おはようございます。
東日本大震災と福島第一原発事故から 13年 (5016日)です。
元日の令和6年能登半島地震からまもなく 11ヶ月(336日)です。
南海トラフ臨時情報「 巨大地震注意(8月8日〜15日17時終了)」の初の発表から
4ヶ月(117日)です。
… … … … … …
東京・九段下の靖国神社境内のイチョウ並木が、すっかり黄色く色づきました。
カエデ「紅葉」・イチョウ「黄葉」などと申しますが、黄葉が見ごろです。
一般的に、紅葉シーズンというと9月〜10月です。
秋(9月〜11月頃)の気温が高ければ高いほど落葉樹の紅葉は遅れていくものだそうで、
今年は、東京都心でも10月に真夏日(30℃以上)が3年ぶりに観測されたり、岐阜や群馬や栃木などでも11月の最高気温記録を更新したりと、全国的な猛暑だったことで、平地では紅葉がずいぶんと遅れました。
今週頃からは全国的に紅葉が見頃になりそうですね。
《 留守のまに 荒れたる神の 落葉哉 》松尾芭蕉(1644〜1694)
《 黄葉とも 紅葉とも見し 数樹あり 》相生垣瓜人(1898〜1985)
さて、紅葉と防災と言えば…
数多の種類のモミジの木が植えられ、日本屈指の紅葉スポットの一つとして知られる世界遺産の安芸(広島)宮島の厳島神社。
このなかの紅葉スポット「紅葉谷川庭園」は、災害復旧のために戦後になって日本庭園風に造営された土砂災害用砂防施設であることは余り知られていません。
厳島神社は、敗戦直後の1945年(昭和20年)9月17日に広島を襲った「枕崎台風」で、土石流が襲い大きな被害を受けました。
枕崎台風が枕崎(鹿児島県枕崎市)を上陸した際の最低気圧は916.1hPaとものすごく低く、台風はその後、北東に進み、九州、四国、近畿、北陸、東北地方を通過して三陸沖へ進みました。
宮崎県細島の最大風速51.3メートル、最大瞬間風速75.5メートル、枕崎で最大風速40.0メートル、最大瞬間風速62.7メートル、広島でも最大風速30.2メートル、最大瞬間風速45.3メートルを観測する猛烈な風が吹き、九州や中国地方では降水量200ミリを超えました。
敗戦直後のことで防災体制も今ほど十分でなかったこともあり、各地で大きな被害が発生し、特に広島県では2,000名を超える死者・行方不明者を出す大被害となりました。
この日の宮島の総雨量は170mmを超え、紅葉谷川の上流で発生した山崩れは土石流となって、厳島神社の西方裏手から押し寄せ、天神社、長橋、揚水橋、平舞台、廻廊が流失し、神社床下は、多量の土砂や流木で埋まりました。
しかし、広島は、終戦間際の原爆投下や空襲被害もあり、台風で壊滅した厳島神社の復旧もままなりませんでした。
神社は、その後1年以上にわたって土砂の撤去すら放置された状態が続きました。
翌1946年(昭和21年)11月、進駐軍の連合国最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)民間情報教育局(CIE)で文化財保護担当となったチャールズ・F・ギャラガー(Charles
F.Gallagher /
生没不詳)という人物の働きかけもあり、被災3年後の1948年(昭和23年)8月に3カ年の災害復旧事業がようやく始まりました。
被災から6年後の1951年(昭和26年)3月に復旧工事は完成します。
工事では、史跡・名勝地らしさが失われないよう自然や景観を配慮し、周囲の樹木を一本たりとも伐採せず、土砂をせき止める砂防施設は人工的なコンクリートがいっさい見えないように石に包むなどの工夫が凝らされました。
そして、災害から75年後の2020年(令和2年)12月、「紅葉谷川庭園砂防施設」は、意匠的に優秀で歴史的価値の高いものとして、戦後の土木施設初の「重要文化財」に指定されて今に至ります。
※Monuments Men and Women Foundation > Charles F. Gallagher
https://www.monumentsmenandwomenfnd.org/gallagher-lt-charles-f-usnr-1
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師走(しわす)
旧暦12月の異称は、師が走る、と書いて「師走(しわす =
しはす)」と読ませます。
そのため、俗説では、
普段は落ち着いている偉い僧侶や先生方であっても、年末となると何かと多忙で「師が走り回る」からだとか…
または、
