サバイバルフーズ販売45年 非常食・防災グッズ・防災の専門店|おかげさまでサバイバルフーズは発売から45周年

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瓦礫の中に埋まった金庫

おはようございます。

先月7月28日(火曜日)に九州を襲った震度7の地震「 令和8年熊本地震(M7.1) 」から 4週間 (28日目) です。

2024年1月1日の「 令和6年能登半島地震(M7.6) 」から 2年7か月 (967日目) です。

2011年3月11日の「 東日本大震災(M9.1) 」と「 福島第一原発事故 」から 15年5か月 (5646日目) を迎えました。

2016年4月14日と4月16日の2日間に震度7が2度襲った「 熊本地震(M6.5、M7.3 死者275人、重軽傷者2,739人) 」から 10年 (3785日目) です。

1995年1月17日の「 阪神・淡路大震災(M7.3 死者6,437人、重軽傷者43,792人) 」から 31年 (11543日目) です。

米国とイスラエルによる対イラン攻撃(2月28日)から、6か月 (178日目) です。

昨日8月23日(日曜日)は、暦の上では、暑さが和らぎ始める初秋の頃となる「処暑(しょしょ)」を迎えました。

ただ、今週は厳しい残暑となりそうです。

先週末(金曜日頃)、前線が南下して一時的に暑さが緩和しましたが、今週は前線が再び北上し、太平洋高気圧の勢力が強まる見込みです。

前線が北へ押し上げられることで、日本列島の広い範囲が暖かい空気に覆われ、関東では 35℃前後、東海から西日本では 35〜38℃前後 まで気温が上がる予想となっています。
地域によってはフェーン現象の影響も加わり、40℃ 近い危険な暑さとなる可能性もあります。

処暑を迎えたとはいえ、この時期は 暑さが和らぐ日と厳しい残暑の日を繰り返しながら少しずつ秋へ向かう季節です。

引き続き熱中症への備えを心がけてお過ごしください。

8月23日未明の「茨城県南部地震(M5.9 最大震度5弱)」

地震速報で飛び起きた人も多かったと思います。(私も飛び起きました…。)

一般向けの緊急地震速報が、実際に、どの都県へ配信されたかまでは知りませんが、少なくとも関東5都県(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城)だけで人口4,000万人です。だから、これだけの人のスマホで一斉に警報が鳴ったかもしれません。
就寝中の揺れと警報に慌て、転倒など怪我を負った方も多いようです。

昨夜8月23日(日曜日)未明(深夜2時頃)に“地震の巣”と言われる茨城県南部を震源に、マグニチュード5.9(深さ68km)の比較的に大きな地震がありました。

この地震で、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都(足立区)の17市区町村で震度5弱の揺れが観測され、怪我人が45人にのぼったほか、エレベータ内への閉じ込めなども複数(少なくとも6件)で報告があったようです。また、一部(埼玉県川口市や東京都江東区)で水道管の破裂などで断水も発生したとのことです。(2026年8月23日17:00現在)

地震活動が活発な関東地方でも、とくに茨城県は、今回と同規模のマグニチュード5クラス(震度5程度)の中規模地震が頻繁に発生している地域です。

直近で、今年(2026年)6月16日に(M5.5 埼玉と群馬で震度5弱)、4月1日にも(M5.0 栃木で震度5弱)の地震が起こっている地震多発地帯となります。
ただ、今回のM5.9の規模は、過去20年の茨城県南部地震のなかでも最大規模のものだったと思います。

この地震で皆さんが心配されるのは、今後の発生が心配されているマグニチュード7クラスの「首都直下地震(震度6以上)」への連動があるのかどうか、ということですが、専門家の見解は「可能性は低い」です。

ただ、茨城県南部など、南関東のM7規模の首都直下地震の今後30年以内の発生確率は70%、とされていますので、メカニズム的に異なる今回の茨城県南部地震に関連し首都直下地震が誘発することは“今回は低い”ものの、この付近では、大地震がいつ起きても不思議でないとされています。

今回の地震を契機に、ご家庭の備えを見直されることをおススメします。

※関連コラム
・「地震の巣」のお話(2026.06.22)

… … … … … …

…さて、コラムの前に、「新商品のお知らせ」 です。

預金通帳や権利書、契約書。
家族の写真や思い出の品々…。

そうした大切な財産や記録を、安心して保管できる場所は、皆さんの家にありますか?

