おはようございます。
先週7月28日(火曜日)に九州を襲った震度7の地震「 令和8年熊本地震(M7.1) 」から 2週間 (14日目) です。
2024年1月1日の「 令和6年能登半島地震(M7.6) 」から 2年7か月 (953日目) です。
2011年3月11日の「 東日本大震災(M9.1) 」と「 福島第一原発事故 」から 15年5か月 (5632日目) を迎えました。
2016年4月14日と4月16日の2日間に震度7が2度襲った「 熊本地震(M6.5、M7.3 死者275人、重軽傷者2,739人) 」から 10年 (3771日目) です。
1995年1月17日の「 阪神・淡路大震災(M7.3 死者6,437人、重軽傷者43,792人) 」から 31年 (11529日目) です。
米国とイスラエルによる対イラン攻撃(2月28日)から、5か月 (164日目) です。
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お盆休み中に、台風が接近しています。
現時点では台風の進路がはっきりしていませんが…、
現在、日本列島のはるか沖合にある台風15号(チャンホン)が、今週中頃には日本に接近し、本州(東北〜関東)に上陸する恐れもでております。
台風の周辺には活発な雨雲が伴っているため、上陸せずとも台風が近づくだけで荒天となります。
お盆休みの時期ですので、今後の気象情報を確認のうえ、お出かけ下さい。
「スープは残してください」と言われる時代
令和8年熊本地震の報道を見ていて、少し気になったことがありました。
NHKなどの震災報道の中で、
「カップ麺は具を食べてもスープは残しましょう」
「塩分の多い食品は食べ過ぎないようにしましょう」
といった呼びかけが行われていたのです。
また、カップ麺のスープを残すイラストや、塩分の多い食品(梅干しなど塩分の高い食品を連想させるイラスト)への注意を促す図解もテレビで見かけました。
慣れない避難生活が長期化するなかで、健康状態が悪化する事例(避難生活中に脳卒中や心臓病で亡くなる災害関連死事例)がよく知られており、日々の食事も偏りがちなことから、とくに「高血圧や心血管疾患のリスク)」に注意を促す内容のようです。
ひと昔前までは、割と、災害時にはまず体力で、食べることが大切だと教えられてきました。阪神・淡路大震災の頃も、東日本大震災の頃も、「とにかくエネルギー(カロリー)を確保する」という考え方が中心だったように思います。
ところが現在は、「スープは残してください」という呼びかけが行われる時代になっています。
本当にそこまで塩分を気にした方が良いのでしょうか。
少し調べてみました。
※NHKの報道内容 > 災害から命を守るために 「高血圧」(初出は2021.05.24)
https://www.web.nhk/tv/an/kyonokenko/pl/series-tep-83KL2X1J32/ep/5N2WNK53L2
日本人はどれくらい塩分を摂っているのか
まず基準を確認してみます。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食塩摂取量の一日あたりの目標量は 成人男性が7.5g未満、女性が6.5g未満 とされています。高血圧のある方については 6g未満 が推奨されています。
ところが実際の日本人の平時の塩分摂取量を調べると、令和5年国民健康・栄養調査では、日本人の一日平均食塩摂取量は 9.8g でした。
つまり、多くの日本人は平常時から目標量を上回る塩分を摂取していることになります。
高血圧患者は国内で数千万人規模とも言われています。
高血圧はもはや「国民病」と呼んでもよいのかもしれません。
私たちは「塩分の摂り過ぎは良くない」と知りながらも、実際には日常的にかなり多くの塩分を摂取しているようです。
実は外食の方が塩分は多い
「非常食は塩分が多い」…そんなイメージをお持ちの方も多いでしょう。しかし実際に数字を比較すると、意外な事実が見えてきます。
例えば一般的な外食の塩分量は、
ラーメン 5.6g
カレーライス 3.9g
とんかつ定食 5.1g
焼き魚定食 5.5g
うどん・天丼セット 8.1g
にもなるとされています。
うどん・天丼セットなんて外食で食べたなら、一食だけで成人男性の一日目標量を超えてしまいます。
ラーメンとチャーハンのセットなら1回の食事で合計 8.3g です。
つまり、私たちは平常時から、「普通に食べているつもり」でも、かなり高塩分な食生活を送っていることになります。
そう考えると、「災害時だけ塩分に注意が必要」というよりも、「そもそも日本人は普段から塩分を摂り過ぎている」と言った方が正しいのかもしれません。
※東京金属事業健康保険組合 > 外食の塩分量は?
