おはようございます。
本日で、2011年3月11日の東日本大震災(M9.1)と福島第一原発事故から 14年(5394日)です。
2024年1月1日の令和6年能登半島地震(M7.6)から1年11ヶ月(714日)です。
1995年(平成7年)1月17日の阪神・淡路大震災(死者6,437人、重軽傷者43,792人)から 30年 です。
先週末から日本海と本州南岸を発達した低気圧が東へ進み、しだいにまとまりつつあるようです。今週は発達した低気圧の影響で、北海道や東北では暴風にも警戒が必要そうです。
空気が乾燥していますので、火の取り扱い注意下さい。
冬季の平日深夜の地震でした…。
12月8日(月曜日)深夜23時15分、青森県東方沖を震源にマグニチュード7.5(震源の深さ54キロ)の大きな地震が発生し、青森県八戸市などで震度6強が観測されました。
一時、津波警報も発令されています(12月9日6時20分解除)。
この地震を受けて、気象庁と内閣府は、翌12月9日(火曜日)深夜午前2時00分に、史上初めて「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表しました。今日で 1週間 です。
後発地震注意情報の期間は、発生から1週間とされており、従いまして、本日一杯を過ぎた12月16日(火曜日)午前0時まで継続される見込みです。
ただ、青森県東方沖では、この地震の後も、余震活動が続いています。
12月12日(金曜日)11時44分には、津波(八戸で20cm)を伴ったマグニチュード6.7(震源の深さ17キロ)の今回の最大余震が発生しています。
本日いっぱいで後発地震注意情報の発表は終わる見込みですが、心配される北海道・三陸沖後発地震ではなく、余震域での通常の余震は今後もしばらく続くと思いますので、引き続きご注意下さい。
青森県東方沖地震(2025年12月8日)
この地震で、北海道、青森、岩手を中心に50人以上が重軽傷を負ったものの、幸い死者は発生していません(12月13日現在)。
また、北海道、青森、岩手の一部地域で水道管破損等による断水(12日までにほぼ復旧)や、液状化、建物被害(青森県で建物被害535件)も発生しています。(12月13日現在)
一時、北海道太平洋沿岸中部、青森県太平洋沿岸、岩手県に津波警報が発表され、北海道から福島県の広範囲で避難指示がだされ、岩手県久慈港で最大70センチの津波が観測されています。さいわい当時は干潮でしたので被害も限定的でした。
先週末から、青森県や岩手県など東北や北日本では、冬型の気圧配置で荒れた天気が続いています。週明けとなる本日からは、低気圧が急速に発達する見込みで冬型の気圧配置が強まるため、青森県や岩手県では引き続き雪となります。
冬の地震が続き、寒さの中での避難生活や二次災害の心配もあり、不安は尽きないことと思います。心からお見舞い申し上げます。
さて、青森県東方沖から岩手県沖北部・南部の日本海溝沿いのプレート境界で発生するマグニチュード7〜8クラスの大きな地震を「青森県東方沖地震」とします。
すると、今回の「後発地震注意情報」が想定するマグニチュード8クラスの巨大地震は、東日本大震災を除きここ400年間では、1677年、1768年、1856年、1968年(十勝沖地震 M7.9死傷者382人)と4回発生していたと考えられていて、そのうち直近3回の地震では多数の死傷者が記録に残っています。
少し乱暴ですが、この4回の記録から推定すると、およそ97.0年ごとに巨大地震が繰り返していると考えられます。すると前回「十勝沖地震(1968年)」から2025年現在で「56年経過」したのでまだ多少の余裕がありそうに見えます。
それ故に、政府の地震調査研究推進本部では、今後30年以内の発生確率は「20%〜40%」と発表しています。
一方で、12月8日に発生した今回の地震と同程度の、ひとまわり規模が小さいマグニチュード7.0クラスの地震では、1994年の三陸はるか沖地震(M7.6 死者3人)や1945年の昭和20年青森県東方沖地震(M7.1 死傷者2人)、1968年の十勝沖地震の余震(M7.2)などが知られており、1923年から2011年の約88年間にM7.0以上の地震は計11回発生しているそうです。
いずれにせよ、地震調査研究推進本部などが示す「長期評価」では、30年以内に20〜40%という値は「決して低くない」確率で、地震学的なリスクとして十分に高い「明日起こっても不思議でない」水準となり、防災上では「必ず起こるかもしれない」と想定し準備しておくとされる確率となります。
