おはようございます。
ゴールデンウィークをいかがお過ごしでしょうか。
セイショップはカレンダー通りのお休みとなります。
※GW期間中(〜5/6(水)まで)のご注文やお問合せの返信は、連休明け5月7日(木曜日)より順次行います。
2024年1月1日の「令和6年能登半島地震(M7.6)」から 2年3か月 (854日) が過ぎました。
2011年3月11日の「東日本大震災(M9.1)」と「福島第一原発事故」から 15年 (5534日) を迎えました。
2016年4月14日と4月16日の2日間に震度7が2度襲った「熊本地震(M6.5、M7.3 死者275人、重軽傷者2,739人)」から 10年 です。
1995年1月17日の「阪神・淡路大震災(M7.3 死者6,437人、重軽傷者43,792人)」から 31年 です。
米国とイスラエルによる対イラン攻撃(2月28日)から、本日で 2か月 (66日) が経過しました。
みどりの日(5月4日)のお話
「昭和の日(4月29日)」から「憲法記念日(5月3日)」「みどりの日(5月4日)」「こどもの日(5月5日=端午の節句)」までがゴールデンウィークを構成する祝日です。
このなかで「みどりの日」だけは、何だか正体のつかみにくい祝日です。
それも無理はなく、もともと5月4日は、5月3日の憲法記念日と5月5日のこどもの日に挟まれた「自動的に休みになる日」、いわばゴールデンウィークのオマケのような存在でした。
その前日及び翌日が『国民の祝日』である日を休日とする、こうした法律に基づき、5月4日は2006年まで「国民の祝日」ではなく、名称も趣旨も持たない単なる「休日」でした。
一方、4月29日(現在の昭和の日)は長く昭和天皇の誕生日でしたが、昭和天皇崩御後、その扱いを巡って議論が起こります。
そのまま昭和天皇由来の祝日にすることへの反発と、祝日を失いゴールデンウィークが分断することへの懸念。
国民生活への影響も大きいと気にした当時の竹下登内閣は、その折衷案として、天皇個人を前面に出さない抽象的な名称を模索し、その結果生まれたのが、新たな祝日としての「みどりの日」でした。
昭和天皇は、生前、自然や植物への造詣が深かったことから『緑』にちなむ名がふさわしい、当時の小渕恵三官房長官の私的諮問機関(皇位継承に伴う国民の祝日に関する法律改正に関する懇談会)が決めたのだそうです。
そうして、昭和の日は、1988年までは「天皇誕生日」で、昭和天皇崩御後の1989年から2006年までは「みどりの日」という名称で祝日になりました。
その折衷案は最終形ではなく、凍結措置 に近い政治的処理だったので、2007年から「昭和の日(4月29日)」「みどりの日(5月4日)」として、現在の形に落ち着くことになります。
ゴールデンウィークは「水難事故」に注意しましょう!
ゴールデンウィークには、行楽日和に誘われ、川や海へと出かける人が増えます。
水難事故は海水浴の盛んな夏がピークですが、実は、4月〜5月だけで年間の水難事故数の約2割が発生しており、この時期から夏に向けて「水難事故」が増え始めます。
なぜ、春の季節に水難事故が増えるのでしょうか。
それには「 水温 」が深く関係しているようです。
春の陽気で汗ばむくらいの気温であっても、春の川や海の水温は 10℃〜15℃程度 と低く、こうした水温の水に入ると人間は「冷水ショック(Cold Shock Response)」で身体が動かなくなる恐れがあるとされます。
冷水ショックとは、冷たい水に突然入った際、反射的(潜水反射)に息切れや過呼吸など、呼吸の乱れや心拍の急上昇が起こる生理反応で、自分の意思では制御することができません。
そして、冷水ショックに陥ると、低体温症になるよりも前に、溺死したり、心停止(心臓発作、心筋梗塞、急性心不全)を引き起こすことがあるのだそうです。
加えて、春の河川は、雪解け水 や ダム放流 の影響で、いつもよりも川の流れが速く、見た目以上に危険な場所が増えていますが、夏のシーズンとは大きく異なり、春の水辺には監視員がいません。
そのため、ちょっとした油断から事故が起きやすいのが、春の水難事故の特徴となります。
ゴールデンウィークの水場では、夏以上の慎重さが求められます。
春の不慮の溺水(溺死)を深堀する(「冷水ショック」と「潜水反射」)
冷水(おおむね15℃以下)になると急速に人間の生存率が低下することを医学的に最初に報告したのは、第二次世界大戦中のことでした。米国海軍(US Navy)の潜水事故の調査やナチス・ドイツの強制的・非倫理的な人体実験だったそうです。
「冷水ショック」は、皮膚の急激な冷却によって、交感神経が急激な活性化(交感神経優位)をする反応です。
つまり、突然、冷たい水に入ったときに“パニック様”となり、心拍数・血圧の急上昇を伴って無意識に激しい過呼吸を起こしたりして、呼吸のコントロールを喪失してしまい、その結果、水を肺に飲みこんでしまったりして、溺水(溺死)に至る可能性があるというものです。
そして、もう一つが「潜水反射(潜水反応=Diving reflex)」です。
人間を含む哺乳類は、息を止めた状態で顔が水(特に冷たい水)に触れたときに「潜水反射」という生理学的反応が意図せず自動的に起こるといいます。
水温が低いところで、息を止め、顔が水に浸かると、これらの刺激が三叉神経を介して脳幹に伝わり、自律神経(迷走神経)を通じて心拍や血管に作用します。すると、身体は反射的に、脈を遅くさせ、末梢の血管を収縮させるのだそうです。
これは、冷水ショックとは真逆となる副交感神経(迷走神経)優位の反応です。
つまり、危機を察した脳が、酸素(血流)を重要な臓器に集中させ、少しでも酸素の消費を節約することで生き延びるチャンスを得ようという、哺乳類共通の本能的な防御反応(無条件反射)なのだと考えられています。
