本記事では、非常食をローリングストックで効率的に管理するためのポイントを解説します。また、具体的な備蓄品リストや非常食の選び方についても紹介するので、これから非常食の準備を始める方や、管理方法でお悩みの方はぜひ参考にしてください。
ローリングストックとは
ローリングストックとは、日常的に使用する食品や生活用品を少し多めに購入し、古いものから順に使いながら、使った分を補充していく備蓄方法(循環備蓄とも呼ぶ)です。「ローリング(回転)」と「ストック(備蓄)」を組み合わせた言葉で、計画的な消費と補充により、常に一定量の備蓄量を保ちます。
備蓄している食品や生活用品を日常的に使用しながら補充することで、賞味期限切れや使用期限切れによる無駄を防げます。また、日頃から慣れ親しんだ食品を備蓄として活用できるため、災害時の食事に伴うストレスも軽減できる点もメリットです。
参考:農林水産省
ローリングストックで管理する備蓄食品リスト
災害発生時、ライフラインの復旧には時間がかかることがあり、1週間以上を要するケースも少なくありません。そのため、非常食の備蓄は最低でも3日分、可能であれば1週間分を目安に、家族の人数分を用意しておくことが推奨されています。
農林水産省が発行している「災害時に備えた食品ストックガイド」では、大人2人世帯を想定した1週間分の備蓄例が紹介されています。
災害発生時、ライフラインの復旧には時間がかかることがあり、1週間以上を要するケースも少なくありません。そのため、非常食の備蓄は最低でも3日分、可能であれば1週間分を目安に、家族の人数分を用意しておくことが推奨されています。
農林水産省が発行している「災害時に備えた食品ストックガイド」では、大人2人世帯を想定した1週間分の備蓄例が紹介されています。
| カテゴリー | 食品等 | 1週間分の備蓄量(大人2人の場合) |
| 必需品 | 備蓄水 | 2L×6本×4箱 |
| カセットコンロ・カセットボンベ | 12本 | |
| 主食 | 米 | 2kg×2袋 |
| カップ麺類 | 6個 | |
| 乾麺 | そうめん2袋(300g/袋)、パスタ2袋(600g/袋) | |
| パックご飯 | 6個 | |
| そのほかの主食 | LL牛乳、シリアルなどを適量 | |
| 主菜 | レトルト食品 | 牛丼の素・カレー等18個、パスタソース6個 |
| 缶詰 | 肉・魚などお好みのもの18缶 | |
| 副菜・その他 | 日持ちする野菜 | たまねぎ、じゃがいもなど適量 |
| 乾物類 | 梅干し、のり、乾燥わかめなど適量 | |
| ジュース | 野菜ジュース、果物ジュースなど適量 | |
| 調味料 | 砂糖、塩、しょうゆ、めんつゆなど適量 | |
| 汁物の素 | インスタントみそ汁や即席スープ適量 | |
| 菓子類 | チョコレート、ビスケットなど適量 |
災害時の備蓄というと、食品や飲料水ばかりに意識が向きがちですが、それらを安全に食べるための「調理手段」の確保も非常に重要です。特に、電気やガスが使えない状況では、カセットコンロとカセットボンベが大きな役割を果たします。
表にある通り、大人2人が1週間生活する場合、カセットボンベは12本程度の備蓄が目安とされています。これは1日に2回程度、温かい食事やお湯を沸かす場面を想定した量です。例えば、レトルト食品を温めたり、乾麺をゆでたり、インスタントみそ汁を作ったりするには、熱源が必要不可欠です。
また、カセットボンベは安全な場所に保管し、使用期限にも注意することが大切です。
定期的に在庫を確認し、使った分を買い足していく「ローリングストック」の仕組みを取り入れることで、ムリなく備蓄を維持することができます。
備蓄水
災害時には、断水やライフラインの停止により、飲料水や調理用の水が確保できなくなる可能性があります。そのため日常的に水を備蓄し、消費しながら補充していくローリングストックでの備えが有効です。ローリングストック法であれば常に新鮮な水を確保しつつ、災害時にも必要な量を備えておくことができます。
