おはようございます。
本日で、2011年3月11日の東日本大震災(M9.1)と福島第一原発事故から 14年(5359日)です。
2024年1月1日の令和6年能登半島地震(M7.6)から1年10ヶ月(679日)です。
1995年(平成7年)1月17日の阪神・淡路大震災(死者6,437人、重軽傷者43,792人)から 30年 です。
昨日11月9日(日曜日)17時03分頃、岩手県三陸沖でマグニチュード6.9の大きな地震があり、北海道から関東、中部までの東日本の広い範囲が有感となりました。
震源が10キロメートルと浅かったため、一時、津波注意報が発令され、大船渡や久慈港で最大20センチの津波が観測されましたが、約3時間後(20時15分)に警報は解除されています。
この震源域では11月に入ってからここ1週間で地震活動がかなり頻発していましたので、今回の地震が本震だったのかと思います。
ただ、北海道根室沖から三陸沖にかけての特定の震源域(日本海溝・千島海溝沿い)では、マグニチュード7.0以上の地震が発生した際に、さらに大規模な地震(後発地震)が起こる可能性が相対的に高まったと判断された場合に、気象庁は「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表することになっています。
今回の地震は、この「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の震源域で発生したものでしたが、地震の規模が基準となるマグニチュード7.0以上の規模に達していなかったことから、気象庁で発表が見送られた形です。
気象庁では、今後も1週間程度は、最大震度4程度の地震に注意が必要と説明しています。
大型で強い台風26号(フォンウォン)
フィリピンのルソン島付近を西北西に進んでいる大型で非常に強い台風26号(フォンウォン)(11月9日午前9時現在)は、強い勢力を保ちながら、今週には北寄りに進路を変える見込みで、日本方面へと向かう可能性があります。
今後進路はまだどのようになるかはわかりませんが、沖縄が暴風域に巻き込まれた場合は、その後、本州にも影響がでる恐れがあります。
今後の気象ニュースに留意ください。
二十四節気の「立冬(11月7日)」
ミカンや柿、栗など秋の果物が出まわり、秋たけなわですが、先週の11月7日(金曜日)は二十四節気の「立冬」を迎え、暦の上で冬の始まりとなりました。
7日朝には、北日本に強い寒気が南下した影響で、一気に寒くなってきました。
低気圧が北海道の北側を東に抜けて、そのあとに大陸高気圧が張り出して寒気が流れ込んできています。
これは、この時期の典型的な天気となりますので、これから次第に冬型の気圧配置へと変わっていくこととなります。
朝晩は気温がぐっと下がり、晴れた日中でも北風が吹いて肌寒く感じることが多くなってまいります。
今週は、前線を伴った低気圧が西日本から東日本を東へ進み、その後も、西から来る次の低気圧が北日本へとに近づく見込みで、再び寒気が南下します。これにより、今週は、東北や北海道、北陸などの北日本、また本州各地の太平洋側でも、雨雲が広がって、雷を伴うような雨となりそうです。
雨具をカバンに入れてお出かけください。
さて、先週末に「立冬」を迎えましたが、11月7日〜8日にかけて、北海道札幌市では初冠雪(積雪12センチ)となったそうです。
この11月初旬の時期に、札幌の市街地で10センチ越えの積雪となるのは実に2016年以来で9年ぶりの出来事とのことです。
以前のメルマガで、今季(2025年冬〜2026年春)は“大雪”かもしれないと書きました。
最新の気象庁3か月予報(2025年10月21日発表)によると、北日本や東日本の日本海側では「平年並か多い」という見方の一方で、太平洋側では「平年並か少ない」との予報となっています。
いずれにせよ、現在も地球温暖化等の影響から日本近海の海水温は依然として平年より高く、とくに日本海側では「ドカ雪」の危険性も指摘されています。
