特にビタミンやミネラルが足りなくなりやすい環境では、体調不良が心配です。ビタミン不足が長期間続くと、どのような変化が起こるのでしょうか。
この記事では、ビタミンの種類や不足することで現れる症状やおすすめの摂取方法を紹介します。災害などの非常時であっても、家族の健康を守り、安心して避難生活を送れるよう、日頃から対策しておきましょう。
災害時には栄養が偏りやすい

たんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維が不足しやすく※1、これが続くと体調不良を引き起こし、免疫力の低下や生活習慣病のリスクが高まります。さらに栄養不足は疲労感やストレスを増大させ、避難生活がより過酷なものになってしまうでしょう。
本記事では、特に重要な栄養素である「ビタミン」に焦点を当て、ビタミン不足による影響や対策について詳しく解説します。災害時に不足しがちなビタミンを効率的に補う方法を知り、健康を維持するための備えを整えましょう。
参考※1:避難生活で生じる健康問題を予防するための栄養・食生活について 厚生労働省
災害時に不足しやすいビタミン

ビタミンA
ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持、視力の正常化、免疫機能の向上に関与する脂溶性ビタミンです。主にレチノール(動物性食品)とβ-カロテン(植物性食品)という形で摂取され、体内で必要に応じて活用されます。ビタミンAが不足すると、以下のような症状が現れる可能性があります。※2
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- 成人男性:800~900µgRAE
- 成人女性:650~700µgRAE
参考※2:ビタミン 厚生労働省
ビタミンB1
ビタミンB1は、水溶性ビタミンの一種で、糖質をエネルギーに変換するために不可欠な栄養素です。また、神経や筋肉の正常な働きを維持する役割も持ちます。ビタミンB1が不足すると、以下のような症状が現れる可能性があります。※3
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- 成人男性:1.2~1.4mg
- 成人女性:1.1mg
参考※3:ビタミン B1 厚生労働省
ビタミンB2
ビタミンB2は、脂質や糖質、たんぱく質の代謝を助け、エネルギーを生み出す重要な栄養素です。また、皮膚や粘膜の健康維持、成長促進、抗酸化作用などにも関与し、健康な体を維持するために欠かせません。ビタミンB2が不足すると、以下のような症状が現れることがあります。※4
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日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、1日あたりのビタミンB2推奨量は以下のとおりです。
- 成人男性:1.6mg
- 成人女性:1.2mg(妊婦:+0.3mg、授乳中:+0.5mg)
ビタミンC
ビタミンCは水溶性ビタミンの一種で、強い抗酸化作用を持ち、免疫力の維持やコラーゲンの生成を助ける重要な栄養素です。また、鉄の吸収を促進し、ストレスや疲労への抵抗力を高める働きもあります。体内で合成できないため、食事からの摂取が欠かせません。ビタミンCが不足すると、が不足すると、以下のような症状が現れることがあります。※5
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- 成人男性:100mg
- 成人女性:100mg
参考※5:ビタミン C 厚生労働省
災害時のビタミン補給の解決策:サプリメントの活用

災害時には、限られた食料で栄養を補う必要がありますが、炭水化物中心の食事になりがちで、ビタミンやミネラルが不足しやすいのが現実です。そのため、手軽に栄養を補う方法として、サプリメントの利用がおすすめです。
サプリメントは場所を取らずに必要な栄養素を効率的に摂取できる大きなメリットがあります。また、避難場所への持ち運びが簡単で、軽量でコンパクトなので、負担が少なく避難時にも便利です。長期保存が可能なので備蓄品として最適でしょう。
何より、サプリメントは調理が難しい状況でも、手軽に摂取できるため、災害時のビタミン補給に非常に役立ちます。
災害時のビタミン補給におすすめのサプリメント

ビタミンC サプリ
避難所でのストレスや体調不良のリスクを減らし、風邪や感染症予防を意識したい方におすすめです。ビタミンC単体を選ぶことで、必要な栄養素をピンポイントで補充できます。
マルチビタミン&ミネラル サプリ
マルチビタミン&ミネラルは災害時に不足しがちな栄養素を含んでおり、身体の機能を正常に保つために必要な栄養素をバランスよく摂取できます。避難生活での栄養の偏りが気になる方には、マルチビタミン&ミネラルがおすすめです。
まとめ
災害時は食料が偏りやすく、炭水化物中心の食事が多くなるため、ビタミンやミネラルが不足しがちです。栄養バランスが崩れると、体調不良を引き起こすリスクが高まります。しかしながら被災時には電気が使えなかったり、物流が滞るなどして、生鮮食材を入手することも困難です。このような場合には、持ち運びやすく、さまざまな栄養素を摂取できるサプリメントなどを非常用バッグに入れておくと安心です。できるだけ長期保存が可能なサプリメントを備えるようにしましょう。