おはようございます。
東日本大震災と福島第一原発事故から 13年 (4841日) です。
元日の令和6年能登半島地震から 161回目 の朝を迎えました。
今週の水曜日(6月12日)は、1978年の宮城県沖地震(M7.4 死者28人)から 46年 です。
今週の金曜日(6月14日)は、2008年の岩手・宮城内陸地震(M7.2死者・行方不明者23人)から 16年 です。
そして、土曜日(6月15日)は、三陸沿岸を20メートル以上の大津波が襲った1896年の明治三陸地震大津波(M8.5 死者21,953人)から 128年 です。
また、日曜日(6月16日)は、1964年の新潟地震(M7.5 死者26人)から 60年 です。
… … … … … …
…さて
腐草為蛍(ふそう ほたる となる)

本日6月10日(月曜日)は七十二候(1年を72に分けた暦)の「 腐草為蛍(ふそうほたるとなる) 」です。
読んでそのまま
《 腐った草の間からホタルが出てくる頃 》
の意です。
ホタルは、土の中でサナギとなって地上で羽化することから、昔の人は草が朽ちてホタルになると信じました。
古代中国では腐った沼地・湿地からホタルが生れるイメージがあったようで、前漢時代(2000年前)の中国古典「礼記(らいき)」の六・月令には、
《 季夏之月、腐草為螢。 》
とも記されています。
松尾芭蕉の門弟(桃青門弟独吟二十歌仙)の向日卜宅(1745没)も
《 枯れ草の また萌え出づる 蛍かな 》
と詠んでいます。
… … … … … …
…また、
本日6月10日(月曜日)は、
雑節「 入梅(にゅうばい)」

です。
暦の上では、本日より“梅雨入り”となります。
なお“雑節(ざっせつ)”というのは、中国から伝わった正式な暦(二十四節季)を補うために補助的に日本で生まれた独自の暦をいいます。
入梅のほかにも、節分・八十八夜・土用・彼岸・二百十日なども雑節の一つとして知られています。
…さて、
例年(平年)ですと、本州では、ちょうど先週頃から“梅雨入り”の発表がされ始めるはず(?)…でしたが、今年は梅雨前線がなかなか北上してこず、梅雨が少し遅れるとの見通しのようです。
沖縄はすでに梅雨入りしており、九州南部は一昨日(6月8日)に、四国が昨日(6月9日)に「梅雨入りしたとみられる」と発表されました。
これは、九州南部が平年より9日ほど遅く、四国は4日ほど遅いようです。
ほかの地域も1週間ほど平年より遅れるかもしれない…という予報もでていたので、そうすると、今週から各地で梅雨入りラッシュになるのかもしれませんね。
ただ、具体的に「雨がどのくらい降ったら梅雨です」というような基準も特にないそうで、気象の専門家も、この梅雨の予報というのはたいへん読み難いようです。
「梅雨入り宣言」「梅雨明け宣言」と呼ぶ人もいますが、実は、今の気象庁は“宣言”をしません。
『 梅雨入りしたとみられる 』
『 梅雨明けしたとみられる 』
と、どこか自信なさげな発表をしています。
正確には、梅雨入り・梅雨明けの発表については、かつて気象庁で宣言をした時期もあったようですが、正確な判定が難しいので、今では「宣言」という言い方をやめたのだそうです。
自信がないなら発表しなければいいじゃん、と思う人もいるかもしれません。
また、実際に、毎年のように気象庁には、まだ梅雨入りしていないじゃないの?…などというクレームの様な声も届くのだといいます。
でも、気象庁が梅雨を発表するのには、きちんとした目的があるのです。
梅雨というのは、九州から東北にかけ、6月〜7月の約1か月半にわたる長い雨の季節であり、毎年、大雨による災害が多発するものです。
雨が降りやすく、大雨による災害も発生しやすくなるため、気象庁では、防災上の注意喚起を目的に“梅雨入り”の発表を速やかに行っているのだといいます。
また、“梅雨明け”も同様に、気象庁では、大雨の時期は終わりを迎えるものの、これから夏の厳しい暑さとなるため注意するよう呼び掛けることを目的に発表されているのだそうです。
たいへんありがたいですね。
ただ、
私も、過去に幾度か、気象庁の「今回の発表はちょっと酷いなー(誰が予報したのかな?)」と思うようなこともございました。
地震も気象も、自然現象は予測や線引きがとても難しい現象ですから、もう少しあたたかい目で気象関係者の言動を見守っていきたいものですね。
という訳で、この時期の「梅雨入り」や「梅雨明け」は、あくまでも暫定的な「速報値」のみが気象庁から発表されるもので、実際には、後日になって日付が変更されたり、発表そのものが取り消されることもよくあるのだといいます。
最終的に「梅雨入り」と「梅雨明け」が「○月○日ごろ」と気象庁で「確定値」が発表されるのは例年9月に入ってからになります。
