おはようございます。
明日(7月7日)は、二十四節気「小暑(しょうしょ)」です。
暦では、これから梅雨明けを経て、最も暑さが厳しい頃の二十四節気「大暑(7月23日)」に向けて、本格的な夏の暑さが増していきます。熱中症に気を付けてお過ごし下さい。
2024年1月1日の「 令和6年能登半島地震(M7.6) 」から 2年6か月 (917日) です。
2011年3月11日の「 東日本大震災(M9.1) 」と「 福島第一原発事故 」から 15年 (5597日) を迎えました。
2016年4月14日と4月16日の2日間に震度7が2度襲った「 熊本地震(M6.5、M7.3 死者275人、重軽傷者2,739人) 」から 10年 です。
1995年1月17日の「 阪神・淡路大震災(M7.3 死者6,437人、重軽傷者43,792人) 」から 31年 です。
米国とイスラエルによる対イラン攻撃(2月28日)から、4か月 (129日) です。
九州で線状降水帯が相次ぐ
先々週(6月末)にかけて接近した“ダブル台風(台風7号・台風8号)”が本州南岸を通過した後も、日本列島ではぐずついた天気が続きました。
7月1日(水曜日)、2日(木曜日)にかけて、「梅雨前線」が本州の陸地の近いところまで北上し停滞し急速に活発化しました。西日本(九州・中国・近畿)から東日本(東海・関東甲信)の広い範囲に雨雲が広がることになり、とくに九州では線状降水帯が発生する警報級の大雨をもたらしました。
7月2日未明、九州北部5県(福岡・佐賀・長崎・熊本・大分)で線状降水帯が相次いで発生し、熊本県と大分県を流れる筑後川が氾濫し、レベル5「氾濫発生情報」も発表され一時、約1万世帯に避難指示が出されました。
長崎県の西海で1時間に84.5ミリの猛烈な雨が降ったほか、福岡県や佐賀県、大分県、熊本県では1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が観測され、熊本(山鹿市、阿蘇市)や長崎(佐世保)で、24時間降水量が200ミリを超えています。
その後も活動が活発な梅雨前線は停滞を続け、西日本から東日本の広い範囲で、雨の降りやすい梅雨空が続いています。
とくに九州・中国・四国では、南海上の太平洋高気圧の縁を周りこむ南西からの暖かく湿った空気と、中国大陸からは台風10号が運ぶ熱帯由来の暖かく湿った空気も流れ込んで、発達した積乱雲が東西に列をなして停滞しやすい(線状降水帯を形成する)気象条件となりました。
これにより、7月4日(土曜日)頃からは断続的に本降りの雨が続くことになり、7月5日(日曜日)には、九州北部(福岡・佐賀・熊本・長崎)で再び線状降水帯が発生しています。
この西日本の雨は、断続的に本日(7月6日)頃まで続く見通しのようで、九州北部の多いところでは24時間降水量が150ミリを超える予報となっています。
ただ、今週7月8日(水曜日)頃からは「太平洋高気圧」は北に張りだす見込みです。高気圧が北にさらに移動すれば、停滞している梅雨前線は、北へ押し上げられますので、前線活動は弱まることになります。すると、今度は、西日本から東日本は逆に「晴れ」てきて、気温も35℃以上の猛暑日となる見込みとのことです。
ただ、今週中頃まではぐずついた天気が続くかもしれませんので、道路冠水や低地の浸水、土砂崩れなどに注意してください。
…さて、
このように、同じ「太平洋高気圧」であっても、その位置関係で、ときに大雨を降らせ、また猛暑をもたらします。
これは、太平洋高気圧の「中心の下側」では晴れて猛暑となりますが、太平洋高気圧の「縁(へり)」に入ると、海側から大量の暖湿気が流れ込み、線状降水帯や豪雨の原因になることがあるからです。
さらなる“ダブル台風(台風9号・台風10号)”
そして、台風の発生が続いています。
今年は台風の多い年になりそうですね。
7月2日(木曜日)には、マーシャル諸島で台風9号(バービー)が発生し、南シナ海にいた熱帯低気圧も、7月3日(金曜日)に台風10号(メイサーク)となりました。
