おはようございます。
東日本大震災と福島第一原発事故から 13年 (5002日)です。
元日の令和6年能登半島地震からまもなく 10ヶ月(322日)です。
南海トラフ臨時情報「 巨大地震注意(8月8日〜15日17時終了)」の初の発表から
3ヶ月(103日)です。
━━━━━━━━━━━━━━━
◆セイショップからお詫び◆
━━━━━━━━━━━━━━━
ただいま、8月8日の日向灘地震と南海トラフ地震臨時情報発表に伴い、サバイバルフーズをはじめ、保存水、トイレ処理剤など、多くの製品で欠品が出たため、納品にかなりのお時間を頂いております。
*現在の在庫状況について詳しくは下記をご覧ください。
ご注文について重要なお知らせ
━━━━━━━━━━━━━━━
◆サバイバルフーズ・サプリメント(7年備蓄の栄養機能食品)◆
━━━━━━━━━━━━━━━
7年保存の栄養機能食品「サバイバルフーズ・サプリメント」の「マルチビタミン&ミネラル」が販売再開となりました。
栄養機能食品 サバイバルフーズ(R)サプリメント
2種セット(マルチビタミン&ミネラル×1、ビタミンC×1)
[7年保存]|非常時の健康を考える長期保存のサプリメント
¥7,560(税込)
非常時の健康を考える長期保存のサプリメント2種セット。避難生活の食事で偏る栄養素バランスを効率的に整えます。非常時の栄養バランスをより整えたい方は、サバイバルフーズ®サプリメントを食事と一緒にお召し上がるのがオススメです。
大雨が増えている
10月末に、スペイン東部バレンシア州に集中豪雨が襲い、11月13日にはスペイン南部アンダルシア州が新たに集中豪雨に見舞われました。
スペインの地中海沿岸部では、秋のこの時季には“コールドドロップ(ゴタ・フリア)”という気象現象が起こるそうで、寒気を伴った寒冷低気圧(スペイン語でDANA)が、南からの暖かい空気とぶつかり、時に激しい雷雨をもたらすのだといいます。
一般的に、ヨーロッパには日本のような梅雨のシーズンは無い、と聞いていましたので、このような気象イベントがあるとは私も知りませんでした。
調べると、スペインでは過去に、1957年10月のバレンシア大洪水(死者81人超)や1962年9月のヴァレス大洪水(死者1000人)など、この寒冷低気圧による集中豪雨による洪水被害が発生しているようです。
中央ヨーロッパでは、今年6月以降、ドイツ、スイス、ポーランド、ルーマニア、オーストリア、チェコ、ハンガリー、スペイン、イタリアなどで記録的な集中豪雨が相次ぎました。
科学者らは断定まではしていないものの、少なくとも、これらの今年の記録的降雨と気候変動の関連も示唆していて、今後も温暖化が進むことで“地球規模の異常気象”がさらに起こりやすくなるとも指摘しています。
ヨーロッパ圏(EU)は、温室効果ガス削減など世界の気候変動対策を先導していることで知られていますが、
地球温暖化は“地球規模”という地球全体の平均の話なので、いくら自国で厳しい対策を行ったからといって、対策を先導した国々の温暖化が弱まる訳ではない、というのが“天の理(自然現象)”との共存の難しさなのかもしれません。
特に水害は、近年になって、日本はもとより、世界各地で発生が増えているのは事実です。
世界で起きた洪水被害件数の推移では、1970年代と比較して最近10年間で約3倍に増加しており、とくにこの20年間で急激に増えているのだそうです。
実は、急激に増えた背景には、インターネットの出現によるボーダレス化やグローバル化により、途上国からの災害の被害報告が容易になった、という側面もあるといいます…が、専門家らは、原因の一つに「地球温暖化」があるとも述べています。
しかし、どこの科学者も発言が慎重なんですね。
いずれにしても、地球温暖化は事実であり、日本の気象庁のように、きちんと統計を取っている機関も《
近年、大雨が増えている
》と述べていますので、各地の降雨量の増加傾向と地球温暖化が関係しているといった可能性は高そうです。
※気象庁 > 異常気象リスクマップ > 大雨が増えている