一年の終わりに法師(僧侶)を家に招き、お経とともに先祖供養をしていただく檀家が増えるので、僧侶と坊主が走るくらい忙しくなることを「師馳月(しはせづき)」と言い、それが略されたのだとか、で諸説あるようです。
国文学者・歌人の市村宏(1904〜1989)さんによると、この広く流布された、おかしな語源説は、藤原清輔(平安時代末期)の『清輔奥儀抄』の説に基いているのだとかで、
《
随分長い間、そしてハイクラスの人々もたっぷりとだまされて来た説であるらしい
》
…と、大間違いと断じています。
本当のところの語源も謎なのですが、「歳果(としはつ)」の略だとか、あるいは12月8日と2月8日の節句である事納め(コトオサメ)を「為極(しはつ)」といってこれが転じたという説など、もあるそうです。
※関連記事
八日節句(事始め)と災厄除けのお話(2024.02.05)
市村宏さんは、12月8日(お事始)〜2月8日(お事納)までの二ヶ月間が農閑期にあたるので、古来、この時期を神事に当てて、1月は神酒の熟成する月なのでウム月、睦月(ムツキ)の名となった、と考えて、
その前の10月は、新穀を得てこれを噛みなし、神酒を醸造する神無月(カミナシヅキ)であり、その神酒は1月に熟成するから農事を為果(しは)てて、もっぱら神に仕える期間に入るのが、十二月(シハス)であった…と、「事始め」との関連性があるのではないかと述べています。
そして、日本書紀の神武紀に「十有二月」、仁徳紀に「季冬」と記して、それぞれをシハスと訓じ、また、万葉集の紀小鹿女郎の歌った、
《 しはすには沫雪ふると知らねかも梅の花咲くふふめらずして 》
(師走には沫雪が降る事を知らないのか、梅よ蕾のままでいればよいのに)
とあって、しはす、に「十二月」を宛てたのではないかと論じています。
(※出典:市村宏著「迯水居漫筆 定家と牡丹」(渓声出版 1979年)より)
私も、農業神や作物の収穫と深く関っている日本の「暦」で「師が走るから」を語源とするのは、さすがにおかしいと感じます。年末年始の節供(節句)が農作業の農閑期に当るので、これに関連するだろうという考えは、たいへん興味深いですね。
何れにしても、一年の締めくくりの月で、忙(せわ)しない年の瀬です。
新しい年を迎えるために、掃除したり、色々準備したりと年用意(としようい)がこれから始まり、人々は慌ただしくなり、何となく急(せ)く気持ちも、そこはかとないやるせなさも感じるのが、この師走でもありますが、
一方で、年が暮れていき、また新しい年が始まる、という、何だか明るい未来をも想像できる、そんな月ですね。
皆さま、忘年会や挨拶回りで飲み過ぎて体調を崩さぬようにご注意ください。
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12月に大災害が集中する不思議を科学する(2023.12.25)
橘始黄(たちばな はじめて きなり)
本日12月2日(月曜日)は七十二候(1年を72に分けた暦)の「
橘始黄(たちばな はじめて きなり) 」です。
柚子やミカンなど柑橘類が黄色に色づき始める頃です。
この季節が過ぎると大雪(たいせつ)を迎えることになり、暦の上でも冬が深まって参ります。
さて、
私の出身(父方の実家)は静岡県富士市なので、幼い頃からミカン(小みかん)というと静岡県の「青島ミカン」「寿太郎ミカン」「はるみ」などを思い浮かべます。
ミカンは、冬場だと常温で3週間も日持ちする優れた果物です。
主成分のビタミンCは抗酸化作用があり、身体の免疫機能を高める働きがあるため、昔から風邪の予防や美容に効果があると言われています。
静岡県によると、ミカンには発がん抑制効果のあるβクリプトキサンチンが多く含まれていることが農業食品産業技術総合研究機構果樹研究所と京都府立医科大学などの共同研究で判明したそうで、ほかにも、ミカンの中の様々な成分は、老化予防、消化機能調整、高血圧抑制、精神安定作用、脳卒中予防、壊血病防止、カルシウム吸収促進という多くの効能を有していることも分かってきました。
また皮にはリモネンという精油成分が含まれ、その成分がお風呂に溶け出し毛細血管を広げ、血液循環が良くなる効果もあるとされます。
こう考えると、ミカンは、冬の保存食にも有効ですね。
※静岡県 > 農林技術研究所果樹研究センター >
ミカンに含まれる機能性の成分
https://www.kajuken-shizuoka.jp/wadai.html
ミカン(小みかん)の原産地は中国で、12世紀か13世紀頃に、九州の肥後(熊本)に伝わったとされ、その後、紀州の有田に伝来し、長い年月をかけて本州の東方各地へと広がっていったそうです。