気象庁によると、日本への影響が懸念されるのは台風9号で、7月6日(月曜日)午前9時頃には、マリアナ諸島で気象庁が定める階級で最も強い「猛烈」な勢力(中心気圧915hPa、最大瞬間風速75メートル)にまで発達する見通しで、今後の進路次第では日本列島に甚大な被害を及ぼす可能性があるとして、厳重警戒が必要とのことです。
…さて、
台風の発生や発達には「海面水温」が深く関係しています。
海面水温が高い海域では、海から多くの水蒸気が供給されるため、積乱雲が発達しやすくなります。さらに、水蒸気が雲や雨になる際に放出する熱(凝結熱)が台風のエネルギー源となることから、暖かい海ほど台風が発生・発達しやすい環境となります。
今年(2026年)春から発生しているエルニーニョ現象(スーパーエルニーニョへ発達する可能性も指摘されています)の影響も気になるところですが…。ただ、エルニーニョ現象は、台風の「数」を増やすというよりも、「発生する場所をズラし、台風を凶暴化(強い勢力に発達)させる」といった特徴があります。
通常、台風はフィリピン近海から南シナ海周辺で発生することが多いのですが、エルニーニョ発生時には暖かい海水域や対流活動の活発な海域が平年より東へ広がるため、マーシャル諸島周辺や日付変更線付近など、日本から遠い東寄りの海域で発生しやすい(傾向がある)といいます。
すると、今回の台風9号がマーシャル諸島付近で発生したことも、こうしたエルニーニョ時にみられる特徴の一つかもしれません。
※個々の台風の発生にはエルニーニョだけではなく、様々な要因(例えばモンスーントラフやMJO(マッデン・ジュリアン振動))も関係します。
マーシャル諸島など日本から遠い東側で生まれた台風は、日本付近に近づくまでに、海の上を移動する距離と時間がそれだけ長くなります。
その間、赤道付近など海面水温の高いところを通り、水分と熱(水蒸気)をたっぷりと吸い上げ続けるので、非常に強く、猛烈な勢力まで発達しやすくなるのです。
さらに近年は、地球温暖化や海洋全体の高温化により、広い範囲で海面水温が平年より高い状態が続くことが増えています。そのため、台風が発達できる海域や期間がより長くなり、強い勢力を維持したまま日本へ接近するケースも増えることが懸念されています。
遠いところの海で生まれた台風は、長い時間をかけて成長という名の凶暴化(猛烈に発達)をしながら向かってきます。
人の成長で「大器晩成」や「丈夫で長持ち」といったフレーズもありますが、長く活きて凶暴化する台風は、ただ迷惑なだけですね。
台風9号の、今後の進路や勢力の変化に、十分な注意が必要です。
続く気象災害(同じ大気・海洋環境のなかで起きた現象)
台風7号・8号と、台風9号・10号の発生に直接的な因果関係があるわけではないと思いますが…。でも、もう少し広い視点で見ると、先週から続いている一連の気象災害には、共通する背景があるようにも思えてきます。
地球温暖化や海洋全体の高温化が、地球の熱帯域での対流活動を活発にしやすい「下地」をつくっているのだとすれば、西太平洋では積乱雲が発達しやすい状態が続き、その中で、台風7号・8号や台風9号・10号が相次いで発生した、と言えなくもありません。
先週は、この台風(台風7号・8号)が日本に接近したことで、南から暖かく湿った空気が流れ込みやすくなり、日本付近に停滞していた梅雨前線の活動を活発化させる一因となった、と思います。その結果、九州などで線状降水帯が発生し、各地で大雨が続きました。
もちろん、これらの現象が連鎖的に関連して発生した訳ではないのでしょうが、西太平洋で活発な対流活動が続いていた、という背景からみると、台風の相次ぐ発生や線状降水帯による大雨は、それぞれ別々の出来事でありながら、どこかでつながっているようにも見えます。
気象現象は、一つひとつを切り離して見るだけでなく、大気と海がつくり出す大きな流れの中で捉えることも大切なのかもしれません。
《 執筆者 》
SEI SHOP(セイショップ)総合プロデューサー
平井敬也(ひらいひろや)
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