今日で「後発地震注意情報」は予定通り終わるかと思いますが、今回のご経験をきっかけに、日頃から地震対策を中心に“自助防災”に努めて頂ければと思います。
※関連コラム
・飛行機雲と地震雲と地球温暖化の関係 >
2025年11月9日の岩手県三陸沖(M6.9)の地震(2025.11.10)
・ロサンゼルスドジャースと素振りと地震 >「北海道・三陸沖後発地震注意情報」運用1年(2023.12.18)
巨大地震の死傷者を減らす目的の“後発地震注意情報”
すでにテレビやニュース報道で「北海道・三陸沖後発地震注意情報」については詳しい解説が繰り返しなされているとは思います。
2011年3月9日に三陸沖を震源にしたマグニチュード7.3の地震が発生した後、3月11日に東日本大震災(M9.1)が起こりました。
このように、北海道〜東北の太平洋側の震源域では、一度大きな地震が起きるとその後しばらくは再び大きな地震が起きる確率が高くなるため、日頃の備えを確認するよう政府から出される注意情報となります。だから巨大地震が必ず発生するというものではありません。
「後発地震注意情報」で想定されているのは日本海溝沿いの巨大地震(最大M9.1)、千島海溝沿いの巨大地震(最大M9.3)ですが、このエリアの巨大地震では、冬に地震が起きるパターンという最悪ケースで、死者数は19万9,000人と想定されています。
しかし、同時に、もし事前に十分な避難と災害への備えがあった場合、想定される死者数を8割減らすことができる、とも試算されました。
そして、次に起こるかもしれない大地震による死者や重傷者を減らす目的で「すぐに避難できる準備を1週間程度続けてください」と呼びかけ住民が冷静に行動できる注意情報として2022年から運用開始されたの“後発地震注意情報”となる訳です。
政府作成のマンガや動画がとても理解しやすいです。
※内閣府 > マンガで解説!北海道・三陸沖後発地震注意情報ってなに?
https://www.bousai.go.jp/jishin/nihonkaiko_chishima/hokkaido/pdf/chishima_manga.pdf
※YouTUBE動画 > 北海道・三陸沖後発地震注意情報の解説(内閣府防災)
ちなみにこの解説動画は、先週12月8日(月曜日)朝10時頃に公開されたそうで、偶然にも、その日の深夜に青森県東方沖で地震が起きたのでした。
昨年の「南海トラフ地震臨時情報」の時と比べて報道トーンが抑えられた?
気付いていらっしゃる人も多いかと思いますが…。
今回の「北海道・三陸沖後発地震注意情報」では、マスコミの報道トーンが、前回(2024年8月8日の日向灘地震に伴う南海トラフ臨時情報「巨大地震注意」)よりだいぶん抑えられています。
前回の東海・関西〜九州にかけて発出された「巨大地震注意」では、実際には「確率は100回に1回程度(1%)」と低いにもかかわらず、危機感が過度に煽られたため、一部で深刻なパニック(社会不安)が生じました。
“巨大地震注意”という言葉のインパクトが先行し、市民の間では「すぐに巨大地震が来る」といった誤解も生じ、マスコミの報道を通じてそれがより強調されたことで、一部のスーパーやコンビニなどで水・食料の買い占めが発生してしまいました。
その反省から、今回は政府と報道機関は「冷静な備えを促す」方向に情報発信が調整されています。
具体的には「注意情報」=必ず起きるわけではないという点を繰り返し説明したり、「1週間程度は備えを見直してほしい」と冷静な呼びかけに留めて、避難指示や強制的な行動を求めないようにし、報道も「備蓄の確認」「家具の固定」「情報入手手段の確保」といった行動指針を具体的に示すものの煽らないスタイルに変化しました。
政府と気象庁の会見は「発生確率は低いが備えを確認する好機」と表現しており、混乱を避ける意図が見えます。
政府による国民へのこの種の“緊急警告”“臨時情報”では、「平常時からの周知・広報強化」が一番重要ですから、そういう意味では、昨年の「巨大地震注意」と「後発地震注意情報」は良い機会だったとも言えます。
“後発地震注意情報”発出時は「いつもと少し違う備えかた」が基本
普段と比べ100倍ほど巨大地震の発生確率が高まった…として「後発地震注意情報」が出されます。