一般的に、1人あたり1日3リットルの水が必要とされています。これは飲料用だけでなく、調理や衛生用途も含めた量です。
【大人2人の場合(1週間分)】
| 用途 | 数量の目安 | 備考 |
| 飲料・調理用水 | 2L×6本×4箱(計48L) | 1日1人3L×7日分×2人(計42L/週) |
| 生活用水(予備) | バケツ・タンクなどで別途確保 | トイレ・洗顔などに使用可能 |
【大人2人・子ども2人の場合(1週間分)】
| 用途 | 数量の目安 | 備考 |
| 飲料・調理用水 | 2L×6本×6箱(計72L) | 子ども1人2L/日として計算(計70L/週) |
| 生活用水(予備) | ポリタンク・浴槽などに貯水 | 停電・断水時の対策として重要 |
備蓄した水は、定期的に消費し、新しいものと入れ替えることで、常に新鮮な状態を保つことができます。また、長期保存が可能な水や、ウォーターサーバーの利用も検討すると良いでしょう。
参考:今日からできる食品備蓄。ローリングストックの始め方 | 政府広報オンライン
主食
災害時には食欲が落ちることもありますが、体力を保つためにはエネルギーをしっかり摂ることが大切です。炊飯や調理が難しい状況も想定し、温めなくても食べられる主食や、普段の食事に近い味・食感のものを備えておくと安心です。主食は、ご飯・パン・麺類など、高エネルギーで腹持ちの良い食品を中心に選びましょう。普段食べ慣れているものを備えることで、非常時のストレスを軽減できます。また、カセットコンロやお湯がなくても食べられるものを一部混ぜておくと、停電時でも安心です。
主食の備蓄には、調理方法、保存期間、子どもが食べられる味かなどを意識し、数種類を組み合わせて備えることがポイントです。
【大人2人の場合(1週間分)】
| 種類 | 数量の目安 | 補足ポイント |
| 精米(米) | 2kg × 2袋(炊飯可能時用) | ガス・水の備えとセットで準備 |
| パックご飯 | 6個 | 電子レンジ不要のタイプがおすすめ |
| カップ麺 | 6個 | 少量の水・熱源があれば調理可 |
| 乾麺(そうめん・パスタ) | そうめん2袋(300g)、パスタ2袋(600g) | 日持ちし、調味料と組み合わせやすい |
| シリアル・パンなど | 適量(朝食用やおやつにも) | 子どもも食べやすい備えとして有効 |
【大人2人・子ども2人の場合(1週間分)】
| 種類 | 数量の目安 | 補足ポイント |
| 精米(米) | 2kg × 3袋(約42杯分) | 家族全体の基本の主食に |
| パックご飯 | 10個以上 | 子どもにも分けやすく便利 |
| カップ麺 | 8〜10個 | キッズサイズやうす味タイプも |
| 乾麺 | 各3袋以上 | 少量から作れるので便利 |
| シリアル・パン等 | 多めに(保存期間の長いもの) | 朝食や間食にも重宝 |
子どもは大人の7割程度の食事量を目安に、主食の種類を増やして飽きにくい工夫をするのがおすすめです。
参考:今日からできる食品備蓄。ローリングストックの始め方 | 政府広報オンライン
主菜
災害時の食事は必要最低限と思われがちですが、たんぱく質や脂質、ビタミン類などの栄養を補う主菜は、体力の維持や免疫力の低下防止に欠かせません。特に被災時には、心身の健康を維持するため、より意識的に備える必要があります。肉や魚の入ったレトルト食品や缶詰は、加熱しなくても食べられるものも多く、非常時でも満足感のある食事がとれます。子どもや高齢者がいる家庭では、食べ慣れた味ややわらかさも意識した備えが重要です。バリエーション豊かな主菜をストックすることで、食事の飽きやストレスも軽減できます。
【大人2人の場合(1週間分)】
| 種類 | 数量の目安 | 備考 |
| レトルト食品 | 18個(牛丼・カレー・煮込み系など) | 温め不要のものも選ぶと便利 |
| パスタソース | 6個 | 乾麺と組み合わせて主食+主菜に |
