おはようございます。
本日で、2011年3月11日の東日本大震災(M9.1)と福島第一原発事故から 14年(5338日)です。
2024年1月1日の令和6年能登半島地震(M7.6)から1年9ヶ月(658日)です。
平成7年(1995年)1月17日の阪神・淡路大震災(死者6,437人、重軽傷者43,792人)から 30年 です。
そして、平成16(2004年)年10月23日の新潟県中越地震(死者68人、重軽傷者4,805人)から、まもなく 21年 です。
秋空のイワシ雲やウロコ雲(巻積雲)
秋が深まって参りました。
上空には、規則正しく並んだイワシ雲やウロコ雲がみえます。
昨日(10月19日日曜日)、九州は暖かく鹿児島では最高気温が30℃を超えた一方、北日本は気温が下がって北海道札幌市では最高気温が12℃前後となりましたが、本州の広い範囲では、20℃前後と過ごしやすい気温の日が多くなりました。
今週は、北海道など北日本の上空に寒気が流れ込むそうで、また、先週から前線が本州の南の太平洋側に下がり停滞している影響から、今後は曇り空や雨の日が多くなるため、全国的にだいぶん気温が下がりそうです。
そろそろ暖房が必要になってくる頃ですね。
さて、秋は、夏の太平洋高気圧の勢力が弱まり、広く晴れをもたらす大陸からの移動性高気圧と、雨を降らせる温帯低気圧が、交互に日本列島を通過するようになります。
この温帯低気圧の前線の空には「イワシ雲」や「ウロコ雲」という呼び名で知られる巻積雲(けんせきうん)という種類の小さな雲の塊が無数に規則正しく並んで見えます。
これらの雲は、低気圧の接近に伴って現れることが多く、天気が下り坂になるサインだと言われています。
こうした低気圧が発達しながら列島を通過すると、広い範囲で気圧が下降し、逆に、低気圧が通過した後は、気圧が上昇に転じます。
「雨の日は頭痛がする」とか「天気が悪いと古傷がうずく」など、昔からよく言われ、繰り返し低気圧が近づく春や秋の季節になるとこうした症状が毎年のように話題となります。
これらの気圧の上下に伴って、頭痛、首や肩のコリ、めまい、全身の倦怠感、関節痛、低血圧といった症状が現れるのです。
この症状のことを「気象病・天気痛」と呼んでいます。
一方、季節と関連性が強い病気のうち、インフルエンザのように、季節の移り変わりの時期や、ある季節になると多発し症状が悪化するような病気は、気象病と分けて「季節病」と呼びます。
気象病・天気痛
季節の移り変わりといったような長いスパンでなく、1日のうちの短い気象条件の変化で、ある気象状況になると症状が現れたりする病気が「気象病」です。
そして、もともと持っている神経痛、低血圧や狭心症、喘息などの病気の痛みが、気象によって悪化することを「天気痛」と呼んでいます。
たとえば、気管支喘息の発作が前線通過時に頻発することは昔からよく知られており、関節のリウマチや神経痛をもつ患者などは、自覚症状から翌日の気象の変化を予知できる人さえいるのだそうです。
避暑で標高の高い山や高原などに行くと、気圧の変化で耳がおかしくなり、ポテトチップスなどの菓子袋が気圧変化でパンパンに膨れますが、同じようなことが私たちの身体の中で起こっている、のだといいます。
気象病に悩む人々にとっては、まるで身体の悲鳴のような天気の変化による血圧の急上昇、頭痛、めまい、震え…は、まさに拷問の始まりかもしれません。もう災害のようです。
急激な気圧の変化で、こうした状況と同様に身体のなかが影響を受けて、脳血管のむくみ、とか、自律神経の乱れが起こっていると考えると、気象病・天気痛を理解しやすいでしょう。
気象医学(生気象学)の歴史は古い
ナポレオン、モーツァルト、レオナルド・ダ・ヴィンチ、コロンブスなどの多くの歴史上の人物も“気象病”に苦しんでいたそうです。
気象と健康の関係は古代から知られていました。
紀元前400年、古代ギリシアのヒポクラテス(BC460頃〜BC370頃)は天候の変化に注意するよう医者に助言し、ディオクレス(BC5世紀〜BC4世紀)は季節ごとの生活指針を示しました。古代ローマの医師ガレノス(AD129頃~AD216頃)の著作には、気候の変化と病気の関係について言及している箇所が複数見られます。