そして、注意情報が出ている期間(1週間程度)は、いつもの地震への備え方よりも、一段階レベルアップした備えが必要となります。
まず一番は、安全な部屋にしましょう。
就寝中に枕元に時計やタンスが落ちてきたら大怪我をしますから、具体的には、家具等の配置を見直し、必要とあれば家具等の固定を行います。
そして、避難場所や家族との連絡手段の確認、ラジオなど情報端末の電池・電源の確保、緊急情報を受け取れるスマホなどの音量をいつもよりも上げておく、とか、水や食料・トイレ処理剤などの備蓄の再確認といったことをやります。
大事なのは、津波が来るかもしれない沿岸地域に住んでいる人、がけ崩れ・土砂災害を含め家屋倒壊の恐れがある人は、特に無防備となる就寝時にすぐに逃げられるような服装に心掛け、貴重品を入れた避難袋(非常用リュック)や履き慣れた靴を枕元に準備しておくといった配慮が必要となります。
後発地震の発生可能性=1%(100回に1回程度)と1週間
内閣府の解説には、
《 後発地震の発生可能性は、世界的事例を踏まえても100回に1回程度で、1週間のうちに必ず後発の大規模地震が発生するとは限りません。また、1週間経てば、後発地震が発生する可能性がなくなるわけではありませんので、引き続き、地震の発生に注意が必要です。》
とあります。
今回の「1週間の備え」と「1%」について考えてみますと…
まず、「1週間の備え」には明確な科学的根拠はなく、統計的な便宜上の区切りとして設定され、行政が住民に分かりやすく行動目安を示すための便宜的なラインとなります。
過去の事例や国際的な統計では「M7級以上の大きな地震の後、数日〜1週間以内にさらに大きな地震が起きる可能性が相対的に高まる」ことが知られており、その期間を目安に住民へ注意を促していると言えますが、ただ専門家は「数日以内に起きる場合もあれば、数か月後、数年後に起きる場合もある」と指摘してもいますので、この1週間はあくまで行政が「1週間」と区切ることで冷静な備えを促せる目安で、科学的な保証はないと言えます。社会経済と科学のリスクのバランスをとった妥協ラインが1週間なのでしょう。
そして「1%」の確率の背景は以下のように説明されています。
《 世界の事例では、M7級の地震後に500km以内でM8以上の巨大地震が発生した事例が1477回中17回(約1%)あった。これは平常時の確率(約0.01%)に比べると約100倍に高まる。》
とのことです。
「前震」の後により大きな「本震」が発生した事例では、例えば、
2011年3月9日の三陸沖地震(M7.3)の2日後に東日本大震災(M9.1)が発生しているほか、
1854年12月23日の安政東海地震(M8.4)では、32時間後の翌日12月24日に安政南海地震(M8.4)が連続発生しています。
1138年10月11日のシリアのアレッポ大地震(M8.5)では、1日前に前震(M6規模)があり、1693年1月11日のイタリアのシチリア大地震(M7.4)では、2日前の1月9日に前震(M6.2)がありました。
2023年2月6日のトルコ南東部の大地震では、本震(M7.8)の約9時間後に100km離れたところでM7.5の地震が続きました。
日本でも、2004年9月5日の紀伊半島沖地震(M7.3)では、同日約5時間前に前震(M6.8)があり、2016年4月14日〜16日の熊本地震では、4月14日の前震(M6.5)の28時間後に本震(M7.3)がありました。
一方で、1週間以上の期間をおいて起きる場合も当然あります。
1854年の伊賀上野地震では、6月13日の前震から1か月後の7月9日に本震(M7.2、M6.7、M6.8の3回発生)があり、1930年の北伊豆地震では、11月11日の前震から約2週間後の11月26日に本震(M7.3)があり、1978年の宮城県沖地震では、2月20日の前震(M6.7)から4か月後の6月12日に本震(M7.4)が発生しました。
実際には数か月後に起きる場合もあるし、地震は科学的には予測はできないのですから、日常から“長期的な備え”をしておくことが望ましいと言えそうです。
※関連コラム
・「世界津波の日」の物語:安政東海地震〜安政南海地震(2023.11.06)
・余震と地震活動パターンの分類(2024.02.19)
《 執筆者 》
SEI SHOP(セイショップ)総合プロデューサー
平井敬也(ひらいひろや)
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