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乾いた土地に転がっている水瓶

おはようございます。

本日は 天皇誕生日 の祝日です。

2024年1月1日の「令和6年能登半島地震(M7.6)」から 2年 (784日) が過ぎました。

2011年3月11日の「東日本大震災(M9.1)」と「福島第一原発事故」から今年で 15年 (5464日) を迎えます。

1995年1月17日の「阪神・淡路大震災(M7.3 死者6,437人、重軽傷者43,792人)」から 31年目 です。

そして、

平成以降最大規模の林野火災「岩手県大船渡市山林火災」から2月26日で 1年 です。

2025年2月26日昼過ぎの出火から、3月9日の鎮圧宣言(鎮火は4月7日)まで火は12日間燃え続けた結果、大船渡市の面積の約9%となる3370ヘクタールが焼損し、死者1人、大船渡市の人口の約14%となる4,596人に避難指示(避難指示解除は3月10日)が出されました。

※関連コラム
山火事のおきやすい3月のお話(2025.03.03)

春一番が吹き「河津桜」が見頃に…

…さて、

2026年2月18日(水曜日)、日本海の低気圧の発達により、北陸で南寄りの強い風が観測され、北陸地方で「春一番」が吹いたと、気象庁が発表しました。

春一番は、冬から春への移り変わりの時期に初めて吹く、暖かい南寄りの強い風(季節風)を指し、気温が上がり、季節が動き始めるサインとされています。

春一番はまさに “春の息吹” を感じさせる風なのです。

春の息吹と言えば…、

早咲きで有名な伊豆河津町の名産「河津桜」が見頃を迎えているそうです。

河津桜は、1955年(昭和30年)頃に飯田勝美さんと言う人が河津川沿いで偶然苗木を発見して家に持ち帰ったのが始まりで、その時の原木は、河津町役場にほど近い飯田家の庭(敷地内への立ち入りは不可)に現存していて、近くを通る遊歩道などから今もその姿を見ることができます。

その後、桜は、1974年(昭和49年)に「カワヅザクラ(河津桜)」と正式命名されました。

人工的に作られた園芸品種ではなく、自然の中で生まれた貴重な桜という“物語性”と、2月上旬から咲く圧倒的な早咲きと、しかも、その後1か月も長く咲き続けるという“珍しさ”が大きな魅力の桜です。

つまり、この「早く咲いて長く楽しめる」という特徴が人気となり、本場の伊豆・河津町以外にも、関東の三浦海岸、松田山、東京の旧中川、千葉・鋸南町や白子、さらに大分県四浦半島などにも植えられて、今では全国に数多くの名所が知られるまでになりました。

昨年の河津桜まつりの頃は天気がすぐれず(割と雨が多かった)、反対に、“晴れ”の多い今年は、開花が進みやすい天候ですから、桜鑑賞には良い条件が整っていると言えそうです。

30年に1度の見頃とまでは言い切れませんが、今年は天候と開花状況のバランスがとても良さそうなことから、近年でもかなり恵まれた条件がそろった桜まつりになりそうな予感ですね。

※関連コラム
春一番、春二番…春の突風は何番まであるのか?(2024.03.04)


“30年に1度”の記録的少雨で水不足が深刻に…

…というニュース報道が増えています。

11月頃から雨が降らず、とくに関東など太平洋側で、記録的なカラカラ天気による乾燥状態が続いています。

関東甲信地方や東海、近畿、四国、九州南部、九州北部地方でも“30年に1度の少雨”と言われる状況となっており、先月(2026年1月22日)、気象庁が、記録的少雨のため林野火災に注意するように緊急で会見を開くことになりました。

《 東日本太平洋側や西日本の広い範囲で、降水量がかなり少ない状況になっています。12月末からの4週間の降水量は、この時期として30年に1度程度の顕著な少雨となっているところがあります。
今後1か月程度は、まとまった降水にはならない見込みです。 》

