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激しい雨が降り続く道路

おはようございます。

先月7月28日(火曜日)に九州を襲った震度7の地震「 令和8年熊本地震(M7.1) 」から 3週間 (21日目) です。

2024年1月1日の「 令和6年能登半島地震(M7.6) 」から 2年7か月 (960日目) です。

2011年3月11日の「 東日本大震災(M9.1) 」と「 福島第一原発事故 」から 15年5か月 (5639日目) を迎えました。

2016年4月14日と4月16日の2日間に震度7が2度襲った「 熊本地震(M6.5、M7.3 死者275人、重軽傷者2,739人) 」から 10年 (3778日目) です。

1995年1月17日の「 阪神・淡路大震災(M7.3 死者6,437人、重軽傷者43,792人) 」から 31年 (11536日目) です。

米国とイスラエルによる対イラン攻撃(2月28日)から、5か月 (171日目) です。

…さて、季節は“初秋”に入りました。

今日(8月17日)は、旧歴の立秋の末候(8月中旬)、七十二候(1年を72に分けた暦)の「 蒙霧升降(もうむしょうごう / ふかききりまとう)」となります。

「蒙霧(もうむ)」は、もうもうと立ちこめる深い霧のこと。

夏の湿気が残る一方で、朝晩には少しずつ涼しさも感じられ、山あいや水辺では霧が発生しやすくなってきました。

「蒙霧升降」は、夏の勢いが少しずつ衰え、秋の気配が霧となって現れ始める頃を表しています。

《 名月に 麓の霧や 田の曇り 》松尾芭蕉(1644〜1694)

《 夕霧や 馬の覚し 橋の穴 》小林一茶 (1763〜1827)

《 ひぐらしや 今朝は外山の 霧に啼く 》北原白秋(1885〜1942)

「令和8年台風15号(チャンホン)」珍しい逆走台風に

先週8月11日(火)、台風15号が茨城県南部に上陸しました。
進路・上陸地点ともに非常に珍しい台風でした。

気象庁の統計が始まった1951年以降で、茨城県への台風上陸は初めてのことになりました。

さて、通常、日本に接近する台風は、太平洋上を南から北上しながら、太平洋高気圧の縁に沿って西から東へ(日本付近では北東へ)進むことが多いところ、今回の台風第15号は、日本列島の北側にあった高気圧に進路を阻まれたようで、東から西へ本州を横断する珍しいコースをとりました。
台風15号は、日本の東海上から接近して、関東へ上陸した後に西へ進みました。

こうした東から西へ進む、通常とは逆向きの異例な進路をとる台風を「逆走台風(迷走台風)」などと呼んだりしますが、これは数年に一度あるかないかのレベルで“珍しい現象”です。

最近だと、2018年7月に三重県伊勢市付近に上陸した台風12号が、東から西へと本州を逆向きに近畿〜中国地方を横断し、福岡県に再上陸をし当時「前代未聞」と言われた進路をとって話題になりました。

ただ、あたり前ですが、「上陸したことがない」と「被害が少ない」は全く別次元の話で、例えば、2019年10月に伊豆半島に上陸した台風19号は、台風が上陸したことのない福島県の阿武隈川流域に甚大な洪水被害を及ぼしましたし、同じく上陸記録の無い岡山県や山形県でも、台風由来の豪雨や大雨被害を繰り返し受けています。

今回、観測史上の“茨城県”へ初上陸となった台風15号は、翌12日(水)朝までに岩手県や千葉県、栃木県で24時間に100ミリを超える雨を降らせ、北関東を中心に倒木などの強風被害も相次ぎ、強風による転倒などで7人が軽傷を負ったほか、茨城県などで約2,200軒の停電も発生しました。幸い、人的・物的被害は比較的限定的でした。


一か月分の3倍の雨が1日で降った「令和8年8月千葉豪雨」

台風15号(チャンホン)は、8月12日午前9時に丹後半島沖の日本海で熱帯低気圧に変わりました。
その後も熱帯低気圧として山陰沖を西進し、大量の湿った空気を日本列島へ送り続けました。

そして、2026年8月13日(木)から14日(金)にかけて北寄りの風が吹き、南から雨雲が次々に流れ込んで、房総半島付近には雨雲がかかり続け、千葉県を中心に記録的な大雨が降りました。

千葉県では、約8時間にわたって局地的に非常に激しい雨が降り続けたとみられ、千葉市から市原市にかけての広い範囲では総雨量で550ミリを超えるような記録的な大雨になったとみられています。

千葉市中央区では、1時間雨量115ミリ、24時間降水量367ミリを観測するなど、観測史上1位の値を大幅に更新する猛烈な大雨となり、また、佐倉市や館山市、船橋市などでも、1時間、3時間、24時間降水量の観測史上1位(または8月の1位)を相次いで更新しています。
千葉県では、8月の平年1か月分降水量の3倍を超える雨が、わずか1日で降りました。

13日夜から14日未明にかけて、千葉県内22市町に「レベル5大雨特別警報」が発表され、そのうち6市には「レベル5土砂災害特別警報」が発表されました。
2026年5月に新しい防災気象情報の運用が始まって以来、これらのレベル5特別警報が発表されたのは全国で初めてのことでした。

一般的な都市下水道の排水能力(1時間50ミリ程度の雨)を大幅に超える雨が降ったため、河川の氾濫だけでなく、道路やアンダーパスに水が溢れる「内水氾濫(都市型水害)」が広範囲で発生しました。