冬型の気圧配置が強まると、大雪のリスクが高まりますので、降雪地帯では、早めの冬支度もしておくと良いでしょう。
※関連コラム
・3か月予報(2025年10月〜12月の全国の天候)雑感「今年は大雪か?」(2025.09.29)
・大雪は9年周期でやって来る(2025.01.06)
紅葉シーズン
一般的に、秋晴れの続く11月初旬は、一年を通してもっとも快適な季節でもあり、紅葉を求めて出かける人の多い行楽シーズンとなります。
この時季は、夜は厳しく冷えこむものの、昼はぽかぽかと暖かいものです。雨の後で吹く“木枯らし(北風)”も長くは続かず、半日か1日そこらで吹き止むものです。その後は、おだやかな小春日和が続きます。
ただ、急に寒くなる日が増え、空気は日を追って乾燥してきますので、風邪やインフルエンザ対策を徹底してください。
さて、それでは、11月中旬へと差し掛かる今週(11月10日以降)はどうかというと…。
北海道や東北では紅葉シーズンは終盤に差し掛かりましたが、気温が高めの今年(2025年)は全国的に紅葉がやや遅れ気味だそうで、関東から九州の平野部ではこれからが本格的な行楽・紅葉シーズンとなるようで、11月下旬が見頃となりそうです。
秋の“紅葉シーズン”と“飛行機雲”のお話
秋の澄んだ空に、白く長く伸びる飛行機雲。
飛行機雲は気象学的見地からは「巻雲」に分類されます。
飛行機雲は、ある程度の澄んだ青空であれば、どの季節であっても表れるものですが、晩秋から冬の今の時期に青空に広がることが、他の季節に比べてはるかに多いようです。
実は、この時期に飛行機雲が目立つのには、きちんとした理由があるといいます。
秋は上空の気温がマイナス40℃〜マイナス60℃と非常に低く、しかも湿度が高くなりやすいため、飛行機雲が発生しやすく、しかも長く残る、のだそうです。
とくに偏西風の影響で湿った空気が流れ込みやすい時期には、飛行機雲が青空にしばらく留まって、時に広がって巻雲のようになることもあります。
さらに、秋の空は一年でもっとも澄んで見える、ことも秋に飛行機雲が多い理由です。
水蒸気量が減り、空気が乾燥しているため、青空が深く、遠くまで見渡せるため、飛行機雲の白さが際立ち、視認性が高まるといいます。
空が高く感じられるのもこの季節ならではで、「天高く馬肥ゆる秋」という言葉が示すように、空の広がりが人々の視線を自然と上へと導かれるのです。
また、秋は積乱雲などの立体的な雲が減り、うろこ雲やすじ雲といった高層の薄い雲が主役となります。こうした背景の中で、飛行機雲はひときわ目立つ存在となるという訳です。
飛行機雲のメカニズム
飛行機雲は、飛行機のエンジンから排出される水蒸気が、上空の冷たい空気に触れて急速に冷却され、氷の粒となって白く見える現象です。
これは、寒い朝に吐く息が白く見えるのと、原理的には同じ、ということ、だそうです。
中谷宇吉郎門下の雪氷物理学者・樋口敬二(1927〜2018)さんの解説によると――。
飛行機雲には、エンジンから発生する排気飛行機雲と、翼端やプロペラの気流の乱れによって発生する翼端飛行機雲の二種類があるのだそうです。
排気飛行機雲(はいきひこうきぐも)は、機体から出る高温多湿の排気ガスが、氷点下30℃以上の低温な空気中に噴射され、瞬間的に凝結してできるもので雪と同じ結晶です。
翼端飛行機雲(よくたんひこうきぐも)とは、飛行機の翼の先端付近で発生する、短くて細い雲状の筋のことで、正式には「翼端渦による凝結雲」や「翼端渦雲」とも呼ばれます。
飛行機が空気中を高速で飛行すると、翼の上下で気圧差が生じ空気の渦(翼端渦)が発生します。その周囲では気圧が急激に低下するために、空気が膨張することで冷却され、空気中の水蒸気が凝結して雲状になる現象だそうです。こちらは正確には排気ガスではありませんが、気圧低下による水蒸気の凝結が原因であり、水蒸気が冷えるというそのメカニズムは一緒です。