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/riskmap/heavyrain.html
小春日和(こはるびより)
「秋晴れの小春日和」等と表現した天気予報が目に付きます。
春先の暖かい日と間違えている人も存外に多いそうですが、小春というのは、旧暦10月の別称で、今の暦だと11月〜12月初めの頃ということになります。
「小春」は冬の季語なんですね。
また、もう一点、単に天気が快晴であることを小春日和とする傾向もありますが、これも正確には誤りのようです。
辞書で調べると《 小春とは暖かで春に似ているからいう、陰暦十月の異称
》とあります。
この晩秋から冬の寒い時期にも関わらず「暖かい」ことが、小春の大事な構成要件であることが分ります。
昔の俳句でも、天気が良く、暖かく春めいた感じのする日、のような扱いが見てとれます。
《 さをしか(牡鹿)の しの字に寝たる 小春哉 》小林一茶(1763〜1828)
《 曲り来る 空や小春の 旅日和 》天野桃隣(1639〜1720)
《 花や降ん 小春しづかに 翁の日 》下郷蝶羽(1677〜1741)
秋が深まり木枯らしが吹き始める頃になると、季節風を吹かせる北の大陸高気圧が優勢になり、そこから抜け出してくる移動性高気圧も大きくなって、南へと偏ってゆっくりとした速度で通過すると、よく晴れて抜けるような青空になるのだそうです。
そう、今の季節は、一年でも快晴の日数が多い時期です。
そして、風も弱ければ、冷たい空気も来ることはありませんので、暖かい陽気に恵まれることが多いのです。
先週も、各地で20℃を超える小春日和が続き、各地は行楽客で賑わいました。
ただ、初冠雪が遅かった“異常気象”の今年は、続く小春日和に、各地のスキー場ではゲレンデ整備が進まずに、だいぶん困惑しているようです。
氷点下が続くほど上質の雪質になるそうですが、気温が高いと降雪機の雪でさえ解けてしまうそうで、現場では、小春日和よりも寒気を待ち望んでいる、のだといいます。
天気予報では、どうやら今週は、北海道から北陸地方の日本海沿岸に寒冷前線が伸びる見込みで、低気圧が日本列島を通過し、西高東低の冬型の気圧配置が強まります。
日本海側の北西からは師走並みの強い、今季一番の寒気が入ってくるため、全国的に気温が一気に下がり、今週前半は、冬の厳しい寒さになるようです。
スキー場には朗報である一方、一般の人たちは、これから急いで冬支度を進める必要がありそうです。
金盞香(きんせんこうばし)
昨日の11月17日(日曜日)は七十二候(1年を72に分けた暦)の「
金盞香(きんせんこうばし) 」でした。
水仙や金盞花の花が咲き始める頃で、この季節が過ぎれば、雪の便りが聞かれる二十四節気「小雪(しょうせつ)」を迎えます。
《 水仙や 江戸の辰巳の かぢけ坊 》小林一茶(1763〜1828)
《 銀屏を 後ろにしたり 水仙花 》夏目漱石(1867〜1916)
《 水仙に さはらぬ雲の 高さ哉 》正岡子規(1867〜1902)
金盞(きんせん)とは、金色の盃を意味し、水仙の別名です。
水仙の原産地はスペインやポルトガルや地中海沿岸で、中国から日本に伝わり、その花の清楚な姿と香りが仙人のようだからということで「水仙」と言われるようになったといいます。
花言葉は「自己愛」、水仙の学名は「ナルシッサス」と呼ばれています。
ギリシャ神話の美青年ナルキッソスは、泉の水に映った自分の姿に見とれて、動かずにそのまま花になってしまったのですが、その花が水仙でした。
ナルキッソスはナルシストの語源にもなっています。
…さて、
ギリシャ神話というと、大洪水による人類の滅亡と再生の物語『デウカリオンの洪水』という有名なお話があります。
神々の怒りを買った人間を絶滅させるため、全知全能の神ゼウスが地上に大洪水を起こし都市は水没します。
デウカリオンは父親プロメテウスの警告で、方舟を作り、妻ピュラーとともに9日間水上を漂いパルナッソス山に漂着して助かります。デウカリオンとピュラーは神殿に祈りを捧げ、お告げに従って生贄としての二つの石を投げると、人間の男と女が誕生し、再び地上に人間が溢れた…。
