 賞味期限(おいしく食べられる期限):食品を定められた方法で保存した場合に、味・風味・食感・栄養などの品質が十分に保持されると認められる期限。
- 消費期限(安全に食べられる期限):食品を定められた方法で保存した場合に、安全性を損なうおそれがないと認められる期限。
また、消費期限の表示がある主な品目は、以下のとおりです。
- お弁当
- 惣菜類
- 調理パン
- サンドイッチ
- パック入りの食肉
- 生麵
これらの食品は保存性が低く、品質劣化が安全性に直結するため、賞味期限ではなく消費期限で表示されます。消費期限の表示によって、食品の安全性が担保されています。
賞味期限の設定方法
賞味期限は原則として、製造業者・加工業者、または輸入業者が設定します。
販売業者が設定するのは、製造者が特定できない場合など例外的なケースです。
【賞味期限の設定者】
| 分類 | 設定者 |
| 輸入食品等以外の食品等 | 製造業者・加工業者(必要に応じて販売業者) |
| 輸入食品等 | 輸入業者 |
参照:消費者庁|食品期限表示に関する一般(消費者)向けの説明資料について
具体的な設定方法は以下の通りです。
- 保存試験を行い、食品の品質劣化の度合いを検討する
- 微生物試験・理化学試験・官能検査など客観的な項目に基づき、品質劣化の限界点を特定する
- 限界点よりも余裕を持たせ、安全側に考慮して賞味期限を設定する
賞味期限切れの食品はいつまで食べられるか

緊急事態等で、賞味期限が切れているにもかかわらず、どうしても食べなくてはいけない等の想定もきっとあるでしょう。
賞味期限は、科学的試験に基づき安全側に余裕を持たせて設定されるものです。
一般的には、賞味期限には安全係数(賞味期限を設定するための安全マージン)がかけられているため、未開封で保存条件を守っていれば、期限を過ぎても直ちに食べられなくなるわけではありません。
ただ、期限切れ後の安全性は製品ごとに異なり、また、期限を過ぎた食品の安全性は保証されないため、基本的には賞味期限内に食べることが推奨されています。
しかし実際には、安全側に余裕を持たせて設定されているので、これらの期限を過ぎても一定期間品質が保持される場合があります。
以下は一般的な保存食品の傾向を示した、あくまでも参考例となりますが、実際の安全性は保証されませんのでご注意ください。また各食品メーカーはもちろん、法令や消費者庁も「期限切れ後に食べられる期間」を公式に示していません。
【食品別の賞味期限切れ後に食べられる期間の目安(参考)】
|
品目 |
一般的な賞味期限 |
賞味期限切れ後の傾向と目安※ |
食べてはいけない(飲んではいけない)サイン |
|
カップ麺 |
約6か月(約180日) |
保存状態によっては数週間程度品質保持(例.約1か月半) |
具材が変色しているなど |
|
スナック菓子 |
約3ヶ月(約90日) |
保存状態によっては数日~数週間程度品質保持(例.約半月) |
油が酸化し、酸っぱくなっているなど |
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缶ジュース |
約1年(約365日) |
保存状態によっては数週間~数か月品質保持(例.約2か月半) |
膨張している、漏れがあるなど |
|
ペットボトル飲料 |
約1年(約365日) |
保存状態によっては数週間~数か月品質保持(例.約2か月半) |
色や味が変わっている、沈殿物があるなど |
|
バター |
約6か月(約180日) |
保存状態によっては数週間品質保持(例.約1か月) |
色や味が変わっている |
|
ヨーグルト |
約10日 |
保存状態によっては短期間品質保持(例.約1日程度) |
変色している、また、消費期限で表示される製品は期限後は食べないことを推奨 |
|
チーズ(保存性の高いもの) |
数週間~数か月 |
保存状態によっては短期間品質保持(例.約1~2日程度) |
カビが生えている、変色しているなど |
|
缶詰 |
約3年(約1095日) |
