サバイバルフーズ販売45年 非常食・防災グッズ・防災の専門店|おかげさまでサバイバルフーズは発売から45周年

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東戸塚駅西口の景観

おはようございます。

2024年1月1日の「令和6年能登半島地震(M7.6)」から 2年3か月 (833日) が過ぎました。

2011年3月11日の「東日本大震災(M9.1)」と「福島第一原発事故」から 15年 (5513日) を迎えました。

1995年1月17日の「阪神・淡路大震災(M7.3 死者6,437人、重軽傷者43,792人)」から 31年目 です。

… … … … … …

…さて、

米国とイスラエルによる対イラン攻撃(2月28日)から、本日で 45日 が経過しました。

4月8日、米国とイランがパキスタンの仲介により「2週間の期限付き停戦に合意した」 と発表され、4月11日にはパキスタン・イスラマバードで、戦闘終結に向けた 初の協議が開催されました。

ようやく一筋の光明が見えたかに思われましたが――

停戦発表から 数時間後、イスラエル が レバノンのヒズボラに対し 過去最大規模の空爆を実施しました。少なくとも死者250人以上、負傷者1,100人以上が出たとされています。

これに対しイランは、「停戦合意への明白な違反だ」と主張し、ホルムズ海峡を「再封鎖する」と表明しました。
ホルムズ海峡の通過を試みたタンカーが引き返す事態となり、再び、事実上の封鎖状態に戻りました。

これを受けて、国連のグテーレス事務総長は、「レバノンを停戦から除外するという論理は危険であり、停戦直後の大規模空爆は国際法への重大な挑戦だ」と述べました。

英国は「深い懸念」を表明し、フランスのマクロン大統領も「レバノンは停戦に含まれるべきだ」と問題視、EU議会に至っては(停戦違反および国際人道法違反の疑いについて)国際調査を要求する決議を行い、イスラエルを強く非難すると同時に、アメリカの間接的な責任にも言及しました。

こうした動きの中で、トランプ大統領は「NATOは我々が必要とした時にいなかった。
次に必要になっても、いないだろう」と発言し、NATO脱退を外交カードに“ちらつかせ”ました。

…これら一連の出来事は、停戦合意の発表から、24時間も経たないうちにおきました。

幸い、昨日、米国とイランの代表団による初協議は予定通り行われました。

朝4時まで21時間かけて行われたという会談は、予想通り、両国の提示するホルムズ海峡解放のための交渉条件(イラン側がレバノンでの戦闘停止とイラン凍結資産解除、アメリカ側はイランの核開発放棄が条件)が平行線のままとなり、会談自体が不調(物別れ)に終わったようです。

結局、2週間の停戦期間中も、ホルムズ海峡の封鎖は継続されることになりました。

原油という生命線を握られている日本を含む国々は、後手後手に回るしかなく、ただ翻弄され続けているようです。

…では、気を取り直してコラムです。

春の嵐が吹きました

3月31日(火曜日)、4月4日(土曜日)、4月10日(金曜日)と三度、全国的に雨と風が強まる「春の嵐」となりました。

3月31日は、九州から東北の太平洋側を中心に39都道府県で強風注意報が発表されました。とくに、西日本では大雨を伴い、徳島県美波町では1時間降水量79.0mm(3月の観測史上最多)を観測するなど、各地で交通機関や道路状況に大きな影響が出ました。

4月4日には、西日本の広い範囲と東海・北陸、関東で強風となりました。
富山市八尾で風速35.1メートル、鳥取市でも35.8メートルが観測され、いずれも4月の観測史上で最も強い風速を更新しました。富山市では、強風にあおられて21人が怪我(うち1人は顔を骨折する重傷)、鳥取市でも転倒により4人が軽傷を負っています。他にも看板が飛び、ビル外壁の剥離や倒木も相次ぎ、停電や道路の通行止めも発生しました。

また、太平洋側の横浜市内でもこの日20〜25メートル級の強風で、公園の桜の木が倒れ、花見エリアの立入規制となったようです。各地で、強風による鉄道の運休・遅延が発生するなど、交通にも大きな影響が及びました。

4月10日も、全国的に広い範囲で強風となり、熊本県阿蘇市で28.9メートル、愛媛県伊方町で27.8メートル、鳥取で20.4メートル、松江で19.6メートルと非常に強い風が観測されています。

この一連の「春の嵐」は、日本海を進む低気圧(日本海低気圧)が急速に発達したことが原因です。


春の嵐のメカニズム

春の日本列島は、北には冬の冷たい空気の残り(上空に氷点下30℃以下の寒気)があって、南には初夏に向かう暖気(地上で20℃前後)が同時に存在しています。いわば、一年を通じ最大クラスの寒暖差がある訳で、これが低気圧を急速に発達させ、嵐を生み出すエネルギーとなるのだそうです。

