本記事では、非常食をローリングストックで効率的に管理するためのポイントを解説します。また、具体的な備蓄品リストや非常食の選び方についても紹介するので、これから非常食の準備を始める方や、管理方法でお悩みの方はぜひ参考にしてください。
ローリングストックとは

備蓄している食品や生活用品を日常的に使用しながら補充することで、賞味期限切れや使用期限切れによる無駄を防げます。また、日頃から慣れ親しんだ食品を備蓄として活用できるため、災害時の食事に伴うストレスも軽減できる点もメリットです。
参考:農林水産省
非常食をローリングストックで管理する際のポイント

- 賞味期限が見えるように収納する
- 新しいものは奥に収納する
- 家族で管理ルールを共有する
賞味期限が見えるように収納する
非常食を使用する際、一つひとつ手に取って賞味期限を確認するのは手間のかかる作業です。しかし、この確認作業を怠ると、気がついたときには賞味期限が切れているという事態を招きかねません。そこでおすすめなのが、賞味期限が一目でわかるような収納方法です。商品名ではなく賞味期限を手前に向けて配置することで、いつ消費すべきかが把握しやすくなり、効率的に管理できます。
ただし、パッケージによっては賞味期限が見えにくい商品もあります。その場合は、油性ペンで直接書き込んだり、マスキングテープに賞味期限を記入して貼ったりするなどの工夫がおすすめです。また、賞味期限の近い商品をまとめて箱に入れ、箱単位で管理するのもよいでしょう。
新しいものは奥に収納する
賞味期限を考慮せずに収納してしまうと、手前にある新しい商品から使用してしまい、奥に置いてある古い商品が残されて賞味期限切れになってしまうことがあります。そのため、新しく購入した商品は奥に収納し、賞味期限の近いものを手前に配置するようにしましょう。このような収納の工夫により、自然と古いものから順番に使用できて、賞味期限切れを効果的に防げます。
家族で管理ルールを共有する
ローリングストックを効果的に実践するには、家族全員での協力が欠かせません。家族間で管理ルールが共有されていないと、新しい商品から使用されたり、使用分の補充が行われなかったりして、適切に非常食を管理できない可能性があります。そこで、以下のような基本的なルールを家族で共有しておくことがおすすめです。
- 手前に置いてある商品から順番に使用する
- 商品を使用したら、買い物リストに記入する
- あらかじめ決めた適正量を超えて備蓄しない
ローリングストックで管理する備蓄品リスト

農林水産省が発行している「災害時に備えた食品ストックガイド」では、大人2人世帯を想定した1週間分の備蓄例が紹介されています。
1週間分の備蓄量(大人2人の場合) | |
水 | 2L×6本×4箱 |
カセットコンロ・カセットボンベ | 12本 |
米 | 2kg×2袋 |
カップ麺類 | 6個 |
乾麺 | そうめん2袋(300g/袋)、パスタ2袋(600g/袋) |
パックご飯 | 6個 |
そのほかの主食 | LL牛乳、シリアルなどを適量 |
レトルト食品 | 牛丼の素・カレー等18個、パスタソース6個 |
缶詰 | 肉・魚などお好みのもの18缶 |
日持ちする野菜 | たまねぎ、じゃがいもなど適量 |
乾物類 | 梅干し、のり、乾燥わかめなど適量 |
ジュース | 野菜ジュース、果物ジュースなど適量 |
調味料 | 砂糖、塩、しょうゆ、めんつゆなど適量 |
汁物の素 | インスタントみそ汁や即席スープ適量 |
非常食の選び方

これらの問題を防ぐために、ここでは非常食を選ぶ際の重要なポイントを紹介します。
調理工程の少ないものを選ぶ
災害時は電気・水道・ガスなどのライフラインが停止する可能性が高く、普段のような調理ができなくなることがあります。そのため、できるだけ調理の手間が少ない食品を選んでおくことが重要です。調理工程が簡単な非常食には、以下のようなものが挙げられます。
- 温めなくても食べられるパックご飯
- 開封してすぐ食べられる缶詰
- 温めなくても食べられるレトルト商品
- 水を注ぐだけで食べられフリーズドライ食品
家族の好みに応じて選ぶ
災害時は精神的に不安定になりやすい状況です。そのようなとき、普段から慣れ親しんでいる味の非常食があれば、心の安定につながります。一方、家族の好みに合わない非常食を備蓄していると、食べることに強いストレスを感じてしまうでしょう。特に子どもの場合は、普段食べ慣れていないものを災害時に受け入れることは一層難しくなります。そのため、日頃から家族が食べているもので、保存の効く食品を選んで備蓄することがおすすめです。
栄養バランスのよいものを選ぶ
災害時は食事が偏りがちになり、特に野菜類が不足しやすくなります。その結果、ビタミンやミネラル、食物繊維などの摂取が不足し、体調を崩したり、免疫力が低下したりすることがあります。そのため、非常食を備蓄する際は栄養バランスにも配慮が必要です。不足しがちな栄養素を補うため、野菜ジュースや栄養補助食品を用意しておくとよいでしょう。また、果物の缶詰やドライフルーツは、ビタミン補給だけでなくストレス解消にもなるため、備蓄しておくことをおすすめします。
後始末のしやすいものを選ぶ
災害時は断水することもあり、水は非常に貴重な資源となります。洗い物が多く発生する非常食を選んでしまうと、飲料水や生活用の水が不足する可能性があるため、後始末であまり水を使用しない食品を選ぶことが重要です。また、ゴミの処理が普段のようにはいかないこともあるため、簡単に後始末を行えるものを選びましょう。後始末が簡単な非常食を選ぶ際のポイントは、食器を使わずに直接食べられることと、食べた後の容器がコンパクトに潰せることです。これらに配慮して選ぶことで、災害時にも後片付けの手間を最小限に抑えられます。
まとめ

ローリングストックを効果的に実践するには、新しい商品は奥に配置し、賞味期限が見えるように収納することがポイントです。また、非常食は家族みんなで利用するものであるため、管理のルールは家族全員で共有しておきましょう。
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