| 缶詰 | 18缶(さば・ツナ・焼き鳥・豆など) | 開けるだけで食べられるものを中心に |
【大人2人・子ども2人の場合(1週間分)】
| 種類 | 数量の目安 | 備考 |
| レトルト食品 | 25個以上 | 子ども用にやさしい味も混ぜる |
| パスタソース | 8個以上 | 洋風味で子どもも食べやすい |
| 缶詰 | 24缶以上(肉・魚・野菜・豆類など) | 骨まで食べられる魚缶などもおすすめ |
参考:今日からできる食品備蓄。ローリングストックの始め方 | 政府広報オンライン
副菜・その他
主食・主菜だけでなく、副菜やおやつ・汁物・調味料などの食事の脇役も重要な備えです。栄養バランスを補うのはもちろん、災害時の食生活に彩りや満足感、心の安定をもたらしてくれます。特に野菜の摂取不足や味の単調さは、ストレスや体調不良の原因にもなり得ます。日持ちのする副菜素材やスープ類、好きなおやつを加えて、食事に楽しさや癒しをプラスしましょう。
【大人2人の場合(1週間分)】
| 種類 | 数量の目安 | 備考 |
| 野菜 (常温保存可) | たまねぎ・じゃがいもなど適量 | 根菜類は保存性が高く便利 |
| 乾物類 | 梅干し、のり、乾燥わかめなど適量 | 調味や汁物の具材にも活用可能 |
| インスタントスープ | みそ汁・ポタージュなど10食以上 | 湯を注ぐだけで簡単に用意できる |
| 菓子類 | チョコレート、ビスケットなど適量 | 気分転換・糖分補給に効果的 |
| 調味料 | 砂糖、塩、しょうゆ、めんつゆなど基本調味料 | 少量ずつでも各種揃えておくと◎ |
| 飲料類 | 野菜ジュース・果物ジュースなど適量 | 栄養補給と水分確保を兼ねる |
【大人2人・子ども2人の場合(1週間分)】
| 種類 | 数量の目安 | 備考 |
| 野菜(保存可) | じゃがいも・にんじん・玉ねぎを多めに | 子ども用スープなどに活用できる |
| 乾物類 | わかめ・切り干し大根・ひじきなど適量 | 食物繊維の補給にも有効 |
| インスタントスープ | 20食以上(子どもが飲める味を選ぶ) | お湯で手軽に栄養が取れる |
| 菓子類 | 子どもが好むおやつを含めて多めに用意 | ストレス軽減・エネルギー補給に◎ |
| 調味料 | 普段使いの調味料をセットでローリング | 料理の幅が広がる |
| 飲料類 | 野菜・果実ミックスジュースなど1日1本目安 | ビタミン補給と水分補給を両立 |
参考:今日からできる食品備蓄。ローリングストックの始め方 | 政府広報オンライン
備蓄する非常食の選び方のポイント
非常食は「とりあえず買っておくもの」ではなく、実際に食べられる・続けられることが大切です。以下の点を意識して選ぶことで、災害時にも安心して食事をとることができます。
- 自分や家族にとって馴染みのある“おいしい味”であること
- 栄養をバランスよく摂れるか
- 長期間の保存が可能か
- コストパフォーマンスが良いか
- 調理方法は簡単か
- 食後のゴミを増やさないか
非常食を選ぶときは、いつもの味に近くて美味しいものを選ぶのがポイントです。災害時の不安な中でも、慣れた味があるとホッとできます。ごはんだけでなく、おかずやスープもそろえて、栄養バランスも意識しましょう。
長く保存できるものなら、頻繁に入れ替える手間が省けて便利です。ローリングストックで日々買い換えるのであれば、値段と内容が見合っているかもチェックしたいところでしょう。
お湯や水だけで簡単に食べられると、非常時にも安心です。さらに、ゴミが少ない包装のものを選べば、後片付けの手間も軽くなります。日常にも取り入れやすい食品を選ぶことで、無理なく備えることができます。
非常食選びは、長く保存できるかだけではなく、自分たちの生活に馴染むかどうかが重要です。食べ慣れた味、栄養のバランス、調理のしやすさなどを意識することで、災害時にも普段に近い食事ができる安心感につながります。
関連記事:コスパ最強の非常食おすすめ12品をランキング形式で紹介!おいしい&コスパが良い商品は?