日本海を東進する低気圧(温帯低気圧)は、南からの暖かく湿った空気(暖気)と北から冷たい空気(寒気)を同時に引き込みながら発達していきます。

日本海で低気圧が発達すると、その周囲では空気の配置がはっきり分かれます。
低気圧の南側には、暖かく湿った空気が流れ込み、北側には大陸由来の冷たい空気が残ります。

その境目にできるのが「前線」と呼ばれる帯状のエリアです。

日本列島は、山が多く、海に囲まれているため、この前線がちょうど列島付近にかかりやすい場所にあります。そのため、前線が活発なまま本州を通過しやすくなるのです。

さらに春になっても、上空およそ10kmの高さでは、冬と同じくらい強い西風が吹き続けています。
これは「ジェット気流」と呼ばれ、普段であれば、地上の天気とは直接関係しにくい存在なのですが、低気圧が急に発達すると、この上空と地上のバランスが崩れます。

前線の真上をジェット気流が通ると、上空の空気が引き抜かれ、地上付近では空気が上へ押し上げられます。
その結果、天気の変化が一気に激しくなります。

雨雲が発達し、冷たい空気が強く流れ込むと、大気は上下によくかき混ぜられます。すると、上空にある非常に強い風が、そのまま地表付近まで降りてくることがあります。

こうして前線が本州付近に居座る形となり、短時間ながら非常に荒れた天気をもたらすのだといいます。

これが「春の嵐」です。

春の嵐は、風がずっと強いわけではなく、平均するとそれほどでもなくても、瞬間的に非常に強い風が吹くことがあります。そのため「台風並み」と感じられる突風が瞬間的に起こることがあるのだそうです。

また、台風と違って、春の嵐は長続きしません。強い風のピークは数時間ほどで、多くの場合、半日もすれば嵐は通り過ぎていくそうです。

春の嵐は、瞬間的に強風となるため、不意を突かれて足元を取られたり、看板が飛ばされたり、駅前広場やロータリー、ビルの近くなどで転倒事故が起きやすくなるようです。

春の嵐は、珍しい異常気象ではなく、春という季節特有の条件がそろうと起こりやすいごく身近な現象となります。

※関連コラム
星がまたたく夜の翌日は強風になる(春の嵐)(2024.04.01)


「ビル風」について考えてみた

…さて、ところが、地形や建物の配置によって、毎回同じ場所に強風が集中する都市空間が存在します。

ローカルネタで恐縮ですが、私の地元・神奈川県横浜市の「 JR東戸塚駅西口 」には、地元の人が「いつも、あそこだけ風が強いよね」と口をそろえる ホットスポット があります。

東戸塚駅の東口(ショッピングモール側)はほとんど無風なのに、駅の西口のロータリー周辺では、いつもそよ風が吹いているのです。春の嵐のような強風が吹く頃となると、その場所では、風が背中を押し、帽子が飛び、傘を破壊するのも珍しくありません。ちょっとした災害です。

こうした場所に固定され、常態化する強風は、通称「ビル風」と呼ばれます。

ビル風は超高層ビル特有の現象と思われがちですが、中層建物でも立地と風向条件によって、歩行者の高さに強風が高まることが知られています。


「ビル風」の歴史

ビル風が最初に注目されたのは、日本初の超高層ビル「霞が関ビル」(1968年竣工、地上147メートル)の竣工後のことでした。

建設前は、耐震設計、構造上の安全、設備性能が主な関心事で、歩行者のことは、ほぼ考慮されていませんでした。
ところが竣工後、正面エントランス付近で強風が常態化し、隣接する浜松町駅のホームや沿道で強風障害が発生することになり、フェンス設置などの場当たり的な後追い対策が行われる事態になります。

その後、1970年代に高層ビルが急増すると、各地で想定外の強風が起こり、歩行者の転倒や、看板・屋根瓦の飛散、洗濯物・ベランダの使用が不能となったり、騒音や生活苦といった明確な生活環境被害が表面化することになりました。

1970年代以降、ビル風による屋根瓦被害、騒音・転倒・生活妨害、不動産価値下落や転居を余儀なくされた精神的苦痛などを理由とする訴訟が起き始めます。

2003年10月、大阪高裁は、いわゆる「大阪堺市ビル風訴訟」で、高層マンション建設によって生じたビル風被害を違法と認定し、マンション開発者側に周辺住民への損害賠償を命じました。(大阪高裁平成15年10月28日判決)

ビル風を「予測・回避すべき都市の設計責任」と断じた判決により、以降、ビル風は「我慢すべき自然現象」ではなく、都市計画が生み出した人工災害と捉えられ「予測・回避すべき環境リスク」として確立するようになりました。

そして現在、ビル風は、建築・風工学分野では純粋な流体力学現象として発生メカニズムが科学的に確立済みとなり、科学的な分析は都市設計にも応用されているのだそうです。


なぜそこだけ風が強いのか?