「静岡県柑橘史」(静岡県柑橘販売農業協同組合連合会
1959年)によると、静岡県(駿河地方)では、室町時代末期から、すでにミカンの栽培がおこなわれていた、とあります。
天文12年(1545年)に駿河今川家が書いた文書が、瑞応寺(静岡市小坂)に残っていて、そこには《
菓柑類
》のことが述べられており、当時の瑞応寺(瑞応庵)に小みかんかどうかは分らないものの、柑橘類の栽植があったことが見てとれるのだそうです。
公家の山科言継(1507〜1579)の日記(言継卿記)には、しばしば駿河の今川家からミカンを貰っただとかの記述が出てきます。
ただ、その日記には、どんな大きさで、どんな種類のミカンで、どこの地域で収穫されたものだ、などの情報は一切書かれていないそうです…。
《
山科言継はミカンに余り興味がなかったのか、あるいは京都でミカンを見慣れており、いまさら駿河のミカンに接してもさほど珍しくなかったかの、どちらかであろう
》
…とかなり面白い「静岡県柑橘史」編者の見解が添えられていました。
ほかにも、徳川家康の直臣である横田内膳正村詮(よこた ないぜんのしょう
むらあき /
1552〜1603)が、庵原郡由比村(現在の静岡市清水区)の百姓に宛て、慶長4年(1599年)に公布した法度(掟)に《
蜜柑之木 》の記述があるといいます。
その後、静岡県全土に広くミカンが普及し、今に至る、まとまった量の栽培が行なわれるようになったのは幕末になってからなのだそうです。
《 行く秋の なほ頼もしや 青蜜柑 》松尾芭蕉(1644〜1694)
《 かゞみ餅 蜜柑はうまき 時分也 》森川許六(1656〜1715)
《 日のさして ふるや蜜柑に 初しぐれ 》鶴田卓池(1768〜1846)
大雪(たいせつ)
週末12月7日(土曜日)は、二十四節気「 大雪(たいせつ) 」です。
北風が日増しに強くなり、山は雪をかぶり、平地にも雪が降る頃です。
その名の通り、雪が激しく降って「大雪(おおゆき)」となる地域もみられ、これから暦の上からも本格的な冬を迎えることになります。
日本海を渡ってくる冬の季節風は、“冬将軍”の国ロシアのシベリアから来ており、シベリアは、今、最高気温は氷点下20℃以上、最低気温は氷点下30℃以上の極寒となります。
北風が吹いて、北日本や日本海側では、曇り空が多くなり、各地で、初霜や初氷の話題も増えてきます。
寒くなるにつれて、屋外と室内の温度差も大きくなって、冬の乾燥も手伝い、風邪やインフルエンザをひきやすくなるのがこの頃です。
※関連記事
日本の豪雪と冬将軍の正体とEU「民間防衛」の今(2024.11.25)
インフルエンザは例年12月から3月にかけて流行します。
先週11月29日(金曜日)の国立感染症研究所などの発表(11月24日時点)によりますと、全国のインフルエンザ患者数は1医療機関あたり「2.36人」で、全国的な流行期の「1.0以上」になってから3週連続で増加中です。
すでに全国的にインフルエンザ流行シーズンに入っていますので、これからの本格的流行を前に、インフルエンザにかからない、感染を広げないために、こまめな手洗い、消毒、咳エチケット等の基本的な感染防止対策を一人ひとりが心がけましょう。
インフルエンザ対策のポイントとして、東京都などでは、
・こまめな手洗い、消毒
・着用が効果的な場面でのマスク着用
・休養、栄養・水分補給
・咳エチケット
・適度な室内加湿・換気
・ワクチン接種(かかりつけ医と要相談)
と述べています。
ミカンを食べつつ、健康で元気に師走を乗り切りましょう!
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◆執筆者
SEI SHOP(セイショップ)総合プロデューサー
平井敬也(ひらいひろや)
防災士(日本防災士機構登録No.040075)、日本人間工学会会員。
1970(昭和45)年、東京都世田谷区生まれ。神奈川県横浜市在住。日本大学大学院で安全工学・人間工学を専攻。大学院修了後、大手ゲーム製造メーカーに入社、企画開発、PL(製造物責任法)担当や品質管理(ISO9000)に携わる。2001(平成13)年、災害用長期備蓄食〈サバイバル®フーズ〉の輸入卸元、株式会社セイエンタプライズ取締役に就任。阪神淡路大震災で家族が神戸で罹災、日常の防災意識や危機管理の啓蒙普及を企図した無料メールマガジン『週刊防災格言』を07年よりスタート。毎週月曜日に防災格言を発信し続け2万人の読者を得ている。
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