盗難だけでなく、火災や水害などの災害からも貴重品を安全に保管できる 耐火・耐水金庫 をおすすめします。

一般家庭や企業での 金庫(セーフ) がとても普及している「金庫大国」であるアメリカ合衆国でトップクラスのシェアを誇る家庭用金庫ブランドが「 セントリー 」という金庫です。
とくに、耐火、耐水のほか、USBメモリーなどデジタルデータ保護までできる金庫としてその名が知られており、セイショップでは、貴重品はもちろん、大切な思い出やデータをしまう「耐火・耐水金庫の備え」としてセントリーの金庫をセレクトしました。

★セイショップが薦める「 耐火・耐水金庫 」のページ★

耐火・耐水金庫 SentrySafe(セントリーセーフ)

耐火・耐水金庫「SentrySafe(セントリー)」
¥18,480(税込)~

貴重品や大切な思い出の写真などを「耐火・耐水金庫」にしまえば、災害時の火災・倒壊・水害、そして消火作業による大量の放水から守ることができます。
預金通帳、実印、不動産の権利書などは、金庫に入れて‟守る”のが安心です。
また、貴重品のほか、失くしたくない思い出の品も入れておくのも良いでしょう。

さて、今回のコラムでは、「震災」と「金庫」にまつわる世界的に有名となった逸話をご紹介します。


津波のあとに集まった「金庫」のお話

東日本大震災(2011年3月11日)からしばらくして、被災地の警察署には奇妙な光景が広がっていました。

がれきの中から発見された「金庫」が、山のように積み上げられていたのです。

津波は住宅だけでなく、家庭や事業所の金庫も容赦なく流し去りました。

その数、およそ6,000個。
内部から回収された現金は、なんと 約27億7,000万円 にのぼりました。

そして驚くべきは、その後の結果です。金庫の中にあった現金の 約99.8% が持ち主に返還されたのです。

もちろん、「金庫」にきちんと仕舞っていたからこそ中身が無事だった、とも言えますが…。

でも、世界では大災害の後、失われた財産がそのまま戻らなくなることは珍しくありません。それにもかかわらず、日本では津波で流された金庫でさえ高い割合で持ち主の元へ戻りました。

数字だけ見れば、ある種の美談として受け取られがちですが、この出来事は単なる美談だけではありません。

当時、警察署には連日のように金庫が持ち込まれ、保管場所はすぐに埋まり、処理は追いつかない。現場は決して穏やかなものではありませんでした。

鍵は失われ、内部は海水と泥に浸かり、中身が誰のものかも分からない。それでも警察は、一つ一つ金庫を開け、現金を洗い、通帳や権利書の情報から所有者を探し出しました。

この「回収」という行為は、単に物を返す作業ではありません。社会の信頼を再構築する営みでした。

そこには、日本社会が長い時間をかけて築いてきた制度と仕組みがありました。


なぜ失われた財産は戻ったのか

災害後の社会について、世界的に共有されているイメージがあります。それは「混乱」と「略奪」です。

たとえば2010年のハイチ地震では、国家機能が低下し、物資の分配は遅れ、社会的な混乱や略奪が発生しました。
またアメリカのハリケーン・カトリーナでも、実際の規模は議論があるものの、災害時に窃盗や被災家屋への侵入が発生したことが報告されています。

これは特定の国の問題ではなく、むしろ一般的な人間行動です。社会基盤が損なわれ、治安維持機能が低下すると、窃盗や略奪、財産の持ち去りが発生しやすくなります。

落とし物の返還率を見ても、この傾向ははっきりと表れます。

世界40カ国・355都市で約1万7300個の“落とし物の財布”を使った社会調査では、財布の持ち主へ連絡が行く割合は、平均で40%〜50%程度で、低い国では10%〜20%にとどまるそうです。