ですが、意図せずこの潜水反射が強く出過ぎてしまうことによっては、心臓の動きが抑制されて心停止(徐脈・失神・一過性心停止)が起きたり、致命的な不整脈が起きたりすることもあるのだそうです。
これが不慮の溺水(溺死)のもう一つのメカニズムです。
そしてさらに、冷水ショック と 潜水反射 がほぼ同時に起こると致死性の不整脈や心停止のリスクが最大化する「自律神経衝突(Autonomic conflict)」という状況となるそうです。
一方では、心臓が無意識に「速く打て」と命令しているのに、もう一方では「遅く打て」という矛盾した命令を同時に受ける状況で、要は、冷水に落水すると、皮膚が急速に冷やされた結果「冷水ショック」が起きますが、それと同時に、顔面水没・息止めによって「潜水反射」も起こります。これにより自律神経衝突(不整脈リスク)が起こり、不整脈・失神することになり、結果として溺水(溺死)するといいます。
怖ろしいことに、これらはパニックとならなくても、そして水泳が得意だったとしても、早いと数十秒以内に起こり得るのだそうです。
余談ですが、こうした、冷たい水に突然入った際に起こる人間の身体反応は、1980年代に「冷水浸漬症候群(Cold Water Immersion Syndrome)」として…
「初期反応(冷水ショック)」→「遊泳不能」→「低体温」→「救助前後の虚脱状態」
…の4段階のプロセスに分類され体系化されているようです。
一説には、英国海軍軍医のフランク・ゴールデン(Frank Golden / 1936〜2014)という人が提唱し、その後、英国の応用生理学者マイク・ティプトン(Mike Tipton)などの研究者により、水難事故(人間への影響、事故との関係)が詳しく検討され、現在の科学的理解へとつながっているのだそうです。
人間は いつ 溺れてしまうのか?
例えば、潜水していなくても、息止めだけで軽度の潜水反射は起こるとされますが、手足を冷たい水に入れただけでは、強い潜水反射は起こりません。
強い潜水反射の引き金となるのは「息を止める」「顔(特に鼻周り)が水に浸かる」「水温が15℃以下と低い」という条件の組み合わせがあった場合に起りやすい、のだそうです。
冷水ショックや潜水反射自体は、水難事故の直接の死因ではないため、これらの発生頻度や割合などを示した公式統計は見当たりません。
ただ、科学的に冷水ショックが起きる水温と生存確率を表したグラフ「 冷水生存時間(Cold Water Survival Time)」というものが知られています。
(水温) (生存・死亡確率)
0–5 ℃ :数分〜数十分で致命的
10–15 ℃ :冷水ショックが最も危険
20 ℃以上 :リスクは低下
アメリカ沿岸警備隊(US Coast Guard)の解説では、冷水(おおむね15℃以下)に転落し死亡した人の過半数(約50%〜60%以上)が「低体温になる前」に起きていたそうです。
低体温とは身体の深部体温が低体温(35℃以下)となることで、低体温になる前とは、概ね、落水後の最初の数分〜15分程度を指すと考えられます。
そして、とくに落水してから最初の1分〜5分(冷水ショック期)が最も致死リスクが高い時間帯だといいます。
今度は、3分〜15分(もしくは30分)も経つと、手足が動かなくなってきて、泳力が急速に失われます。こうなると、ライフジャケットなしでは溺水のリスク急増(冷却性運動失調)するとされています。
最終的に、30分を過ぎてくると「低体温」となります。
意識障害がでて、脈は弱まり(不整脈)まる訳です。
ただ、この段階まで生存する人はかなり少数と言われています。
つまり、冷水による事故死の多くは、低体温になる前で、身体が水に浸かってから数分から十数分以内に冷水ショックや運動失調、心拍異常などによって溺水してしまうようです。
冷たいから凍えたわけでもなく、春の溺水(溺死)の原因は主に、「冷水ショックによる呼吸の破綻」、「潜水反射と冷水ショックによる不整脈」、「冷却性運動失調で泳げなくなり溺れる」ということになります。
一般的な水難の教訓では、
「(1分間は)泳がず、何もせず水に浮いておくことが大事」
と言われたりします。
これは科学的に考えると、(落水から)最初の1分は、冷水ショック等によって、呼吸などを自分で制御できない時間帯となる可能性が高いこと、また、泳ぐ行為そのものが溺水と致死的不整脈のリスクを同時に高めることになるから、ということかもしれません。
そういう意味からも、水に落ちてすぐ戻れるから大丈夫などと冷水を軽視せずに、生存率を高める方策として「ライフジャケット着用」がとても大切である理由が良くわかります。
最後に、セイショップでは、水難対策にライフジャケットも販売(セレクション)しています。
★セイショップの「ライフジャケット(救命胴衣)」はこちら★
⇒ https://www.seishop.jp/view/category/ct414
※参考資料
・山岳医療救助機構 > 全身が冷水に浸水した場合の生存時間
https://sangakui.jp/medical-info/cata01/medical-info-2769.html
・Cold Water Survival & Hypothermia– You May Not Know As Much As You Think
https://www.dco.uscg.mil/Portals/9/DCO%20Documents/5p/CG-5PC/CG-CVC/CVC3/notice/flyers/Cold_Water_Survival_Hypothermia.pdf
《 執筆者 》
SEI SHOP(セイショップ)総合プロデューサー
平井敬也(ひらいひろや)
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