https://www.tokinkenpo.or.jp/discount/pdf/toukin/7-12-2.pdf
※国立循環器病研究センター病院 > 食事療法について
https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/diet/diet02/
非常食は本当に塩分が多いのか
では非常食はどうでしょうか。これも一概には言えません。
例えば、非常食の白飯(1食 0.01g)、携帯おにぎり鮭(1個 0.6g)、乾パン(1缶で1食 0.6g〜1.0g)程度の製品もあります。
一方で、アルファ化米のわかめごはん(1食 約1.7g)、五目ごはん(約1.8g)、ドライカレー(約2.5g)、チキンライス(約2.8g)、えびピラフ(約2.8g)など、味付きアルファ化米は比較的に塩分が高めのようです。
サバイバルフーズは正確には非常食というより備蓄食と呼んでいますが、このサバイバルフーズのシチュー類は(1食 約2.4〜2.8g)で、主食のクラッカーは(1食 1.2g)です。
クラッカーを0.5食、シチュー類を0.5食で約1食を食べると考えた場合(1食 1.8g〜2.2g)ということになります。
また、即席みそ汁(1杯 1.6〜2.0g)、牛丼の素(約3.0g)といった製品もあります。
缶詰はどうでしょうか。
近年のさば缶は減塩化も進んでおり、食塩不使用品では(1缶 0.2g程度)のものもある一方で、一般的な水煮缶は(1g前後)、味噌煮缶では(2〜3g程度)の商品もあります。
さらにカップ麺になると、小さなカップ麺で(1食 4g台〜5g台)で、特盛カップ麺では(1食 7g台)、即席ラーメン(1袋 約7.7g)という商品も珍しくありません。
つまり、「非常食だから塩分が多い」ではなく、「食品によって大きな差がある」というのが実態のようです。
料理も、味付けも、まったく違うので当たり前ですね。
特にカップ麺のスープは塩分の大きな部分を占めています。
報道で「スープは残しましょう」と言われていたのは、こうした事情が背景にあるのでしょう。
※上記の塩分量の値は各メーカーの100gあたりの公表値を、1食又は1缶の容量で再計算した概算値(目安)です。
1食分の容量の妥当性(腹持ち、カロリー、栄養価など)は食品によるバラつきが大きく単純に比較できないため無視しました。
災害時の本当の課題は『塩分』だけではない
実は問題は塩分だけではありません。
災害時の食事(支援物資)はどうしても、「おにぎり」「アルファ化米」「パン」「乾パン」「カップ麺」といった炭水化物中心になりやすい、という特徴があります。
これらは命をつなぐための大切なエネルギー源ですが、その一方で、これらの支援物資だけで賄おうとすると、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルが不足しやすくなります。
私たちの身体は、炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルという「五大栄養素」や食物繊維などによって維持されています。
ところが避難生活では、「お腹は満たされているのに栄養は不足している」という状態が起こりやすいのです。
さらに、野菜不足、果物不足、水分不足、睡眠不足、ストレスも重なります。
その結果、高血圧や循環器疾患だけでなく、体力低下や便秘、体調不良なども起こりやすくなるとされます。
そこで、近年の災害医療や災害栄養学では、「生き延びるための食事」だけではなく、「避難生活の中で健康を維持するための食事」が重視されるようになりました。
今回の熊本地震で聞いた「スープは残してください」という呼びかけも、そうした避難生活下の健康維持の考え方の延長線上にあるようです。
もちろん、食料が不足している状況では、残すことよりもエネルギー確保が優先されます。
しかし十分な食事が確保できる状況であれば、
・ラーメンのスープを飲み干さない
・塩分の多い汁物を続けて摂らない
・野菜やたんぱく質を意識する
といった工夫は健康維持に役立つと考えられます。
そして、もう一つ見落としてならないのがビタミンやミネラルの不足です。
非常食というと、どうしてもカロリーや保存期間に注目が集まります。しかし、長引く避難生活ではビタミンやミネラル不足も健康状態に影響すると考えられています。
実際、災害時の支援物資は炭水化物中心になりやすいため、たんぱく質やビタミン類をどのように補うかは昔から課題の一つでした。
そこで近年は、長期保存できる栄養補助食品も登場しています。
自社商品の話で恐縮ですが、「サバイバルフーズ・サプリメント」は約7年間保存できるよう設計されており、一般的な市販サプリメントの賞味期限がおおむね1〜2年程度であることを考えると、長期備蓄との相性は良いと言えるでしょう。
もちろん、栄養は食事で摂れるのが一番であり、サプリメントは食事の代わりになるものではありません。しかし、避難生活のなかで不足しがちなビタミンやミネラルを補う手段の一つとして考えておく価値はあります。
非常食というと主食ばかりに目が向きがちですが、ビタミンやミネラルを補う方法まで考えておくことも、防災備蓄の重要な視点ではないでしょうか。
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非常時の栄養バランスをより整えたい方は、サバイバルフーズ®サプリメントを食事と一緒にお召し上がるのがオススメです。
今日のまとめ
災害時は「食べること(英気を養う)」が最優先です。
しかし、長引く避難生活では「何を食べるか」も同じくらい大切になってきます。
備蓄食を選ぶ際には、賞味期限やカロリーだけでなく、塩分や栄養バランスにも少し目を向けてみてはいかがでしょうか。
また、近年は「何日分備蓄するか」だけでなく、「何を備蓄するか」が問われる時代になりました。
主食だけでなく、たんぱく質を補える食品、野菜や果物の代わりとなる食品、そしてビタミンやミネラルを補う方法まで考えておくことで、避難生活中の健康維持につながります。
今回調べてみると、「非常食は塩分が多い」というイメージは必ずしも正しくなく、食品によって大きな差があることも分かりました。
災害への備えは、単に空腹を満たすための備えではありません。命を守る備えであると同時に、健康を守る備えでもあるのです。
実際に、避難生活や断水によって歯磨きが難しくなったり、炭水化物中心の食事や間食が増えたりすることで、虫歯などの口腔トラブルの増加 や 健康状態の悪化 につながる可能性が指摘されています。
健康は一度損なうと、回復までに長い時間を要することもあります。だからこそ、災害時もできるだけ栄養バランスを保てる備えを心掛けたいものです。
※関連コラム
・“梅干し”はなぜ保存できるのか?(2025.06.16)
・災害の長期影響に関わる学術論文21編(2026.02.16)
《 執筆者 》
SEI SHOP(セイショップ)総合プロデューサー
平井敬也(ひらいひろや)
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