保存状態によっては長期間品質保持(例.約7か月) |
膨張している、漏れがあるなど |
|
びん詰 |
約1年(約365日) |
保存状態によっては数か月品質保持(例.約2か月半) |
膨張している、漏れがあるなど |
|
レトルト食品 |
約2年(約730日) |
保存状態によっては長期間品質保持(例.約7か月) |
膨張している、漏れがあるなど |
※上記は未開封かつ適切に保存された場合の一般的な傾向であり、実際の安全性を保証するものではありません。
※開封後は期限内であっても品質劣化が進むため、異臭・変色・膨張などの異常が見られる場合は食べてはいけません。
※安全係数を0.8とした場合 上記はあくまで上記は未開封の場合かつ、安全係数を0.8とした場合の計算上の目安のため、賞味期限内に食べることを推奨いたします。また開封して異常が見られた場合は食べてはいけません。実際には法律や業界で一律に「0.8」という係数が定められているわけではありませんが、消費者庁「食品期限表示の設定のためのガイドライン」等*では、賞味期限は「食品の特性に応じて1未満の安全係数をかけて、客観的な項目(指標)において得られた期限よりも短い期間を設定することが基本」と記載されています。
出典:消費者庁「食品期限表示の設定のためのガイドライン」
出典:消費者庁「食品表示基準Q&A」
賞味期限切れ後の可食期間の計算方法
賞味期限切れ後も食べられる期間は、「安全係数」を用いて計算することができます。安全係数とは、食品メーカーが賞味期限を設定する際に用いる安全マージンのことで、通常0.8〜1.0の範囲内で設定されるのが一般的のようです。
【計算式】 可食期間 = 賞味期限(日数) × (1 ÷ 安全係数 – 1)
具体的な計算例を見てみましょう。
例1:賞味期限3年(1095日)の缶詰の場合
安全係数を0.8とした場合
1095日 × (1 ÷ 0.8 – 1) = 1095日 × 0.25 = 約274日(約9ヶ月)
ただし、より安全を考慮して約7ヶ月程度を目安とすることが推奨されます
例2:賞味期限1年(365日)の飲料の場合
安全係数を0.8とした場合
365日 × (1 ÷ 0.8 – 1) = 365日 × 0.25 = 約91日(約3ヶ月)
より安全を考慮して約2ヶ月半程度を目安とすることが推奨されます
ただし、この計算方法には重要な注意点があります。製造日や各メーカーが設定している安全係数は、消費者には公
開されていないことがほとんどです。また、保存状態によっても品質劣化の速度は大きく変わります。そのため、上記の計算はあくまで理論上の参考値として捉え、実際には賞味期限内に食べることを強くおすすめします。
参照:消費者庁|食品の期限表示制度の変遷等
開封前・未開封の賞味期限切れ食品の判断基準
賞味期限を過ぎた食品が食べられるかどうかを判断するうえで、「開封しているかどうか」は非常に重要な要素です。
※未開封の食品は外部から細菌や酸素が入りにくいため、賞味期限を過ぎても品質が比較的保たれやすい傾向があります。
※開封済みの食品は賞味期限に関係なく劣化が早く進むため、できるだけ早めに食べ切ることが基本です。
また、賞味期限切れ後にどの程度品質を維持できるかは、主に以下の保存環境に左右されます。
|
温度 |
高温では細菌の繁殖や化学反応が進みやすく、品質劣化が早まるため、冷暗所での保存が基本です。 |
|
湿度 |
湿度が高いとカビが発生しやすく、乾燥食品は湿気を吸収して風味や食感が損なわれます。 |
|
直射日光 |
紫外線によって栄養素の分解や変色・風味の低下が進みます。 |
|
酸素・酸化 |
密封が不十分だと酸素が入り込み、酸化や微生物増殖を促進。油脂や食品成分が酸化し、 rancidity(酸敗)や異臭・変色を引き起こす。特に油脂を含む食品(スナック菓子、ナッツ、バターなど)で重要 |
|
光(蛍光灯等) |
直射日光だけでなく人工光でもビタミンなどが分解される場合がある。 |
|
容器の密封性 |
