おはようございます。
本日で、2011年3月11日の東日本大震災(M9.1)と福島第一原発事故から 14年(5177日)です。
2024年1月1日の令和6年能登半島地震(M7.6)から1年4か月(497日)です。
平成7年(1995年)1月17日の阪神・淡路大震災(死者6,437人、重軽傷者43,792人)から 30年 です。
また、
明日5月13日(火曜日)は、地震の少ない鹿児島県川内市で震度6弱を観測した平成9年(1997年)の鹿児島県北西部地震(M6.4 重軽傷者43人 住宅被害5,389棟)から 28年 です。
今週5月16日(金曜日)は、青森県の下北半島を中心に 56人 が亡くなった昭和43年(1968年)十勝沖地震(M7.9 死者52人 重軽傷者188人)から 57年 です。
タケノコ生活
今週の5月15日(木曜日)は、七十二候(1年を72に分けた暦)の「 竹笋生(たけのこ しょうず)」です。
真竹(マダケ)の「筍(たけのこ)」が地面から顔をだす頃です。
《 うきふしや 竹の子となる 人の果 》松尾芭蕉(1644〜1694 *嵯峨日記)
《 筍を ゆり出す竹の あらしかな 》与謝蕪村(1716〜1784)
《 笋の 番してござる 地蔵かな 》小林一茶(1763〜1828)
※関連記事
・「筍」「笋」「竹の子」の違いは?(2024.05.13)
…さて、タケノコは成長し、竹となり、風にそよぐ姿は平和の象徴そのものです。
しかし、戦後に広島を取材したジャーナリストのロベルト・ユンク(1913〜1994)によると、
敗戦直後の食糧難の時代に《 タケノコ生活 》という言葉が流行したのだそうです。
(ロベルト・ユンク著「灰墟の光:甦えるヒロシマ」(文芸春秋新社 1961年))
都市部では、戦時中に貯蔵した非常用食糧も底をつき、いよいよ芋の茎と乾燥したペンペン草などから作った“粉食”くらいしか食べるものが無くなった人たちは、背に腹は代えられぬ、と次から次へと農村に自宅に残った物資を持ち寄って食糧品と交換しました。
つまり、タケノコの皮を一枚一枚むしっていくように、生活用品や家財などを少しずつ売ったり交換したりして食いつないでいくと、最後にはなにも残らなくなってしまう…という訳です。
無頼派作家の坂口安吾(1906〜1955)は、三十代後半のとき東京大空襲を体験しました。エッセイ「もう軍備はいらない」(1952年)では、空襲のたびに焼跡を歩き回ることが日課のようだったと述べています。
安吾は、爆撃をカミナリに喩えて、目の前に落ちて地面に突き刺さった何十本もの焼夷弾を、タケノコが地面から生えた、と戦争中の無感動な状態のなかで思ったとか。
《 戦争中も、捕虜になっても、腹がへり通しであったが、
母国へきてもまだへり通しで、捕虜の時よりもひどい。 》
とは戦後の生活の困難さを描いた帰還兵の小説「淪落の青春」(1948年)の一節からで、正確な統計はないものの、戦後から翌1946年にかけて、都市部での餓死者は相当数いたと推測されています。配給だけでは賄えず、闇市がはびこるくらいの危機的状況だったようです。
敗戦直後の日本では、物資不足や生産力の低下とともに、大量の国債が発行されたこともあり、1950年代の朝鮮戦争の特需までの数年間、物価が急激に上昇するハイパーインフレとなりました。
物価は、戦争終結1年後の1946年には戦前の21倍、1948年には172倍に跳ね上がったのだそうです。
人々は闇市で法外な値段で生活必需品を手に入れるしかなく、都市部では餓死者も出るほどの深刻な状況だったそうです。
今の日本もまた、物価高の波に揺れています。
2022年以降、食品やエネルギー価格の上昇が続き、今年もその傾向が止まりません。戦後のインフレと比べれば、現代の物価高はまだだいぶん穏やかですが、日々の生活に影響を与える点では同じですね。
梅雨のはしり
先週は、西から前線が近づいた影響で、暖かく湿った空気が流れ込み、西日本から東日本の広い範囲で、まるで梅雨のような強雨が降りました。
これから6月中旬にかけて、続々と雨のシーズンが始まっていきます。
まだ本格的な梅雨には入ってはいませんが、ちょうど今頃から前線が列島の南岸沿いの太平洋上に停滞したりして、天気がぐずつくことがあります。
そして、5月下旬ころからは、梅雨に先立って現れるこのような曇りや雨の日が続く“ぐずついた天気”を「梅雨(つゆ)のはしり」や「走り梅雨(はしりづゆ)」と呼びます。
梅雨のはしりは、数日で終わることが多いものの、年によってはそのまま長引いて梅雨入りなんてこともあるようです。
また、昔は、卯(う)の花(空木の花)が咲く頃に降る“花を腐らせるような長雨”ということから「卯の花くだし(卯の花腐し)」などとも呼んだそうです。
恐らく今週中には「梅雨のはしり」となりそうですね。
なお、「梅雨のはしり」は気象庁が公式に発表するものではありません。これは梅雨入り前に一時的に雨が続く状態を指す言葉で、気象庁が発表する「梅雨入り」とは異なります。
また、梅雨前線の動きや気象条件によって「梅雨のはしり」が現れない年もあるそうです。
GW前に発表された日本気象協会の「2025梅雨入り予想(2025年4月24日付)」によると、今年の梅雨入りは、関東〜九州は6月上旬で平年並みなのだそうです。
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◆執筆者
SEI SHOP(セイショップ)総合プロデューサー
平井敬也(ひらいひろや)
防災士(日本防災士機構登録No.040075)、日本人間工学会会員。
1970(昭和45)年、東京都世田谷区生まれ。神奈川県横浜市在住。日本大学大学院で安全工学・人間工学を専攻。大学院修了後、大手ゲーム製造メーカーに入社、企画開発、PL(製造物責任法)担当や品質管理(ISO9000)に携わる。2001(平成13)年、災害用長期備蓄食〈サバイバル®フーズ〉の輸入卸元、株式会社セイエンタプライズ取締役に就任。阪神淡路大震災で家族が神戸で罹災、日常の防災意識や危機管理の啓蒙普及を企図した無料メールマガジン『週刊防災格言』を07年よりスタート。毎週月曜日に防災格言を発信し続け2万人の読者を得ている。
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