※気象庁報道発表 > 林野火災に注意してください!(2026.1.22発表)
https://www.jma.go.jp/jma/press/2601/22a/20260122_rinyakasai.html

2月に入ってから、やたら“30年に1度の少雨”の記事が増えたのは、恐らく、この発表が影響したのかもしれません。

今年の冬は、全国的に“30年に一度”と言われるほどの記録的少雨となり、水不足が深刻化しています。

気象庁によれば、東海から九州の太平洋側、関東甲信、近畿、そして四国にかけて広い範囲で降水量が平年の10〜30%にまで落ち込んでいます。

たとえば、高知市では1月5日から2月18日までの降水量がわずか10.5mm(平年比10%)、高松市7.5mm(12%)、徳島市9.5mm(14%)、奈良市28mm(34%)と、各地で異常なまでの雨不足が続きました。冬の太平洋側でこれだけ雨が降らないのはとても珍しく、渇水は“30年に一度”の規模とされています。

最も深刻なのは四国地方で、「日本の水がめ」と呼ばれる四国の主要ダムが軒並み大きく貯水量を減らしていて、地域社会や農業に大きな影響が出始めています。

高知県の大渡ダムでは貯水率が16.5%(平年82.4%)にまで落ち込み、1月末には一時0%を記録しました。高知市では水道水の圧を下げる28年ぶりの給水制限が始まっています。

さらに四国全域に影響する早明浦ダムでも貯水率44.3%(平年80.7%)と低迷し、香川・徳島への送水を2〜3割削減する第2次取水制限が実施されています。
冬季に第2次の制限がかかるのは1996年以来というお話で、実に30年ぶりの異常事態となりました。

長安口ダム(徳島)は22.5%、銅山川3ダム(愛媛)は52.7%、鹿野川ダム(愛媛)は2.7%と、いずれも平年を大きく下回っており、農作物の成長遅れやアユの遡上への影響なども叫ばれています。

東日本も例外でなく、神奈川県の城山ダムは貯水率12%と平年の半分以下に落ち込み、東京都の小河内ダムでも40.8%まで低下、東京都は自主節水を呼びかけ、日野市では浅川の川底が露出し、歩けてしまうほど干上がった場所まで見られるようになりました。

気象庁は向こう1か月の降水量は平年並みとしていますが、現在の極端な水不足を短期間で回復させるのは難しく、渇水は春以降も長引く可能性が高いとしています。

農業用水だけでなく水道用水にも影響が及び、私たちの生活全般が長期的に影響を受ける恐れがあります。


「少雨に関する気象情報」は、実は2026年1月スタートの新制度「火災予防の取り組み」だった件…

「記録的な少雨時に気象庁が臨時会見を行う」は、今年1月からスタートした気象庁の新しい取り組みのようです。

昨年(2025年)2月26日に岩手県大船渡市で大規模な林野火災が発生するなど、近年、林野火災が相次ぎました。

これを受けて、消防庁と林野庁では有識者などによる検討会「大船渡市林野火災を踏まえた消防防災対策のあり方に関する検討会」が開催されることになり、昨年8月に一つの報告書が取りまとめられました。

この報告書を受けて、気象庁(消防庁・林野庁)が、記録的な少雨時に火の取り扱いに対する注意喚起を行う新たな取組を2026年1月から開始することになったという経緯です。

新たな火災予防の取り組みは、毎年1月〜5月の期間に、30年に1度の記録的な少雨の地域が複数出れば、気象庁が消防庁・林野庁と合同で臨時の会見を行い、火の取り扱いなどについて注意喚起を行うことや、気象情報やSNSなどで情報発信していくというものです。

※政府報道発表 > 林野火災予防のための新たな取組を開始します(2025.12.17発表)
https://www.jma.go.jp/jma/press/2512/17a/20251217_rinyakasai.html


少雨の原因

今回の少雨の主な原因は、上空を流れる偏西風が平年よりも南側に蛇行(南に大きくズレている)しているために、日本付近の天候パターンが崩れたことが、考えられるそうです。