密封性が低いと酸素・湿気・微生物が侵入しやすく、保存性は低下します。 |
|
容器の損傷 |
包装や容器の破れ・へこみ・錆等で密封性が失われ、劣化や腐敗が進む。 |
|
時間経過 |
保存環境が良くても、時間の経過とともに徐々に品質は劣化する。 |
パッケージに記載された保存方法に従っていなかった場合、賞味期限内であっても劣化している可能性があります。
逆に、適切な環境で保存されていれば、賞味期限を過ぎていても一定期間品質が保たれる場合があります。ただし、期限後の安全性は保証されないため、基本的には賞味期限内に食べることが推奨されます。
賞味期限が切れたら食べてはいけないもの

「消費期限切れ=食べてはいけない食品」は明確に定義されていますが、賞味期限切れ食品は基本的に「品質保持の目安」であり、直ちに危険になるわけではないため、法律上「食べてはいけない」とはされていません。
ただし、実務的には「賞味期限切れでも食べないほうがよい食品」が存在します。これは保存性が比較的高い食品でも、期限を過ぎると品質劣化が安全性に直結する可能性があるケースです。
【賞味期限切れでも食べないほうがよい食品の例】
| 油脂を多く含む食品(スナック菓子、ナッツ、バターなど) | 酸化が進みやすく、異臭・酸味が出る。酸化油脂は健康リスク(胃腸障害など)につながるため避けるべき。 |
| 乳製品の一部(保存性の高いチーズやバターなど) | 賞味期限表示されることが多いが、期限を過ぎるとカビや異臭が出やすい。安全性に疑問があれば食べない方がよい。 |
| 飲料(缶ジュース・ペットボトル飲料など) |
賞味期限を過ぎると風味劣化だけでなく、容器の膨張・漏れが見られる場合がある。これは微生物汚染や化学変化のサインなので飲まない方がよい。 |
| 加工食品(レトルト食品・缶詰など) | 未開封なら長期保存可能だが、賞味期限を大幅に過ぎて膨張や変色がある場合は危険。 |
判断のポイント
- 未開封・適切保存・異常なし → 食べられる可能性あり
- 開封済み・保存不良・異臭・変色・膨張 → 食べない方がよい
- 賞味期限切れ=安全性保証なし → 基本は期限内に食べることが推奨
賞味期限切れ食べたらどうなる?体への影響と対処法
賞味期限は食品の品質保持の目安であり、期限を過ぎても直ちに危険になるわけではありません。ただし、保存状態や食品の種類によっては、腹痛・下痢・吐き気・発熱などの症状が起こる可能性があります。
未開封で適切に保存されていれば品質が保持されている場合もありますが、賞味期限を過ぎた食品の安全性は保証されません。基本的には期限内に食べることが推奨されます。
一方で、以下のような異常が見られる場合は食べてはいけません。
- カビの発生
- 異臭や異味
- 変色
- 容器やパッケージの膨張
判断に迷った場合は、無理に食べず処分することが望ましいです。特に「消費期限」で表示される食品(弁当・惣菜・生肉・乳製品など)は期限を過ぎると安全性が損なわれる可能性が高いため、食べないことが推奨されます。
非常食はより長い期間を過ぎても食べられる
一般的に非常食は製造工程で高温加熱やレトルト処理などの加工が行われているため、賞味期限を過ぎても安全に食べられる期間が残っている可能性があります。以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:非常食は賞味期限切れでも食べられる!どのくらい過ぎても大丈夫なのか期限別に解説

まとめ
賞味期限が切れても、すぐに食べられなくなるわけではありませんが、品質が劣化している可能性があります。賞味期限切れの食品を食べるかどうか迷った場合は、食べないほうが無難です。賞味期限を正しく理解して、食品を安全に食べましょう。
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◆監修者 防災士(日本防災士機構登録No.040075)、日本人間工学会会員。 1970(昭和45)年、東京都世田谷区生まれ。神奈川県横浜市在住。 |