つまり、「失われたものは戻らない」ことが、世界における常識に近いのです。

この前提に立てば、東日本大震災における金庫返還は、単なる例外ではありません。むしろ「統計的に異常な現象」と言える水準でした。

ではなぜ、日本ではそれが可能だったのでしょうか。

大災害は人命だけでなく、多くの財産も奪います。

家が流されれば、現金や通帳、思い出の品も一緒に失われます。東日本大震災では、津波によって街そのものが流失した地域も少なくありませんでした。

しかし、がれきの中から見つかった金庫や通帳、印鑑、写真などは、発見した人々によって警察へ届けられました。

考えてみれば不思議なことです。

泥まみれになった金庫を見つけても、中には高額な現金が入っているかもしれません。しかも周囲は混乱の最中です。

それでも多くの人が持ち去らず、届け出ました。

もちろん、日本人の誠実さや地域社会の助け合いの精神もあったでしょう。

しかし、それだけでは説明できません。

善意だけに頼る社会は、善意が続く間しか機能しないからです。

東日本大震災で見られたのは、善意を支える制度そのものが機能していた姿でした。

※世界40カ国・355都市で約1万7300個の財布を用いた社会実験の論文 > “Civic honesty around the globe”(Science, Vol365, Issue6448, p.70-73. ,2019)
https://www.science.org/doi/10.1126/science.aau8712


世界では「戻らない」が普通

海外では、落とし物や遺失物の扱い方が日本とは大きく異なります。

アメリカやヨーロッパでは、落とし物に関する法律の中心的なテーマは「誰の所有物になるのか」です。

落とした物なのか。置き忘れた物なのか。はたまた、放棄された物なのか。拾った人の権利と遺失物が発見された土地の所有者の権利をどう調整するのか。

欧米の法制度は、そのような「所有権調整ルール」の観点で制度が組み立てられています。

一方で、日本の遺失物制度は発想そのものが欧米と異なります。

目的は所有権争いの整理ではなく、「元の持ち主へ戻すこと」にあります。

拾得物は速やかに警察へ届けることが求められ、警察は保管し、持ち主を探し、判明した場合には返還します。

さらに、持ち主が見つかれば拾得者には報労金が支払われ、持ち主が現れなければ一定条件のもとで所有権を取得できる制度もあります。

つまり、日本では「届けた方が得をする」ように制度が設計されているのです。

日本の高い返還率については、しばしば海外の報道では「日本人の正直さ=美談」の結果として語られますが、アメリカのミシガン大学の法学者 マーク・ウェスト(Mark D.West)教授は、日米の遺失物制度を比較した研究の中で、日本の高い返還率には、法制度や警察組織、報労金制度などの仕組みが大きな役割を果たしていると指摘しました。

東日本大震災で流された金庫が高い割合で持ち主の元へ戻った背景には、日本人の誠実さだけでなく、それを支える制度の存在がありました。落とし物を警察が一元的に管理し、返還までを担う仕組みは、日本社会の特徴の一つです。

法学者マーク・ウェストは、こうした制度やインセンティブが、日本の高い返還率を支えていると分析しています。

日本では、拾得物を拾った人には警察へ届ける義務があり、警察は遺失物法に基づいてこれを保管し、持ち主を探し、判明した場合には返還します。

日本の返還率は、善意だけでなく制度によって支えられているのです。日本は文化だけでなく、制度面でも「返る社会」を作ってきたのです。

※論文 > Mark D. West“Losers: Recovering Lost Property in Japan and the United States”(ケンブリッジ大学出版局 2024年)
https://www.cambridge.org/core/journals/law-and-society-review/article/abs/losers-recovering-lost-property-in-japan-and-the-united-states/7579D0E14C966DCE6E8CC3A4A607AC52