日本付近で偏西風が南に蛇行したことにより、本来この時期に太平洋側に雨を降らせるはずの「南岸低気圧」の発生や、日本付近への低気圧の通過を阻害されてしまった、のだといいます。

偏西風はもともと常に波打っている(蛇行している)のが通常状態ですから、今回のような偏西風の蛇行は、特別に珍しい現象ではありません。だから異常とは言い切れない自然現象です。

ただ、今回、蛇行の振幅が大きかったり、同じ配置が長期間持続したりと、そこには地球温暖化が影響している可能性が高い、というのが科学的見解のようです。


“30年に1度”の意味

気象庁の緊急会見は「林野火災予防」に関するものであって、実際には少雨による水不足についての注意情報ではありませんでした。ところが、その後の報道では「30年ぶりの渇水」という内容ばかりがクローズアップされています。

いま、日本の水不足は現実的な危機であり、とくに各地のダムの貯水率は深刻ですから、その報道内容の「渇水(水不足)」の状況は事実です。ただ、こうした一連の報道姿勢は、後々の誤解を招く恐れがあるような気もします。

例えば、30年ごとに必ず起きる、とか、今回起こったので、あと30年は大丈夫、という誤解です。

ここでいう「30年」は、気象統計が、一般的に「30年平均値」を算出して評価するだけで、この「30年に1度」は“確率”を表す統計用語に他なりません。

30年という統計期間は、WMO(世界気象機関)が標準的な気候平年値(Climatological Standard Normals)の期間として公式に定義(WMO基準)したもので、日本の気象庁もこれに従っています。

つまり、過去30年以上の降水データを集めた統計モデルによって「今回の少雨がどれくらい珍しい現象か」を計算した値が「30年に1度」であり、これは地震の「100年に1度」と同じ確率的な表現となる訳です。

そのため、現実にも異常な少雨傾向であるものの、その意味としては、統計モデル的に、30年のうちに1回起きる程度の確率の異常少雨が今起きている、というだけの意味になります。

事実、日本では、昨年(2025年)から記録的少雨傾向が見られ、冬から春にかけて大規模な林野火災が全国的に多く発生しました。2025年2月には、岩手県大船渡市で大規模林野火災が発生しています。

ところがこの際には、「30年に1度」という表現は使われていないと思います。国交省や気象庁などでは「記録的少雨(北陸で統計開始以来最少など)」と限定的な表現を使用するにとどまっていたのではないでしょうか。

たぶん、2025年の段階では、季節が限定的で、地域別の降水量の偏りが大きかったりで、統計的な再現期間評価を行うタイミングではなかっただけなのかもしれません。

「再現期間評価(Return Period Analysis)」とは、極端な自然現象(豪雨・少雨・洪水・高潮・強風など)が、どれくらいの頻度で起こりうるかを、過去のデータを使って統計的に評価する手法です。平たく言うと「このレベルの現象は平均して何年に1回程度起きるのか?」を数値化する作業となります。

2026年1月22日の気象庁(消防庁・林野庁との合同)の緊急会見は、そういう科学的な統計評価により “30年に1度レベルの少雨” が広域で確認されたタイミングで行われたもので、報道に多い少雨による渇水と言うよりも、少雨による乾燥による火災・防災行政への防災上の注意喚起としての性格が強いものでした。


“30年に1度”の異常気象は必ず起こる

“30年に1度”と表現される異常気象は、気象庁の定義によれば「30年に1度の頻度で発生する極端な現象」のことを指します。

この定義に従えば、地球温暖化が進んでいるかどうかにかかわらず、異常気象は長い年月の中で必ずどこかで発生するものだと言えます。

異常気象が避けられない理由として、まず気候システムがもつ自然のランダムな揺らぎが挙げられます。エルニーニョ現象やラニーニャ現象のように、大気や海洋、陸面が複雑に影響し合い、気候は常に揺れ動いているのです。
この揺らぎがたまたま極端な方向に振れたとき、結果として豪雨や猛暑といった異常気象が生じます。