排気飛行機雲は、高高度(約8,000〜12,000メートル)で発生する水蒸気の冷却・氷晶化のため、飛行機雲が長く空中に残ることがありますが、他方、翼端飛行機雲の方は、低〜中高度でも発生するものの、その持続時間は短く、すぐ消えます。
どうして雲ができるか、というと…。
吐く息の温度は、ほぼ体温で一定していますが、吐いた時に混じる外気が寒くなるにつれて、吐く息が白くなります。それと同じように、排気ガスの温度も燃料の燃焼温度によってほぼ一定で、そこに混じる外気の「温度(おんど)」が下がるにつれ、飛行機雲が発生する確率が高くなります。
また、排気ガスに混じる外気の「湿度(しつど)」も高いほど、飛行機雲はできやすいそうです。吐く息が白くなるのは、息に含まれる水蒸気が凝結して細かい水滴ができたためで、飛行機雲の場合でも、気温が低い高層で発生した水滴が、すぐに氷結に変わります。
その後、周りの大気から水蒸気が供給されると、雪の結晶に成長して落下をはじめます。その時に、風によって散らばると、飛行機雲は太く広がって、自然にできる巻雲、巻層雲と似た形になる、のだそうです。
偵察機と飛行機雲のお話
他国の上空を隠密に飛行する偵察機にとって、飛行機雲(コントレイル)は極力避けたい存在です。
白く長く伸びる飛行機雲は、地上からの視認性を高め、存在を露呈してしまうからです。
アメリカ軍が最初に飛行機雲の科学的研究を行ったのは1954年。『排気飛行機雲の抑制』という論文が書かれたのは、米ソ冷戦の真っただ中でした。
この論文は、偵察機の飛行痕をいかに目立たなくするかという軍事的課題に取り組んだものであり、1962年に公表されるまでの8年間、秘匿されていたといいます。
当時、最新鋭の高高度偵察機が飛行する際に生じる飛行機雲を、どうすれば消せるか、あるいは発生させないか。アメリカはその技術的課題に腐心していたのです。
現在では、こうした偵察任務は有人機から無人の偵察ドローンや偵察衛星へと移行しています。偵察衛星は大気圏外を周回しており、そもそも飛行機雲を生じる環境にありません。
また、偵察ドローンも通常は比較的低高度を飛行し、ジェットエンジンではなくプロペラやタービンを用いるため、飛行機雲の発生条件を満たしません。
つまり、偵察衛星も偵察ドローンも、科学的な意味での飛行機雲(コントレイル)を生じることはほとんどないのです。
「地震雲」のお話
「地震雲(じしんぐも)」とは、大地震の前兆として現れるとされる、特異な形状の雲のことですが、科学的な根拠は確立されていません。
地震雲の話題は、高度成長期の昭和30年代(1950年代〜1960年代)に広まり、冷戦時代の昭和50年代(1970年代)の日本でも子供から大人まで老若男女がよく話題にしました。
とくに庶民に広まる大きなきっかけは、小松左京の小説「日本沈没」がベストセラーになった頃の1973年(昭和48年)5月22日、アメリカの地球資源技術衛星「アーツ1号(ERTS)」が撮影した日本の上空の衛星写真に、関東平野南部をほぼ東西に走る巨大で不可思議な“黒い影”が写りこんだことからでした。
関東地方を東京の都心を通って東西に130キロメートルも延びる黒い2本の筋が写りこみ、その衛星写真に対して、科学技術庁資源調査会は
《 関東平野を横切る大規模な活断層らしい線が発見された 》
と公表したのでした。
ちょうど線の辺りは、1855年(安政2年)の安政江戸地震(M7クラス)、1895年(明治28年)利根川下流地震(M7.2)、1921年(大正10年)龍ケ崎地震(M7.0)がこの線に沿って発生していたことから「宇宙からの不気味な警告!東京を貫く大活断層が発見される」などとして大騒ぎになりました。
“首都圏地震線論争”は、著名な地震学者らも巻き込んでマスコミの格好のネタとなり、1枚の衛星写真が深刻な社会不安を巻き起こしました。
しかし、間もなく、衛星写真に写った黒い線はどうやら活断層ではない――と否定されることになり、南関東大活断層説も話題に上ることが無くなりました。この事件の顛末ははっきりしていないそうですが、では、このとき衛星写真に写った130キロメートルもの黒い線の正体は何だったのか?