9月の発表はさすがに遅いなと思う人も多いかと思いますが、気象庁では、今年の春から夏にかけての天候経過を振り返り、梅雨入りと梅雨明けの時季を確定させる作業を行うことから、どうしても時間がかかってしまうのだそうです。
やはり、予報は難しいんですね。
過去にない大幅見直しがされた2022年(令和4年)の「梅雨」
覚えている人もいらっしゃるかもしれませんが…、
一昨年の2022年6月末、過去最速の“梅雨明け”が発表されて、話題となりました。
九州南部・東海・関東甲信で梅雨明けしたとみられる…
と気象庁が速報値をだしたのは 2022年6月27日 でした。
これは平年と比較して九州南部で18日早く、東海・関東甲信では22日も早い“観測史上で最も早い梅雨明け”でした。
これにより日本各地では、観測史上で最短の梅雨期間を記録することにもなり、当時は地球温暖化が世界的トレンドだったこともあって連日のニュースとして大きく取り上げられました。
その後の天気も、日本各地で相次いで猛暑日(35℃)が観測されることになります。
東京都心でも6月25日に過去最も早い猛暑日(35℃)を観測したのを皮切りに、7月3日まで「過去最長の9日連続猛暑日」を記録することとなったのでした。
…確かに、7月3日までは、気象庁の梅雨明けの発表通りとなる“梅雨明けの後の夏本番の暑さ”が観測されました。
ところが、7月4日に状況は一変します。
7月4日頃から、日本列島に近づく台風4号(アイレー)の影響も手伝って、日本各地では連日の雨模様となりました。
その後も雨は止まず、7月中旬まで、まるで梅雨が戻ったような悪天候が続くことになりました。
そして、2022年9月1日、気象庁から梅雨入りと梅雨明けの確定値の発表がされました。
気象庁は、速報では「6月下旬(関東甲信は6月27日)」としていた梅雨明けを、約1か月遅い「7月下旬(関東甲信は7月23日)」に修正し確定値を発表したのでした。
過去、気象庁で「速報値」と「確定値」が変更されるケースは幾度もありましたが、およそ1か月も日付がズレるほど大幅に修正されるケースは史上初めてのできごとでした。
気象庁は、7月中旬以降の天候不順の原因となった偏西風の蛇行を予測できなかったことが、梅雨明け時期が速報値と確定値とで大きく変わった原因としながら「我々の予測技術がまだ十分でないということを痛感している」と釈明することになりました。
北海道には梅雨がない
実際の「梅雨入り(梅雨の始まり)」と「梅雨明け(梅雨の終わり)」は、各地方ごとの気象台が発表していますが、日本列島は南北に長く、梅雨入りの日にちは、南は沖縄から、北は東北まで、だいたい一か月ほど幅があります。
平均的な梅雨入り平年日を見比べると、
・沖縄(5月10日ごろ)
・奄美(5月12日ごろ)
・九州南部(5月30日ごろ)
・九州北部(6月4日ごろ)
・四国(6月5日ごろ)
・中国・近畿・東海(6月6日ごろ)
・関東甲信(6月7日ごろ)
・北陸(6月11日ごろ)
・東北南部(6月12日ごろ)
・東北北部(6月15日ごろ)
地方によってだいぶん日にちがズレているのが分かります。
ちなみに沖縄の梅雨明け平年日は6月21日ごろで、東北北部は7月28日ごろとなっています。
※気象庁 > 令和6年の梅雨入りと梅雨明け(速報値)
⇒https://www.data.jma.go.jp/cpd/baiu/sokuhou_baiu.html
また、お気づきになったかと思いますが…
北海道に「梅雨」はありません。
正確には、北海道の方で梅雨現象が現れることもあるのですが、ほかの地方と異なり、北海道には、いわゆる梅雨という雨期の現象があまりはっきり表れないようです。
北海道はオホーツク海高気圧に覆われていて、発達した梅雨前線が到達せず、天気がよいことが多いので、そういう点により、北海道では「梅雨入り」は発表されることはないのだそうです。
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◆執筆者
SEI SHOP(セイショップ)総合プロデューサー
平井敬也(ひらい ひろや)
防災士(日本防災士機構登録No.040075)、日本人間工学会会員。
1970(昭和45)年、東京都世田谷区生まれ。神奈川県横浜市在住。日本大学大学院で安全工学・人間工学を専攻。大学院修了後、大手ゲーム製造メーカーに入社、企画開発、PL(製造物責任法)担当や品質管理(ISO9000)に携わる。2001(平成13)年、災害用長期備蓄食〈サバイバル®フーズ〉の輸入卸元、株式会社セイエンタプライズ取締役に就任。阪神淡路大震災で家族が神戸で罹災、日常の防災意識や危機管理の啓蒙普及を企図した無料メールマガジン『週刊防災格言』を07年よりスタート。毎週月曜日に防災格言を発信し続け2万人の読者を得ている。
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