サバイバルフーズ販売45年 非常食・防災グッズ・防災の専門店|おかげさまでサバイバルフーズは発売から45周年

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災害は、私たちの社会や暮らしを一瞬で破壊し、その後も長期にわたって深刻な影響を残します。しかし、大規模な自然災害後の復興プロセスについて、多角的な視点から長期影響を体系的に評価した研究は決して多いとは言えません。
このリストは、阪神・淡路大震災、東日本大震災、カンタベリー地震などを対象に、災害後の復興課題を多面的に分析した21編の学術論文・報告書を取り上げ、その概要を分かりやすく整理して紹介するものです。災害が社会に残す長期影響を理解し、今後の防災・減災に生かすための基礎資料とします。


論文タイトル:大規模災害の長期的な社会経済的影響:阪神・淡路大震災(1995年)(原文:The Long-Run Socio-Economic Consequences of a Large Disaster:The 1995 earthquake in Kobe )

著者名 William DUPONT IV(Colby College) / Ilan NOY(Victoria University of Wellington) / 奥山陽子(イェール大学) / 澤田康幸(RIETI=独立行政法人経済産業研究所)
掲載誌名 RIETI(独立行政法人経済産業研究所) Discussion Paper Series 15-E-035, 2015年3月
詳細ページ https://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/15030020.html
PDF直リンク https://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/15e035.pdf

この論文は、合成コントロール手法を用い、阪神・淡路大震災(1995年1月17日)が、神戸市とその周辺地域の所得や人口に与えた影響を15年以上にわたり定量分析しています。 地震から15年が経過しても、神戸市の所得水準と人口規模は震災がなかった場合の推計値(反実仮想)を大幅に下回ったまま(神戸市の所得と人口は震災後に有意かつ恒久的に減少)であり、震災が「永続的な負の影響(permanent negative effect)」をもたらしたと考察し、こうした長期的なコストは通常の政策評価で見落とされがちであり、投資不足や復興プロセスでの油断を招くと警鐘を鳴らしています。


論文タイトル:東日本大震災後の避難生活に伴う食事摂取の不足:福島県「県民健康調査」(原文:Evacuation after the Great East Japan Earthquake was associated with poor dietary intake : the Fukushima Health Management Survey )

著者名 章雯(福島県立医科大学医学部)、大平哲也(福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター)、阿部正文(福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター)、神谷研二(広島大学原爆放射線医科学研究所)、山下俊一(長崎大学原爆後障害医療研究所)、安村誠司(福島県立医科大学医学部)、大津留晶(福島県立医科大学医学部)、前田正治(福島県立医科大学医学部)、針金まゆみ(福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター)、堀越直子(福島県立医科大学医学部)、鈴木友理子(国立精神・神経医療研究センター)、矢部博興(福島県立医科大学医学部)、結城美智子(福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター)、永井雅人(福島県立医科大学医学部)、高橋秀人(福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター)、中野裕紀(福島県立医科大学医学部)
掲載誌名 Journal of Epidemiology. 2017 Jan;27(1):P.14-23.
詳細ページ https://fhms.jp/publication/detail/45.html

避難者の住居環境と、果物・野菜・肉などの食品群の摂取頻度との関連を分析しています。
「自宅外」での不自由な生活が長期間の栄養バランスの崩れを招き、それが肥満などの健康問題として長期的に現れるリスクを指摘しています。不自由な調理環境が健康的な食事を妨げ、長期的な健康維持の大きな障害になると解説しています。


論文タイトル:2011年東日本大震災から9年:被災高齢者における住居喪失と健康・幸福感との長期的な関連性(原文:Long-Term Associations between Disaster-Related Home Loss and Health and Well-Being of Older Survivors: Nine Years after the 2011 Great East Japan Earthquake and Tsunami )

著者名 Koichiro Shiba(ハーバード大学公衆衛生大学院) / Hiroyuki Hikichi / Sakurako S Okuzono / Tyler J VanderWeele / Mariana Arcaya / Adel Daoud / Richard G Cowden / Aki Yazawa / David T Zhu / Jun Aida / Katsunori Kondo / Ichiro Kawachi
掲載誌名 Environ Health Perspect. 2022 Jul ; 130(7):77001, 2022年7月
詳細ページ https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35776697/
PDF直リンク https://dspace.mit.edu/bitstream/handle/1721.1/155837/shiba-et-al-2022-long-term-associations-between-disaster-related-home-loss-and-health-and-well-being-of-older-survivors.pdf

論文では、東日本大震災(2011年)の高齢生存者を9年間追跡し、住宅喪失と34の健康指標との関連を分析しています。
住宅喪失は震災から9年が経過しても、持続的なメンタルヘルスの問題(PTSS、絶望感)や認知的なソーシャルキャピタルの欠如、と一貫して関連していると述べられています。また、健康問題については、高齢者は慢性疾患や加齢による機能低下により回復能力が阻害されるため影響がより長期化しやすい、と考察されています。


論文タイトル:2011年の東日本大震災後の住宅移動の形態と健康に関する6年の追跡調査(原文:Six-year follow-up study of residential displacement and health outcomes following the 2011 Japan Earthquake and Tsunami )