これを《 活断層でなく、飛行機雲だ 》と論じたのは、地震学者の田望(でんのぞむ)さんと気象学者の駒林誠(1931〜2020)さんとされています。
高高度(約8,000〜12,000メートル)の上空の飛行機雲は、天気が良ければ、地上に影を落とすのです。
アーツ1号(ERTS)衛星の「赤外線写真」では、空に薄く広がった飛行機雲そのものは写りませんが、太陽の光で地上にできた飛行機雲の影は、地表面上の温度の違いによっては写真に写ることがある、のだそうです。
私は、衛星写真を地殻の活断層が写ったもの(かもしれない)と発表してしまったのは、科学技術庁(資源調査会)最大の黒歴史ではないかと思っています。
飛行機雲と「地球温暖化」のお話
近年、実は、飛行機雲は地球に有害ではないのか? と言われています。
2021年にノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎博士は、1971年の研究において、放射・対流・水循環を組み込んだ気候予測モデルを構築しました。その中で、太陽光に対する反射率(アルベド)が低い上層雲が増加すると、地表の気温が上昇する、ことが示されました。これは、雲が地球の放射収支に与える影響を定量的に捉えた先駆的な成果となります。
一方、ドイツ航空宇宙センター(DLR)大気物理研究所のウルリッヒ・シューマン教授による2017年の研究では、飛行機雲(コントレイル)が目に見えなくなった後も、長時間にわたって空に残存し続けることが明らかになりました。
条件によっては、飛行機雲が5時間以上も消えずに滞留することがあり、発生当初は幅100メートルにも満たなかった雲が、数時間後には幅10キロメートルにまで拡大する可能性があるとされています。
さらに、気象条件によっては、空全体が薄くて目に見えない飛行機雲に覆われていることもあり、私たちが認識している以上に、飛行機雲は広範囲かつ長時間にわたって空に存在し続けていることが分かってきました。
元気象庁気象研究所長の原田朗さんは、多数の飛行機雲が層状に広がって巻雲へと発達した場合、それらが地上の気象条件に何らかの影響を及ぼす可能性があると指摘しています。
もちろん、飛行機雲から発達した巻雲の反射率の大小によって、地上への影響は違ってきますから、もちろん、飛行機雲が広域の気候変動に直接的な影響を与えるとは考えにくいものの、限定的ではあっても、特定地域における微細な自然改変に関与している可能性は否定できないと思われます。
実は、飛行機雲が地球温暖化の原因になっていると指摘したのは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が2022年2月に公表した第6次評価報告書(AR6)でした。
第1作業部会(WG1)の報告書「自然科学的根拠」において、航空機由来の飛行機雲が気候に与える影響が評価されています。
この中で、その定量的な影響には不確実性が大きく、ばらつきもあると評価しながら、飛行機雲が航空による地球温暖化への影響の約35%を占め、世界のジェット燃料による影響の半分以上を占めていると指摘し、航空機の気候影響をCO2排出だけでなく、雲形成も含めて総合的に評価する必要性があると述べているようです。
※参考資料:JAMSTEC > 清木達也“飛行機雲のことをどれだけ分かっていますか?”
https://www.jamstec.go.jp/j/pr/topics/column-20240216/
※関連記事 > 真鍋淑郎博士の防災格言
https://shisokuyubi.com/bousai-kakugen/index-882
《 執筆者 》
SEI SHOP(セイショップ)総合プロデューサー
平井敬也(ひらいひろや)
「平井敬也の防災歳時記」をメールで読みませんか?
スタッフブログ「平井敬也の防災歳時記」は、2007年から配信している防災情報メルマガ「週刊防災格言」を元に作成しています。
防災士・平井敬也が災害に備える知識を、毎週月曜日に無料でお届け。
いざという時の安心を日常の中で少しずつ備えませんか?






