おはようございます。
本日で、2011年3月11日の東日本大震災(M9.1)と福島第一原発事故から 14年(5254日)です。
2024年1月1日の令和6年能登半島地震(M7.6)から1年7ヶ月(574日)です。
平成7年(1995年)1月17日の阪神・淡路大震災(死者6,437人、重軽傷者43,792人)から 30年 です。
また、史上初の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表されてから来週8月8日で 1年 です。
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★セイショップの夏季休業のお知らせ★
2025年8月9日(土)〜2025年8月17日(日)
上記期間中は、ご注文商品の配送、及び、お問い合わせ対応など全ての業務を休止いたします。
業務再開は2025年8月18日(月)午前10時からとなります。
今年は少し長めの盆休みとなりますので、商品をお求めの方は、お早めのご注文をおススメします。
詳細は⇒https://www.seishop.jp/blog/2025summer/
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蒸し暑く、危険な暑さが続きます。
俳句の夏の季語に「油照り(あぶらでり)」とあります。
風が無く、日差しがじりじりと照りつけ、カラリと晴れた「炎天」と異なり、湿度が高く蒸し焼きのような夏の暑さを言います。
油照りは、熱中症のリスクが非常に高い状況でもあり、身体に響きだいぶん“しんどい夏の暑さ”のようです。
《 大船を 引きすゑてある 油照 》富安風生(1885〜1979)
《 底ぬけの 大青空の 油照り 》村山古郷(1909〜1986)
《 油照 逃げ場なきこと 空気にも 》宮津昭彦(1929〜2011)
※関連コラム
富士山と火山ガスのお話 > 炎天(2024.07.01)
さて…暦の「大暑」を迎えた7月22日(火曜日)。
全国に914ある気象観測地点のうち、237地点で35℃以上の猛暑日が、30℃以上の真夏日地点も839地点で観測されました。
猛暑日を含めても全体の約92%が真夏日という、日本全国が極端な高温分布となりました。
全国的な猛暑は、複数の気象要因が重なった結果です。
日本上空には太平洋高気圧とチベット高気圧が重なる「ダブル高気圧」が形成され、暖気が滞留しやすくなり、さらに、北日本の太平洋沖の海面水温が平年より高く、偏西風も北寄りに流れて冷気が南下しにくい状況といいます。
加えて、西日本や東海での梅雨明けが異例に早かったことから、晴天続きによって地表が乾燥し、日射による地面の加熱が強まっているといった複合的な作用も記録的猛暑に関係しているのだそうです。
北海道のような本来涼しい地域でも猛暑日が続出しており、まさに“全国的な災害級の暑さ”で、気象庁では熱中症への警戒を呼びかけています。
とくに、テレビ報道によると、エアコン(クーラー)保有率の全国平均が9割に達する一方で、北海道では6割弱にとどまっているため、暑さへの備えが十分でない家庭も多く、熱中症リスクの高まりが懸念されています。
東京よりも暑い“西日本”のお話
ヒートアイランド現象の影響により、人口密度の高い東京では特に気温が上昇しやすい…などという論調もあるようですが、気象統計を調べると、東京は、京都や大阪、岡山などの西日本の暑さにはとてもかなわないようです。
気象庁の統計から、1991年から2020年までの30年間の日最高気温の平年値(平均)を調べてみると、
1年でもっとも暑い8月の東京の日最高気温の平年値は「31.3℃」で、かつて「日本一暑いまち」を標榜していた埼玉県熊谷市は「32.3℃」でした。
ところが、同じ30年間の平年値でも西日本では、京都は「33.7℃」、大阪は「33.7℃」、大分県日田「33.5℃」、岡山「33.3℃」、熊本「33.3」、佐賀「32.9」、鹿児島「32.7℃」…と軒並み東京よりもずっと高く、
西日本と東日本の境界の東海地方であっても、名古屋「33.2℃」、静岡「31.3℃」で、東京よりも暑いと言えそうです。
ちなみに、8月の北海道は、札幌「26.4℃」、北見「25.4℃」、帯広「25.4℃」、釧路「21.5℃」、根室「20.9℃」でした。
北海道は、上記のように涼しさが特徴的な地域ですから、今年(2025年)の高温は際立って異常なようです。
過去150年間でもっとも暑い北海道
先週7月23日(水曜日)、北海道北見市で、北海道内全域の観測記録上で歴代2位となる「39.0℃」が観測されました。
翌日の7月24日(木曜日)には帯広市でも38.8℃(道内歴代3位タイ記録)、佐呂間町が38.6℃(歴代7位)でした。
この日、北海道各地の18地点で、過去最高気温記録が更新されたそうです。
先週は、帯広市で最高気温40℃の予想が出るなど、北海道内では平年より10℃以上も気温が高い猛暑日が続きました。
気象庁札幌管区気象台の発表によると、今年2025年6月の北海道の月平均気温は平年差+3.4℃で、1946年の統計開始以来、6月として過去最高を記録したそうです。
とくにオホーツク海側では+4.5℃という極端な偏差が観測されており、地域別でも日本海側+2.8℃、太平洋側+3.7℃と、いずれも歴代1位の高温となっていたことが分りました。
そして、7月に入ってもこの暑さが続きました。
札幌市では、1876年9月の観測開始以来で、今年7月の平均気温が、現時点(2025年7月26日時点)で、すでに観測史上1位となる「25.8℃」(2位は2021年の23.9℃)となっており、札幌市で先週7月25日(金曜日)に観測された35.7℃は、7月としては統計史上4番目に高い気温となりました。