著者名 Hiroyuki Hikichi(北里大学医学部公衆衛生学講座) / Jun Aida / Katsunori Kondo / Ichiro Kawachi
掲載誌名 PNAS(米国科学アカデミー)2021 Vol.118 No.2 e2014226118, 2020年11月
詳細ページ https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2014226118

住宅再建の形態(集団移転か個別移転か)が、震災後約6年間の高齢者の健康状態にどう影響したかを調査しています。
災害の影響は「遷延(lingering)」するものであり、特に個別移転者は震災から5年半後においても、手段的日常生活動作(IADL)の低下や認知障害リスクの増大といった「持続的な悪影響」を受け続けていることが明らかとなりました。


論文タイトル:東日本大震災後のプレハブ仮設住宅への居住期間と心理的苦痛に関する縦断研究(原文:Period of residence in prefabricated temporary housing and psychological distress after the Great East Japan Earthquake: a longitudinal study )

著者名 Fumiya Tanji(東北大学大学院医学系研究科) / Yasutake Tomata / Takuya Sekiguchi / Ichiro Tsuji
掲載誌名 BMJ Open(英国British Medical Journal) , 8(5), e018211, 2018年
詳細ページ https://bmjopen.bmj.com/content/8/5/e018211

プレハブ仮設住宅への居住期間と精神的苦痛(K6スコア)の関連を、震災5年後まで縦断的に調査しています。
本来は原則2年以内とされる仮設住宅への居住が、恒久住宅の整備の遅れによって4年以上に及んでいる実態を指摘しています。4年を超える長期居住は精神的な苦痛を悪化させるだけでなく、既存の苦痛の改善を妨げる(長期化させる)要因になっていると考察しています。


論文タイトル:東日本大震災後の住宅タイプと被災高齢者における運動機能障害:前向きな観察研究(原文:Housing type after the Great East Japan Earthquake and loss of motor function in elderly victims: a prospective observational study )

著者名 Kumiko Ito(北海道大学大学院保健学研究科) / Yasutake Tomata / Mana Kogure / Yumi Sugawara / Takashi Watanabe / Tadayoshi Asaka / Ichiro Tsuji
掲載誌名 BMJ Open(英国British Medical Journal) , 6(11), e012760, 2016年
詳細ページ https://bmjopen.bmj.com/content/6/11/e012760

震災後1年間の高齢者の移動先住宅タイプと運動機能喪失の関連を調査しています。
機能障害の増加は怪我などの急性期要因だけでなく、避難生活という「慢性的な要因」に左右されると述べてられています。知人の少ない環境に移動することが外出を控えさせ、筋力低下を招き、それがさらに外出を困難にするという「長期的な負の悪循環」が運動機能を低下させ続ける原因と考察されています。


論文タイトル:東日本大震災の被災者の社会参加と健康に仮設住宅タイプは影響を及ぼすか?横断研究(原文:Does the Type of Temporary Housing Make a Difference in Social Participation and Health for Evacuees of the Great East Japan Earthquake and Tsunami? A Cross-Sectional Study )

著者名 Taro Kusama(東北大学大学院歯学研究科) / Jun Aida / Kemmyo Sugiyama / Yusuke Matsuyama / Shihoko Koyama / Yukihiro Sato / Takafumi Yamamoto / Ayaka Igarashi / Toru Tsuboya / Ken Osaka
掲載誌名 日本疫学会 Journal of Epidemiology, 29(10), 392–399, 2019年
詳細ページ https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6737186/

「プレハブ仮設」と「みなし仮設(賃貸)」の居住者の社会参加の機会と健康度を比較しています。
強制的な移住は、短期的のみならず、長期的にも身体的・精神的健康を悪化させると指摘するとともに、震災そのものの直接的な被害とは別に、居住環境の変化が健康状態を数年にわたって悪化させ続けるプロセスを解説しています。


論文タイトル:東日本大震災後の避難生活と健康影響

著者名 浅井惇志・高木伸也・松田美奈(名古屋市立大学経済学部公共政策学科)、内田真輔(名古屋市立大学大学院経済学研究科)
掲載誌名 オイコノミカ 第58 巻 第2号,2024年,p.81-93
詳細ページ https://www.nstac.go.jp/sys/files/sites/3/static/statcompe/files/2022/2022U5-shorei-02.pdf
https://ncu.repo.nii.ac.jp/record/2000339/files/B41-20240331-81.pdf

東日本大震災(2011年)の発生から10年以上が経過し、震災を端緒とする避難生活が健康に与える長期影響について検証するため、日本全域のデータを用い、避難者の存在が入院・外来患者数に与えた影響を定量化しています。
避難者の健康へのマイナス影響は震災直後よりも「震災後数年を経ることでむしろ強まった」と指摘しています。特に高齢避難者において、不慣れな環境でのストレスが想像以上に長く残り、入院という形での影響が長期化・深刻化している実態を強調しています。