「ビル風」とは、建物に当たった風が吹き降ろされ、角や開放空間で乱れながら地表付近で加速する現象を指します。

風は本来、地表面の摩擦で減速しますが、建物がそこに介入すると流れは三次元的に曲げられ、「上空の強い風が地表近くへ運ばれる」現象が起きます。これが体感としての「急に強くなる風」を生むのだそうです。

つまり、本来「上に逃げる」「横に逃げる」ことでエネルギーを分散している風は、構造物や擁壁、建物の張り出し、縁石・柵などによって逃げ道が塞がれます。逃げ場を失った風は“通れる断面”へと集中することになり、速度を上げることになります。

建物と建物の隙間で風が加速することをチャンネリング(建物間加速、通路加速とも)と呼ぶそうですが、駅前のように複数の境界が重なると、広場の外周でも同じことが起こり得るのでしょう。

加えて、風は「壁に当たって止まる」のではなく「回り込む」性質があります。回り込む際には、角や縁で剥離し、渦を伴う高速域が生じるそうで、この渦があると、風は一定方向に安定せず、数秒単位で強弱や方向が“揺れる”のだそうです。

人が「持っていかれる」と感じる強風は、平均風速よりも、瞬間風速である――この“揺れ(ガスト=瞬間的に危険な風の意味)”によるところが大きいのです。

東戸塚駅西口ロータリー外周が強風の常連になる理由は、風が単に吹くのではなく、都市の形によって集められ、落とされ、絞られる構造にあるからでしょう。

ロータリー外周を囲むように建つ高層・中層の建物に風が当たると、風上面で流れが分岐し、その一部が壁面に沿って吹き降ろされます。これを吹き降ろし流(ダウンウォッシュ)と呼ぶのだそうです。

この吹き降ろし流が地表付近に達すると、今度は水平に広がり、角部の剥離流や建物間の加速(チャンネリング)と合流して、歩行者の高さで局所的に風が強まるようです。

駅のロータリーは、交通処理のために「回遊性」と「見通し」を優先して設計されることが多く、一見すると、歩行者にとって開けているので便利に見えます。

しかし風のような流体の目線では、開けた空間は“減速装置が少ない空間”となり、加えてロータリー周辺は、駅舎・駅ビル・周辺建物、擁壁や高低差などが複雑に絡み合い、風が直進して抜けるよりも、回り込みや反射、局所渦の生成が起きやすくなります。

そうして「常に風が走る道筋」が固定化され、風向が多少変わっても、強風域が消えにくい場所が生まれると考えられます。


風向が変わっても残る強風

東戸塚駅の西口ロータリーの特徴は、強風が「たまたま」ではなく「いつも」に近い頻度で感じられることです。

これは気象が常に荒れているからではなく、都市の形そのものが強風の出現場所を固定している可能性が高いと考えられます。

私は専門家ではありませんが、風工学的には、自然風はランダムに強さも向きも常に揺らいでいるため、発生頻度が確率的に変動するものの、建物周りでの風速増加は、すでにそこにある風を変形・集中・加速させる「風速比」として、特定形状では繰り返し現れる、ことが判明しています。

一般に建物に風が当たると、流れは大きく三つに分かれます。
上に乗り越える流れ、左右に回り込む流れ、そして壁面に沿って地表へ吹き降りる流れです。

ここで問題になりやすいのが三つ目の風で、上空の速い風を地表付近へ運び込みます。それが角部では剥離して局所的に加速する「コーナー効果」、建物間でノズル状に加速するチャンネリング(谷間風)が重なると、風向が変わっても「強風域が残る」ことが起こるとされます。

そして、駅前ロータリーは一見安全そうな広場ですが、実際には周囲の建物群が生む風が集まりやすい「受け皿」になりがちです。擁壁や駅舎の脚部、通路などが重なることで風は抜け切らず、渦や乱れが残ります。こうして固定された強風は、不快なだけでなく、転倒や飛来物などの事故を招く要因になります。

季節によって自然風の風向きが変わっても、ビル風は、都市構造が風を“固定的に増幅する”ため、こうした季節変化でも強風地点は消えにくい、ということになるようです。

つまり、こうしたある地点で固定的に発生する強風は、日常的に事故の確率を高める「日常災害因子」と捉えられるわけです。


果してこれは「都市設計のミス」なのか?