そのため、温暖化の有無にかかわらず「30年に1度」という規模の異常な現象は自然の仕組みの中で必ず起こるものと考えられています。

ただ問題は、異常気象そのものではなく、地球温暖化によってその発生頻度が変化してしまうことにあります。

平均気温が上昇すると、かつては30年に1度だったような極端な現象が、10年に1度、あるいはさらに短い周期で起きるようになる可能性があるそうです。

実際、過去数十年の観測では、暑い日や熱帯夜が増え、熱波の発生も増加傾向にあります。これは平均気温の上昇に伴い、同じ揺らぎでも高温側の極端値に達しやすくなるからだと考えられています。

また、大雨の発生頻度も増えています。気温が上がると大気中に含むことのできる水蒸気量が増えるため、短時間にまとまった雨が降りやすくなります。

さらに、1970年代以降は熱帯や亜熱帯を中心に、より厳しく長期間続く干ばつが広がっていることも確認されています。

このように、異常気象は気候の自然な揺らぎの中で必ず起こりますが、人間活動による温暖化が、その極端さを増幅し、発生頻度を押し上げている現実があります。

これが地球規模の気候変動(地球温暖化の問題)です。


「自助備蓄」は何日分必要なのか?

近年、世界各地で記録的な高温や豪雨などの異常気象が相次いでおり、これは地球規模で進行する気候変動の影響として科学者が警鐘を鳴らしています。とくに高温に関する極端現象の増加については、人間活動の影響が大きいと専門家の間で結論づけられています。私たちは、これまでも起こってきた自然現象が、いまやより頻繁に、より激しく発生する時代に生きているという認識を持つ必要があります。

こうした背景から、国や行政も、大規模災害の発生時にすぐ支援に入ることは現実的に難しいという前提に立つようになりました。

食料や水などの物資は、支援が届くまでの間をしのぐために、“自助(自分事)”の問題として国民それぞれが認識し、自分たち自身で備えておくべきものと位置づけられています。

しかし問題は、この自助防災の期間が、昭和時代に地震防災で言われていた「最低3日間」なのか、はたまた平成以降に変わった「1週間程度」なのか、スイスなど諸外国が言う「1か月以上」なのか…基準が明確にできない点です。

私どもセイショップ(セイエンタプライズ)では、1978年の創業以来、一貫して「一人90食分」、つまり1日3食で1か月分の備蓄を理想として推奨してきました。近年では、日本の有識者の間でも「最低1週間、できれば1か月」という意見が増えており、ようやく議論が私たちの提唱する水準に近づいてきたと感じています。

災害はいつか起こるものではなく、必ず起こるものです。
その影響がより激しくなる時代だからこそ、私たち一人ひとりが備蓄を見直し、自分と家族の命を守る準備を進めていくことが大切だと思います。



《 執筆者 》
SEI SHOP(セイショップ)総合プロデューサー
平井敬也(ひらいひろや)

平井敬也

防災士(日本防災士機構登録No.040075)、日本人間工学会会員。
1970(昭和45)年、東京都世田谷区生まれ。神奈川県横浜市在住。日本大学大学院で安全工学・人間工学を専攻。大学院修了後、大手ゲーム製造メーカーに入社、企画開発、PL(製造物責任法)担当や品質管理(ISO9000)に携わる。2001(平成13)年、災害用長期備蓄食〈サバイバル®フーズ〉の輸入卸元、株式会社セイエンタプライズ取締役に就任。阪神淡路大震災で家族が神戸で罹災、日常の防災意識や危機管理の啓蒙普及を企図した無料メールマガジン『週刊防災格言』を07年よりスタート。毎週月曜日に防災格言を発信し続け2万人の読者を得ている。
【書籍】天災人災格言集―災害はあなたにもやってくる! ¥1,650(税込)




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