千葉県内の各地では、河川の氾濫や内水氾濫のほか、土砂災害、広範囲に浸水被害が発生し、交通機関やライフラインにも大きな影響が及びました。

8月16日までに、千葉県内で死者・行方不明者11人(千葉市4人・行方不明者1人、佐倉市2人、市川市・八千代市・柏市・いすみ市でそれぞれ1人)、住家全壊2棟、半壊11棟、一部損壊29棟、床上・床下浸水を含め住宅被害1,499棟、放置車両は千葉市内だけで約2,500台に上る大きな被害が確認されています。

13日夜からの鉄道・バス運休で、千葉県庁には約1200人超の帰宅困難者が避難し、成田空港では旅客約7,000人が空港内で足止めされ一夜を明かしました(14日朝までに解消)。
最大で約2万2,000軒超が停電しましたが、8月15日(土)までに停電や帰宅困難者の滞留はほぼ解消したといいます。

専門家によると、日本の南に形成された巨大な大気の渦「モンスーンジャイア」、北側の高気圧、さらに上空の寒冷渦という複数の気象条件が重なり、関東へ大量の暖かく湿った空気が流れ込んだことで、積乱雲が次々と発達し、線状降水帯が発生しやすい環境となったとされています。

台風15号そのものが豪雨の直接原因ではありませんが、台風通過後も湿った空気の流れが残り、大気の状態に影響を及ぼした可能性が指摘されています。

私の妻は千葉県茂原市の出身で、私も6年ほど千葉県船橋市で暮らしたこともあったので、割合に、千葉県が風水害が多いことや、豪雨の際のアンダーパスの浸水被害もよく知ってはいました。

房総半島は三方を海に囲まれ、台風や低気圧の際には、太平洋、東京湾、鹿島灘から湿った空気が流れ込みやすく、局地的な豪雨が発生することが少なくありません。
また、千葉県は山地が少なく、広範囲に低地が多いので、昔から大雨になると、道路冠水、内水氾濫、市街地浸水が起きやすいとは言われてきました。

ただ、都市部でわずか1日で500ミリを超えるような雨が降ることは、私の記憶にもありませんでした。平らな場所に50センチ以上の水がたまる計算です。
これだけの短時間の大雨となると、ハザードマップで浸水リスクが示されていない土地であっても、低地であれば、どこでも冠水が起こり得る状況だったと思われます。

こうした局地豪雨による洪水や内水氾濫は、大地震のようにライフラインを長期間破壊する災害と比べれば、復旧は比較的早い傾向があります。

しかし、水害の恐ろしさは発生の速さです。わずか数十分、場合によっては10分程度で道路や住宅が水に覆われ、避難する暇もなく命を落としてしまうことがあります。
実際に今回の豪雨でも人的被害が発生しており、あらためて水害の恐ろしさを感じさせられます。

被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。

※関連コラム
・福島、茨城、千葉の線状降水帯とモロッコ地震(M6.8)(2023.09.11)
・日常化する100ミリの大雨(記録的短時間大雨情報)(2025.07.14)


海外で地震が相次ぎました

この1週間だけでも、南米コロンビアでM7級、インドネシア・フローレス島沖でM7.7の大地震が発生しました。

8月10日(月)、南米コロンビア西部でM7.4(深さ約100km)の大きな地震が発生しました。深さのある地震だったため津波は発生しませんでしたが、コロンビアでは近年で最大級の規模の地震とされています。
死者281人、行方不明者379人、負傷者約4000人、住宅約1万3000棟が破壊されたと報道されています。(8月14日現在)

8月15日(土)には、インドネシア・フローレス島沖でM7.7(深さ約10km)の大地震がありました。日本への津波の影響はありませんでしたが、フローレス島で1.6メートルの津波が観測されています。現地当局によると、死者51人、負傷者100人以上、島内1300棟以上の家屋が損壊し、5000人以上が路上や仮設テントなどでの避難生活を余儀なくされているといいます。(8月16日現在)

いずれも太平洋を取り囲む「環太平洋火山帯(Ring of Fire)」で発生した大地震です。
直接的には日本の太平洋プレートによる地震ではありませんが、いずれも海洋プレートが大陸側のプレートの下へ沈み込むことで生じるタイプの地震で、日本列島と共通する地学的特徴を持っています。

世界では毎年10回前後のマグニチュード7以上の地震が発生しており、今回のように短期間に複数の大地震が続くこともあります。



《 執筆者 》
SEI SHOP(セイショップ)総合プロデューサー
平井敬也(ひらいひろや)

平井敬也

防災士(日本防災士機構登録No.040075)、日本人間工学会会員。
1970(昭和45)年、東京都世田谷区生まれ。神奈川県横浜市在住。日本大学大学院で安全工学・人間工学を専攻。大学院修了後、大手ゲーム製造メーカーに入社、企画開発、PL(製造物責任法)担当や品質管理(ISO9000)に携わる。2001(平成13)年、災害用長期備蓄食〈サバイバル®フーズ〉の輸入卸元、株式会社セイエンタプライズ取締役に就任。阪神淡路大震災で家族が神戸で罹災、日常の防災意識や危機管理の啓蒙普及を企図した無料メールマガジン『週刊防災格言』を07年よりスタート。毎週月曜日に防災格言を発信し続け2万人の読者を得ている。
【書籍】天災人災格言集―災害はあなたにもやってくる! ¥1,650(税込)




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