調べると、JR東戸塚駅前が現在の骨格(デッキ・ロータリー・高層建物群)に再開発されたのは、1990年代後半〜2000年代にかけてだそうです。そして、東戸塚駅周辺の都市計画(現在の街区構成の原型)が構想・立案されたのは1964年〜1965年(昭和39年〜40年)のことなのだとか。

一方で、ビル風の科学的知見が確立したのは1970年代後半であり、それが都市設計・建築実務にまで体系的に応用され始めたのは、一説では、1990年代後半〜2000年代初頭と考えられているのだそうです。

すると、東戸塚駅の建設がスタートした時点では「ビル風」は、まったく設計思想になかった可能性もありそうです。

私の見立てでは、これは単純なミスというよりも、設計の優先順位が車両の導線に偏り、風環境の評価が後景化した結果だと考えます。

ビル風が社会問題化したのは、日本では超高層建築の出現と同時期からで、以後、風洞実験や評価手法が発展してきました。 ただ、その多くは「建築計画としての高層建物」や「住宅地との紛争」を主な対象としており、駅前ロータリーのような交通結節点の“日常事故”までを細やかに扱う文化は、当時の世論になかったかもしれません。

かわって現在では、風環境評価の技術がかなり整ってきたそうです。

CFD(数値流体解析)や風洞実験により、建物周辺の風速分布、歩行者の高さでの強風域、配置変更の効果などを予測・比較が既に行なわれているそうで、もし今同じ計画をゼロから作るなら、ロータリー外周は、設計段階で要注意点として可視化され、対策案(半透過スクリーン、植栽帯、形状の切り欠き等)を比較検討できていた可能性があると思います。

これは、都市設計ミスというより、設計思想に盲点があった、と考えるべきなのでしょうね。


小さな不快(マイクロディザスター)も防災

災害(ディザスター)は、外力である誘因に、防災力である素因が耐えられないとき起こります。

6年前(2020年)に「傘」や「防水スプレー」を紹介した際、日常生活で雨に濡れる不快感を、雨が降る(誘因)ことで、靴やバッグ(素因)が、濡れる(災害)という小さな事象を捉え、それを「マイクロディザスター(小さな災害)」という造語と概念を新たにつくり解説しました。

※セイショップがセレクトする防災雨具 > マイクロディザスターの解説
https://www.seishop.jp/equipments/life/raingear/

防災というと、地震・火災・洪水のような大きな災害を想像しがちですが、しかし、日常の事故リスクを積み上げる“静かな災害”もあるのです。駅前の強風はその代表です。

転倒、接触事故、荷物飛散、二輪の転倒、子どもや高齢者のふらつきなど、これらはニュースになりにくい一方で、確実に生活の安全を削ります。
風環境の議論が「快適性」だけでなく「安全性」を含むのは、こうした背景があるからです。

労働安全・交通安全・医療安全・防災など、非常に広い分野で使われる言葉に「ハインリッヒの法則(ハインリッヒの安全の法則)」というのが知られています。

《 1件の重大災害の背後には、日常的な小さな災害と、
 多くのヒヤリ・ハットした気付きが存在する 》

――と、アメリカの安全工学者ハーバート・ハインリッヒ(1886〜1962)博士は説明しました。

「日常型防災」とでも言うべきこうした日常的な安全への心掛けの積み重ね(習慣)こそが“自助防災”には必要不可欠だと思います。



《 執筆者 》
SEI SHOP(セイショップ)総合プロデューサー
平井敬也(ひらいひろや)

平井敬也

防災士(日本防災士機構登録No.040075)、日本人間工学会会員。
1970(昭和45)年、東京都世田谷区生まれ。神奈川県横浜市在住。日本大学大学院で安全工学・人間工学を専攻。大学院修了後、大手ゲーム製造メーカーに入社、企画開発、PL(製造物責任法)担当や品質管理(ISO9000)に携わる。2001(平成13)年、災害用長期備蓄食〈サバイバル®フーズ〉の輸入卸元、株式会社セイエンタプライズ取締役に就任。阪神淡路大震災で家族が神戸で罹災、日常の防災意識や危機管理の啓蒙普及を企図した無料メールマガジン『週刊防災格言』を07年よりスタート。毎週月曜日に防災格言を発信し続け2万人の読者を得ている。
【書籍】天災人災格言集―災害はあなたにもやってくる! ¥1,650(税込)




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