札幌市でも、今年(2025年)6月25日の33.1℃(6月としては観測史上2位)、
7月23日に34.9℃(7月としては観測史上9位)、
7月24日に35.3℃(7月の観測史上5位、歴代9位の日最高気温)、
7月25日に35.7℃(7月の観測史上3位、歴代6位の日最高気温)、
と記録が更新され、翌日にまた更新される毎日です。
これは、北海道の「涼しい夏」というイメージを覆すもので、昨今話題の気候変動の影響を肌で感じる象徴的な出来事のようにも思えます。
気象記録を調べると、札幌市では1876年9月の観測開始から150年間に、36℃を超えたことが、36.3℃(2023年8月23日)、36.2℃(1994年8月7日)、36.0℃(2000年7月31日)の三度しかありません。
これから1年を通して最も暑くなる8月を迎えます。心配ですね。
平年の気温に比べて10℃以上も高い今回の北海道(十勝地方)の記録的な暑さには、上空の気温が平年より高いなか、高気圧の張り出しで日高山脈から吹き下ろす「フェーン現象」が重なったことが要因だといいます。
フェーン現象とは
山を越えた風が、風下側で乾燥し、高温になる現象のことを「フェーン現象」と言い、標高の高い山岳地域では、いつでも発生する可能性のある現象だそうです。
夏だけではなく、低気圧の直撃を受ける北日本などで暴風雪が吹いて、春一番の吹く2月〜4月の春頃であっても、日本海側ではフェーン現象による記録的高温(雪崩、雪解けの洪水)や異常乾燥被害(火災)が発生しますが、日本では、とくに5月から秋にかけての発生が多く、各地で40℃を超えるような最高気温記録の多くは、このフェーン現象によるもののようです。
語源は、アルプス山脈で吹く乾燥した暖かい局地風「フェーン(ドイツ語の南風の意味)」に由来するのだそうで、この局地風は、スイスやオーストリア、フランスなどの中央ヨーロッパ地域に異常高温をもたらして農業や雪解けに影響を与えてきました。
この風を「フェーン現象」として学術的に体系化したのが、近代気象学の父とも称されるオーストリアの気象学者ユリウス・フォン・ハン(Julius von Hann / 1839〜1921)という人物です。
彼は、フェーンを「ドライフェーン(乾いたフェーン=力学的メカニズム)」と「ウェットフェーン(湿ったフェーン=熱力学的メカニズム)」の二つに分類しました。
ドライフェーンは雨を伴わず、風上側で上昇気流や降雨が発生しないため乾いた空気がそのまま山を越えて下降し、空気の断熱圧縮によって気温が上昇することで、
一方、ウェットフェーンは雨を伴う現象で、湿った空気が山の風上側で冷却されて降雨をもたらし、水分を失った乾いた空気が風下側に下降します。この際、雨の過程で放出された潜熱によって風下側の気温がさらに上昇するため、熱力学的メカニズムによる複合的な昇温が起こります。
今の台風(熱帯低気圧)の季節には、日本海を台風が北上した際の副産物としてフェーン現象がよく起きることが知られています。
南風が日本アルプスや奥羽山脈、紀伊山地など脊梁山脈(せきりょうさんみゃく)にぶつかって水分を失い乾燥し、熱波となって日本海側などに吹き降ろします。
逆に、冬には、北風が山を越えて大雪を降らせた後に、空っ風が関東平野などに吹いたりします。
代表的な事例として、2020年8月17日に浜松市で観測された41.1℃の極端な高温が挙げられ、これは太平洋側の夏季に多く見られるドライフェーンで、
2020年9月3日に新潟県三条市で40.4℃を記録したケースは、春や秋に日本海側で多く見られるウェットフェーンによるものと考えられているそうです。
フェーン現象による気温上昇の仕組み
学術的には気温上昇の仕組みがそれぞれ少し異なるものの、ドライフェーンもウェットフェーンも、基本的に気温が上昇するメカニズムは同じように思われます。
一般的に、山をのぼっていく空気はだんだんと冷えるそうで、乾燥した空気ならば、100メートル登ると1℃くらい低くなり、逆に、100メートル降りると1℃くらい高くなるといいます。
ところが海を渡って来る空気は、乾燥してばかりではなく、湿気(水蒸気)を多く含みます。
空気が冷えると、空気中の水蒸気は水や氷になりますが、このとき、水が水蒸気になるときには熱を必要とするものの、水蒸気が水になるときには逆に熱を吐き出します。
そのため、水蒸気を含む空気は、100メートル登っても0.4℃とか0.5℃くらいしか低くならず、しかも山腹を登る湿った空気は、山にぶつかって曇となり雨や雪を降らせ水分をどんどん吐き出すため、いよいよ山頂から降りる時には、その空気(風)は乾いています。
だから、100メートル降りると1℃上昇するならば、2000メートルの山々のふもとに風が降りるときには、単純計算で+20℃も気温が上昇します。風が山を上昇するときと、下降するときとでは、その温度変化に差ができるのだそうで、この差によりフェーン現象が生れる訳です。
つまり、太平洋高気圧により湿った南寄りの風が吹き込み、山脈を登る25℃の気温の風があれば、2000メートル級の山脈の頂上までに雨を降らせながら10℃下がり、頂上で15℃くらいの乾いた風となって、こんどは日本海側の麓の町へと吹き降りる頃には35℃の乾いた暑い風になっているということですね。
《 執筆者 》
SEI SHOP(セイショップ)総合プロデューサー
平井敬也(ひらいひろや)
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