非常食をローリングストックで管理する際のポイント
ここでは、非常食をローリングストックで管理する際のポイントについて説明します。- 賞味期限が見えるように収納する
- 新しいものは奥に収納する
- 家族で管理ルールを共有する
賞味期限が見えるように収納する
非常食を使用する際、一つひとつ手に取って賞味期限を確認するのは手間のかかる作業です。しかし、この確認作業を怠ると、気がついたときには賞味期限が切れているという事態を招きかねません。そこでおすすめなのが、賞味期限が一目でわかるような収納方法です。商品名ではなく賞味期限を手前に向けて配置することで、いつ消費すべきかが把握しやすくなり、効率的に管理できます。
ただし、パッケージによっては賞味期限が見えにくい商品もあります。その場合は、油性ペンで直接書き込んだり、マスキングテープに賞味期限を記入して貼ったりするなどの工夫がおすすめです。また、賞味期限の近い商品をまとめて箱に入れ、箱単位で管理するのもよいでしょう。
新しいものは奥に収納する
賞味期限を考慮せずに収納してしまうと、手前にある新しい商品から使用してしまい、奥に置いてある古い商品が残されて賞味期限切れになってしまうことがあります。そのため、新しく購入した商品は奥に収納し、賞味期限の近いものを手前に配置するようにしましょう。このような収納の工夫により、自然と古いものから順番に使用できて、賞味期限切れを効果的に防げます。
家族で管理ルールを共有する
ローリングストックを効果的に実践するには、家族全員での協力が欠かせません。家族間で管理ルールが共有されていないと、新しい商品から使用されたり、使用分の補充が行われなかったりして、適切に非常食を管理できない可能性があります。そこで、以下のような基本的なルールを家族で共有しておくことがおすすめです。
- 手前に置いてある商品から順番に使用する
- 商品を使用したら、買い物リストに記入する
- あらかじめ決めた適正量を超えて備蓄しない
ローリングストックを継続するためのコツ
災害に備えるうえで、日常生活の中で備蓄を循環させるローリングストックはとても有効な方法です。しかし、「始めてみたけれど続かなかった」「いつの間にかやめてしまった」といった声も少なくありません。続かない理由としては、管理が面倒に感じる、賞味期限を把握しづらい、好みに合わない食品を選んでしまったなどが挙げられます。
以下のような工夫を取り入れることで、ローリングストックを無理なく続けやすくなります。
- まずは少量から始める
- 好みの食品を選ぶ
- 手軽に買える食品を選ぶ
- 管理アプリを活用する
- 収納スペースを作る
ローリングストックは、最初から完璧を目指すより、少量から気軽に始めるのがコツです。家族が普段から好んで食べる食品を選べば自然と消費でき、買い足しも苦になりません。スーパーなどで手軽に買える食品なら補充もしやすくなります。賞味期限や在庫管理にはアプリを活用すると便利です。また、専用の収納スペースを確保しておくと、管理がぐっと楽になります。
スーパーで買えるおすすめの非常食について詳しく知りたい方は以下を参考にしてください。
関連記事:スーパーで揃えるおすすめの非常食|選び方のポイントとローリングストックについて
まとめ
多くの非常食を備蓄する場合、賞味期限の管理には手間がかかります。そこでおすすめなのが、ローリングストックによる管理方法です。古いものから順に使用しながら補充することで、賞味期限切れを防ぎつつ、効率的な非常食の管理が可能になります。
ローリングストックを効果的に実践するには、新しい商品は奥に配置し、賞味期限が見えるように収納することがポイントです。また、非常食は家族みんなで利用するものであるため、管理のルールは家族全員で共有しておきましょう。
セイショップのオンラインストアでは、豊富な種類の非常食を取り揃えています。これから非常食の備蓄を始める方は、ぜひご活用ください。
関連記事:食料備蓄を改めて考える ~ ローリングストック法ってなんだろう?

◆監修者
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