というようなお話ですが、同じような大洪水伝説は、バビロニアの文学『ギルガメシュ叙事詩』(紀元前2千年紀)や、旧約聖書『創世記』のノアの方舟、シュメール神話など、世界中の100以上の神話に共通している、のだそうです。
実は、これらは紀元前3000年頃にメソポタミアで起こったとされる大洪水の記録である、という説がある一方で、メソポタミアの洪水伝説と聖書の洪水の記録などは別である、といった議論もあります。
紀元前3000年頃は、日本では縄文時代で、ヒプシサーマル期(hypsithermal)や気候最適期と呼ばれる地球全体の気候が最も温暖で住みやすい環境だったとされる時期にあたります。
この時代は、年平均気温は現在より2〜5℃も高かったとされ、海水準(陸地に対する海面の相対的な高さ)も現在より3〜5メートルは高かったともされています。
かなり乱暴なお話をしますが、現在の気候変動の問題では、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、気温が1.5℃上昇するだけで異常気象の発生頻度は高くなり、2.0℃上昇すると、地球規模で気候リスクが急激に増大し、人間や地球上の生き物に多大な影響を及ぼすとされます。
2℃程度で、少なくとも、異常気象の発生頻度が2倍となって、それにより、熱波、台風や豪雨や洪水の被害、干ばつ、感染症など発生が増える、のだそうです。
2℃以上も気温が高かったというヒプシサーマル期の環境と似ているのかもしれません。
すると、ヒプシサーマル期は、ヨーロッパや中東、アジアなど世界各地で、今よりも大きな規模で集中豪雨や洪水が頻発していたのかもしれません。
そもそもメソポタミアは、ギリシア語で「二つの河の間」を意味する水の文明でした。
シュメール人によって築かれたメソポタミア文明は、ダムや堤防、運河という大規模な土木施設が発達し、洪水を制御しながら灌漑農耕の技術で発展した世界最古の都市文明だったとされます。
そして、シュメール文明の衰退には、塩害による食糧不足という説が有力なのだそうです。
実は、今の地球温暖化問題でも、海面上昇などにより塩害の発生や進行が加速し農業生産に大きな影響を与えることが懸念されています。
昔から人類は、繰り返し発生する大洪水や大地震といった大規模自然災害を経験してきたのでしょう。
これらの世界の洪水の神話は、数千年の太古の昔に、各地で発生した、きっと今より激甚だった自然災害から、生き延びた各地の人たちが、後世に残そうと思った災害の教訓だったのかもしれません。
※関連記事
・火種(マッチ)とギリシャ神話「プロメテウスの火」
・旧約聖書『創世記』41章の防災格言
・旧約聖書『伝道者の書』ソロモン王の防災格言
・台風と地震の増加は地球温暖化のせい?(2024.08.26)
◆執筆者
SEI SHOP(セイショップ)総合プロデューサー
平井敬也(ひらい
ひろや)
防災士(日本防災士機構登録No.040075)、日本人間工学会会員。
1970(昭和45)年、東京都世田谷区生まれ。神奈川県横浜市在住。日本大学大学院で安全工学・人間工学を専攻。大学院修了後、大手ゲーム製造メーカーに入社、企画開発、PL(製造物責任法)担当や品質管理(ISO9000)に携わる。2001(平成13)年、災害用長期備蓄食〈サバイバル®フーズ〉の輸入卸元、株式会社セイエンタプライズ取締役に就任。阪神淡路大震災で家族が神戸で罹災、日常の防災意識や危機管理の啓蒙普及を企図した無料メールマガジン『週刊防災格言』を07年よりスタート。毎週月曜日に防災格言を発信し続け2万人の読者を得ている。
【書籍】天災人災格言集―災害はあなたにもやってくる! ¥1,650(税込)
「平井敬也の防災歳時記」をメールで読みませんか?
スタッフブログ「平井敬也の防災歳時記」は、2007年から配信している防災情報メルマガ「週刊防災格言」を元に作成しています。
防災士・平井敬也が災害に備える知識を、毎週月曜日に無料でお届け。
いざという時の安心を日常の中で少しずつ備えませんか?