チベットやゲルマン民族も天候と痛みの関連を観察しており、思想家のゲーテは、その著作「気象研究の経験(1825年)」で、「低気圧よりも高気圧の方が仕事がはかどる」と記録しています。
※関連コラム
・ガレノス(古代ローマの医者・哲学者)の防災格言
・ゲーテの防災格言
20世紀前半の1931年、ドイツ・フランクフルト大学小児科医だったベルンハルド・デ・ルダー(1894〜1962 / Bernhardde Rudder)教授は「気象生物学の基本概要(Grundrisseiner Meteorobiologie des Menschen)」という研究を発表します。
デ・ルダー教授はこのなかで、気象変化によって誘発される疾患を「気象病(meteorotrope Krankheiten)」、特定の季節に多発する疾患を「季節病(Saisonkrankheit)」と名づけました。
1937年、気象研究所(応用気象研究室)の統計学者だった増山元三郎(1912〜2005)が日本にデ・ルダーの生気象学を紹介し、東京大学医学部らと協力し気象病と季節病の定量化の研究を行い、1942年に「気象病の研究」を発表します。
その後、1956年にパリで生気象学会(International Society of Biometeorology)が、1962年には日本生気象学会が設立されました。
気象病のメカニズムは以下のように説明されます。
気圧の変化は血管の収縮・拡張を引き起こし、脳への酸素供給が低下するそうです。
湿度や気温の急変も呼吸器や関節に影響を与えるそうで、ヒスタミンの放出によるアレルギー反応も誘発させ、そして、太陽活動や地磁気も血液粘度に影響し、循環系に負担をかけるとされています。
様々な調査で、関節リウマチ患者の痛みが気圧低下と相関することが確認され、近年の研究では、内耳が「気圧センサー」として働き、自律神経系が過剰反応することで症状が悪化する、ともいいます。
なお、こうした天気痛は病名ではないため、医者の診断は主に基礎疾患についての評価からとなるそうです。
気象痛にかかりやすい人
そして、以下のような人々が特に影響を受けやすいそうです。
- ・ 心血管疾患、動脈硬化、呼吸器疾患、神経障害のある人
- ・ 慢性疾患や過去の外傷を持つ人
- ・ 高齢者、ストレス過多、運動不足の人
ある推計では、世界人口の約35%が気象に敏感で、心疾患患者では70%に達するともされているようです。
天気痛の症状は人によって異なりますが、主に頭痛、めまい、動悸、関節の痛み、イライラや疲れなどが見られ、これらは脳や心臓、神経、関節などの働きに関係しているとされます。
症状の重さもさまざまで、軽い場合は気分が落ち込む程度ですが、ひどくなると片頭痛や脳卒中のリスクが高まることもあるといいます。特に台風などの激しい天候のときには、心臓発作が起こる人が増えることが知られているそうです。
また、こうした天候の変化による無気力、否定的思考、攻撃性が現れるといった精神的な影響は「メテオニューロシス」とも呼ばれており、場合によっては心理的ケアも重要なのだそうです。
予防のための生活習慣
天気痛を防ぐには、毎日の生活を少し工夫することが大切、とのことです。
たとえば、軽い体操や運動をしたり、夜はしっかり眠ったり、水をこまめに飲むようにするとかで、食事は野菜や魚など、体にやさしく栄養も考えるといいのかもしれません。
一般的な健康生活と変わりません。
そして、天気が悪い日は、無理せず家でゆっくり過ごし、身体を冷やさないように気をつけ、また、手や首、耳などをやさしくマッサージするのも効果的とのことです。
要は、血のめぐりをよくし、体の調子を整える訳ですね。
低気圧が近づき、空が急に暗くなってきたとき、気象病の人の体は静かに反応します。科学の世界でもまだ議論が続いているようですが、一つ確かなことは、私たちの体が天気の変化を感じ取る、とても繊細なセンサーだということです。
人間も、自然現象のなかの一つのピースなのかもしれません。
私も神経痛(頚椎症)持ちなので、今の時期、毎日がしんどいです。冬まで頑張りましょう!
《 執筆者 》
SEI SHOP(セイショップ)総合プロデューサー
平井敬也(ひらいひろや)
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