賞味期限とは
賞味期限とは、食品の「おいしく食べられる期限」のことを指します。具体的には、消費者庁が示す賞味期限の定義は、以下の通りです。【賞味期限の定義】
定められた方法により保存した場合において,期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。ただし、当該期限を越えた場合であっても,これらの品質が保持されていることがあるものとする。
引用:消費者庁|食品期限表示に関する一般(消費者)向けの説明資料について
この定義をわかりやすく説明すると、以下のようになります。
- 賞味期限は、製造者が、食品の品質劣化の度合いを検討して設定した期限です。
- 賞味期限を過ぎてもすぐに食べられないわけではないですが、味や風味、食感などが劣化する可能性があります。
- 味や風味が落ちる
- 食感が悪くなる
- 変色する
- においが気になる
賞味期限の表示内容
賞味期限は、食品のパッケージや容器に表示されます。- 賞味期限の事項名を表示した上で、年月日または年月を並べて表示します。
- 賞味期限が3か月を超える場合は、年月で表示することができます。
また賞味期限が3か月以内の場合は、年月日で表示する必要があります。賞味期限を過ぎた食品がおいしく食べられるかどうかは、食品の種類や保存状態によって異なります。
賞味期限の表示がある食品
賞味期限の表示がある食品は、以下のようなものです。【表示がある主な品目】
- カップ麺
- レトルト食品
- スナック菓子
- 乳製品(バター・ヨーグルト・チーズ等)
- 飲料(缶ジュース・ペットボトル飲料等)
- 缶詰
加熱処理 | 食品中の微生物や酵素の活性を抑える |
乾燥処理 | 食品中の水分を減らす |
酸化防止処理 | 食品中の酸化を抑える |
賞味期限の表示がない食品
賞味期限の表示が省略できる食品は、品質の劣化が著しく遅く、賞味期限の表示が不要であると認められる食品で以下のとおりです。【表示がない主な品目】
- でん粉
- 砂糖
- 食塩・うまみ調味料
- チューインガム
- 冷菓
- アイスクリーム類
- 酒類
- ガラス瓶入りやポリエチレン製容器入りの飲料水・清涼飲料水
- 氷
- 高温多湿を避けて、涼しい場所に保存する
- 開封後は、できるだけ早く食べきる
賞味期限と消費期限の違い
賞味期限と消費期限は、食品の品質や安全性に関する表示ですが、その意味合いが異なります。賞味期限は、食品の「おいしく食べられる期限」のことを指します。消費期限は、食品の「安全に食べられる期限」のことを指します。【消費期限の定義】
定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質(状態)の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日のことで、開封前の状態で定められた方法により保存すれば食品衛生上の問題が生じないと認められるものです。
引用:消費者庁|食品期限表示に関する一般(消費者)向けの説明資料について
具体的には、消費者庁が示す賞味期限と消費期限の定義は、以下のとおりです。
賞味期限 | 定められた方法により保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。 |
消費期限 | 定められた方法により保存した場合において、腐敗その他の理由により、その安全性を損なうおそれがないと認められる期限を示す年月日をいう。 |
- お弁当
- 惣菜類
- 調理パン
- サンドイッチ
- パック入りの食肉
- 生麵
賞味期限の設定方法
賞味期限は原則として、製造業者・加工業者・輸入業者または販売業者が設定します。【賞味期限の設定者】
分類 | 設定者 |
輸入食品等以外の食品等 | 製造業者・加工業者又は販売業者 |
輸入食品等 | 輸入業者 |
- 食品の品質劣化の度合いを検討する
- 客観的な項目(微生物試験・理化学試験・官能検査等)に基づいて、食品の品質劣化の限界点を特定する
- 限界点を安全に考慮して、賞味期限を設定
賞味期限切れの食品はいつまで食べられるか
一般的に賞味期限は安全係数をかけて設定されています。安全係数とは賞味期限を設定するための安全マージンのことです。そのため、賞味期限を過ぎても、安全に食べられる期間が残っている可能性があります。 食品別の賞味期限切れ後でも食べられる期間の目安は、以下のとおりです。 【食品別の賞味期限切れ後に食べられる期間の目安】品目 | 一般的な賞味期限 | 賞味期限切れ後に食べられる(飲める)期間の目安※ | 食べてはいけない(飲んではいけない)サイン |
カップ麺 | 6か月(約180日) | 約1か月半 | 具材が変色しているなど |
スナック菓子 | 3ヶ月(約90日) | 約半月 | 油が酸化し、酸っぱくなっているなど |
缶ジュース | 1年(約365日) | 約2か月半 | 膨張している、漏れがあるなど |
ペットボトル飲料 | 1年(約365日) | 約2か月半 | 色や味が変わっている、沈殿物があるなど |
バター | 6か月(約180日) | 約1か月半 | 色や味が変わっている |
ヨーグルト | 10日 | 約2日 | 変色している |
チーズ | 10日 | 約2日 | カビが生えている、変色しているなど |
缶詰 | 3年(約1095日) | 約7か月 | 膨張している、漏れがあるなど |
びん詰 | 1年(約365日) | 約2か月半 | 膨張している、漏れがあるなど |
レトルト食品 | 2年(約730日) | 約7か月 | 膨張している、漏れがあるなど |
賞味期限が切れたら食べてはいけないもの
賞味期限が切れた食品の中には、食べてはいけない、食べないほうがいいものもあります。賞味期限が切れたら食べてはいけない主な食品は、以下のとおりです。生卵
生卵には、サルモネラ菌などの食中毒の原因となる細菌が含まれている可能性があります。賞味期限を過ぎた生卵は、特に危険性が高まるため、絶対に食べてはいけません。鶏肉
鶏肉には、サルモネラ菌などの食中毒の原因となる細菌が含まれている可能性があります。賞味期限を過ぎた鶏肉は、特に危険性が高まるため、絶対に食べてはいけません。ひき肉
ひき肉は、鶏肉や豚肉などの肉を細かくしたもので、表面積が広いため、細菌が繁殖しやすいです。賞味期限を過ぎたひき肉は、特に危険性が高まるため、絶対に食べてはいけません。乳製品
乳製品には、雑菌の増殖により、食中毒の原因となる物質が発生する可能性があります。賞味期限を過ぎた乳製品は、特に危険性が高まるため、絶対に食べてはいけません。いちご
いちごは、傷みやすい果物です。賞味期限を過ぎたいちごは、傷みが進み、食中毒の原因となる細菌が繁殖している可能性があります。 これらの食品は、賞味期限を過ぎると、細菌の増殖が進み、食中毒のリスクが高まります。そのため、賞味期限を過ぎた場合、処分することを勧めます。非常食はより長い期間を過ぎても食べられる
一般的に非常食は製造工程で高温加熱やレトルト処理などの加工が行われているため、賞味期限を過ぎても安全に食べられる期間が残っている可能性があります。以下の記事で詳しく解説しています。関連記事:非常食は賞味期限切れでも食べられる!どのくらい過ぎても大丈夫なのか期限別に解説