災害時は水道が止まる可能性があるため、普段から保存水を用意しておく必要があります。しかし、「保存水は体に悪い」という噂を耳にして不安に感じる方もいるでしょう。実際のところ、保存水は体に悪いものではありません。
本記事では、保存水が体に悪いと言われる理由について解説します。保存水が長持ちする理由や選び方、味についても説明するため、災害への備えとして保存水の準備をお考えの方はぜひ参考にしてください。
保存水は体に悪くない

災害時にはライフラインが寸断され、水道が止まる可能性があります。生き延びるためには飲料水を確保しておく必要があるため、万が一に備えて最低3日分の水を蓄えておきましょう。生水は長期保存すると雑菌が繁殖しやすいため、災害時の備えとして水を備蓄する場合には保存水を選ぶことが重要です、
「保存水は体に悪い」という話を耳にして、保存水を飲むのに抵抗を感じる方もいるかもしれません。しかし実際のところ、保存水には体に有害な成分は含まれておらず、安心して飲めます
参照:
大事な水、どうやって備えますか?:農林水産省
「保存水は体に悪い」と言われるのはなぜ?

「保存水は体に悪い」と言われるのは、保存水に添加物が入っていると思われているからです。しかし、基本的には保存水に添加物は含まれていません。
たとえ添加物が含まれていたとしても、添加物の量が多くなければ、体に害の出るリスクは低いと言えます。「添加物=体に悪いもの」というわけではないため、気にしすぎる必要はありません。
添加物を避けたい場合には原材料名欄を確認しよう
自分や家族の健康のために、保存水は慎重に選びたいものでしょう。絶対に添加物の入った保存水を避けたい場合は、商品パッケージの「原材料名欄」を確認してください。
原材料名欄には、使用されている原材料が重量の多い順に記載されています。これを見れば、その商品に添加物が使われているかどうかを判断することが可能です。原材料名欄にナチュラルウォーターやナチュラルミネラルウォーターとの記載がある商品は、添加物を含んでいません。
添加物・保存料なしで保存水が長持ちする理由

前述したとおり、保存水は長期間保管できるからといって、特別な成分が含まれているわけではありません。保存水が長持ちするのは、容器の設計に工夫があるからです。
保存水用のペットボトルは、通常のペットボトルよりも容器が厚めに設計されています。この容器の厚みが、内部の水の蒸発を防ぎ、さらに外部からの匂い移りを防ぐ役割も果たしています。これにより、添加物や保存料を使用しなくても、長期間安全に水を保存できるのです。
水自体に長持ちするための特別な処理がされているわけではないため、開封後の品質劣化については一般的な水と同じです。一度開封した保存水は、できるだけ早く使い切ることをおすすめします。
保存水の選び方

ここからは、保存水の選び方について詳しく解説します。保存水選びに迷ったときの参考にしてください。
保存期間
災害時の備えとして必要なものは、保存水だけではありません。食料も用意し、賞味期限が切れないように定期的に買い替える必要があります。
災害時に備えて用意・管理すべきものは多く、保存水を買い替える頻度が多い場合、大きな手間となります。できるだけ手間を抑えたい場合は、保存期間の長い商品を選ぶことがおすすめです。保存水の保存期間は商品によってさまざまで、短いもので5年、長いものだと10年以上のものもあります。
なお、保存水は保存期間が過ぎても、すぐに品質が大きく劣化するわけではありません。しかし、保存期間を大幅に過ぎると、品質が低下する可能性があるため、賞味期限を過ぎないように管理しておくことが重要です。
サイズ
保存水は、主に500mlと2Lの2種類のサイズがあります。それぞれメリット・デメリットがあり、用途に合わせて選ぶのがポイントです。
|
メリット |
デメリット |
500ml |
- 緊急時に持ち運びしやすい
- 開封後すぐに飲み切れるため、衛生的
- コップがなくても飲みやすい
|
- すぐに1本飲み切ってしまうため、大量に購入する必要がある
- 2Lの商品よりも割高な傾向にある
|
2L |
|
- 重いため、持ち運びには不便
- 直接口をつけるのには適していない
|
500mlは、1人分の量として最適です。1本あたりのサイズが小さく、緊急時に持ち運びしやすいことから、1人暮らしの方や緊急時の持ち運びを想定している方に向いています。
一方、2Lは大容量であり、1人ですぐに飲み切ることは難しいでしょう。封を開けたら早く飲み切る必要があることから、家庭での備蓄に適しています。
保存水はまずい?

基本的に、保存水の味は一般的なミネラルウォーターとほとんど変わりません。もし飲みやすさを重視して保存水を選びたい場合には、硬度を確認しましょう。
硬度とは、水に溶けているカルシウムとマグネシウムの量を表した数値のことです。硬度が低いほど、まろやかで飲みやすく、災害時にもストレスなく飲めます。
世界保健機関(WHO)では、硬度60mg/L未満を軟水、60〜120mg/Lを中硬水、120~180 mg/Lを硬水、180 mg/L以上を超硬水と定義しています。飲みやすい保存水を選ぶ際は、軟水または中硬水のものがおすすめです。
参照:
世界保健機関(WHO)※12ページ目
まとめ
保存水が体に悪いという誤解は、「長期保存のために添加物が使用されているのでは?」という懸念から生まれています。しかし実際には、保存水の長期保存を可能にしているのは、容器の特殊設計です。基本的に添加物を含んでおらず、たとえ添加物があったとしても、膨大な量でなければ体に害はありません。
このように、保存水が体に悪いということは誤解です。災害時は水道が止まる可能性があるため、まだ保存水を用意していない場合には、これを機に保存水を蓄えておきましょう。
保存水は、ホームセンターや防災用品専門店、スーパーマーケットなど、身近な店舗で購入できます。また、セイショップのオンラインストアでもお取り扱いしておりますので、ご自宅で手軽に保存水を準備したい方は、ぜひご利用ください。