交番という日本独自のインフラ

もう一つ忘れてはならないのが、交番と駐在所の存在です。

日本には警察本部が(51 件)、警察署が(1,148 署)だけでなく、全国に交番・駐在所が(11,997 件)もあります。
(「警察マップ」の令和7年4月1日時点データより)

人口で見ると、地域によって多少のばらつきがありますが、おおむね 全国平均では人口約8000〜9000人に1か所の密度で配置されており、多くの地域で住民の生活圏に警察拠点が存在します。

しかし、欧米主要国では、交番や駐在所のような小規模拠点は少なく、大型の警察署を中心とした体制が一般的だそうです。
日本ほど高密度に交番や駐在所が配置されている国は少なく、日常的に徒歩で利用できる警察拠点は比較的限られています。

つまり日本では、「歩いて行ける距離に警察がいる」という状態が全国で実現されています。平常時には落とし物を届ける場所であり、道を尋ねる場所でもあります。

日本の交番と駐在所は、住民にとっての「物理的な近さ」や建物も「小さい・身近・入りやすい」ことにより、わざわざ大きな「警察署」まで行く心理障壁が低い、という欧米との大きな違いがあるのです。

そして災害時には、その価値が大きく変わります。
避難情報が集まり、安否確認が行われ、拾得物が届けられる最初の窓口になるのです。

東日本大震災で回収された金庫や通帳も、多くはこうした地域の警察拠点を経由して集められました。

発見した人が徒歩で届けられる距離に交番や駐在所があったからこそ、回収の仕組みが機能したともいえるでしょう。

防災というと堤防や耐震化が注目されがちですが、交番や駐在所もまた、日本の防災力を支える社会基盤の一部なのです。


防災は「回収力」でもある

私たちは防災や減災という言葉を聞くと、「被害を減らすこと」を考えます。

もちろんそれは重要です。しかし、どれほど備えていても災害による被害をゼロにすることはできません。

ならば、もう一つ大切な力があります。
それは、「失ったものを取り戻す力」です。

被災後、情報が集まり、人がつながり、物が持ち主の元へ戻る。

こうした仕組みを持つ社会は、単に強い社会ではなく、回復力(レジリエンス)の高い社会といえます。

東日本大震災における金庫返還は、その象徴的な出来事でした。

流された金庫が戻ったこと以上に重要なのは、それを可能にした社会の仕組みが存在していたことです。

遺失物法。交番・駐在所のネットワーク。警察による保管と返還の仕組み。そして、それを支える地域社会。

私たちは普段、その存在をあまり意識しません。
しかし大災害が起きたとき、それらは人命救助や物資輸送と同じように、社会を立て直す力になります。

金庫そのものが命を守るわけではありません。しかし、大切な財産や思い出を守り、そして万が一失われても取り戻せる社会の仕組みを支えることは、防災の重要な一部です。

東日本大震災の金庫返還の物語は、そのことを私たちに教えてくれているのかもしれません。



《 執筆者 》
SEI SHOP(セイショップ)総合プロデューサー
平井敬也(ひらいひろや)

平井敬也

防災士(日本防災士機構登録No.040075)、日本人間工学会会員。
1970(昭和45)年、東京都世田谷区生まれ。神奈川県横浜市在住。日本大学大学院で安全工学・人間工学を専攻。大学院修了後、大手ゲーム製造メーカーに入社、企画開発、PL(製造物責任法)担当や品質管理(ISO9000)に携わる。2001(平成13)年、災害用長期備蓄食〈サバイバル®フーズ〉の輸入卸元、株式会社セイエンタプライズ取締役に就任。阪神淡路大震災で家族が神戸で罹災、日常の防災意識や危機管理の啓蒙普及を企図した無料メールマガジン『週刊防災格言』を07年よりスタート。毎週月曜日に防災格言を発信し続け2万人の読者を得ている。
【書籍】天災人災格言集―災害はあなたにもやってくる! ¥1,650(税込)




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