論文タイトル:大規模自然災害に伴う生命・健康へのダメージの余命指標を用いた評価

著者名 杉本賢二(名古屋大学特任講師)、橘竜瞳(西日本高速道路株式会社)、森田紘圭(大日本コンサルタント株式会社)、加藤博和(名古屋大学准教授)、林良嗣(名古屋大学教授)
掲載誌名 土木学会論文集D3 (土木計画学), Vol.71, No.5 (土木計画学研究・論文集第32巻), P.121-128, 2015.
詳細ページ https://www.urban.env.nagoya-u.ac.jp/strategy/paper/2014/jiyu/14j_tatibana1.pdf

南海トラフ巨大地震を想定し、生命・健康へのダメージを余命指標(DALY)で時系列評価しています。
評価によると、発災から1ヶ月が経過しても、長期の避難生活による新たな健康被害が発生し続け、人々のダメージは緩和されないことが分かりました。震災直後の直接死だけでなく、治療の遅れや避難環境の悪化による「時間積分的な被害」の重要性を指摘しています。


論文タイトル:東日本大震災後の循環器危険因子の変化:福島県「県民健康調査」における健康診査の結果のまとめ(原文:Changes in Cardiovascular Risk Factors After the Great East Japan Earthquake: A Review of the Comprehensive Health Check in the Fukushima Health Management Survey )

著者名 大平哲也(福島県立医科大学 医学博士)、中野裕紀(福島県立医科大学)、永井雅人(福島県立医科大学医学部助教授), 弓屋結(福島県立医科大学)、章雯(福島県立医科大学 博士)、上村真由(福島県立医科大学 博士)、坂井晃(福島県立医科大学 医学博士)、橋本重厚(福島県立医科大学 医学博士)、福島県「県民健康調査」グループ
掲載誌名 Asia Pacific Journal of Public Health, 2017, Vol. 29(2S): P.47-55.
詳細ページ https://fhms.jp/publication/detail/95.html

福島県民健康調査をレビューし、震災・原発事故後の生活習慣病リスクの推移を分析しています。
避難生活に伴う食事・身体活動の変化が「長期的な心理的・生理的ストレス」となり、肥満や糖尿病などのリスク因子を2年以上にわたって増加させていると述べています。これらは将来的な心臓病や脳卒中の発生へと繋がる「長期的な健康不安」の源泉であると考察しています。


論文タイトル:福島第一原発事故後の避難生活が肝機能に及ぼした影響(原文:Effect of evacuation on liver function after the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident : The Fukushima Health Management Survey )

著者名 高橋敦史(福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター)、大平哲也(福島県立医科大学)、細矢光亮(福島県立医科大学)、安村誠司(福島県立医科大学)、永井雅人(福島県立医科大学)、大平弘正(福島県立医科大学)、橋本重厚(福島県立医科大学)、 佐藤博亮(福島県立医科大学)、坂井晃(福島県立医科大学)、大津留晶(福島県立医科大学)、川崎幸彦(福島県立医科大学))、鈴木均(福島県立医科大学)、小橋元(獨協医科大学)、 小笹晃太郎(放射線影響研究所)、山下俊一(長崎大学原爆後障害医療研究所)、神谷研二(広島大学原爆放射線医科学研究所)、阿部正文(福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター)、福島県「県民健康調査」グループ
掲載誌名 Journal of Epidemiology. 2017 Apr;27(4):P.180-185.
詳細ページ https://fhms.jp/publication/detail/58.html

福島第一原発事故の避難者が、避難後に肝機能障害(脂肪肝等)を発症するリスクを調査しています。
避難そのものが、アルコール摂取とは無関係に肝機能の悪化を招いており、それが「避難生活に伴う肥満の増加(BMIの上昇)」を通じて長期化していることを示唆しています。避難状況が健康状態に与える影響を長期間モニターし続ける必要性を説いています。


論文タイトル:阪神・淡路大震災:復興10年総括検証・提言報告《概要版》

著者名 兵庫県 阪神・淡路大震災復興10年委員会
掲載誌名 兵庫県阪神・淡路大震災復興本部総括部復興企画課,平成17年3月発行
詳細ページ https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk41/documents/000039472.pdf

震災から10年間の「創造的復興」の歩みを検証し、残された課題と教訓を整理した報告書です。
10年が経過しても、被災高齢者の自立支援、商店街のにぎわい回復、貸付金の償還などが「ポスト復興10年の課題」として継続していると述べられています,。震災の経験が時間の経過とともに風化することを警戒し、教訓の継承の必要性を説いています。


論文タイトル:東日本大震災被災者の生活復興プロジェクト報告書(復興庁 2017年度委託事業):東日本大震災から7年 事例に学ぶ生活復興:災後・災前にすぐに役立つ〈生活復興〉読本

著者名 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構
掲載誌名 復興庁,2018年3月
詳細ページ https://www.reconstruction.go.jp/files/user/topics/m18/04/20180410_seikatsufukko.pdf

7年間にわたる被災者の生活再建支援事例を「生活復興読本」としてまとめています。
健康被害(生活不活発病)は震災後の一過性の現象ではなく、数年経ってから新たに発生し、全体として増加していくものであることが指摘されています。復興は単なる建物の再建ではなく、喪失した環境や関係性を数年かけて再構築するプロセスであるとも解説されています。


論文タイトル:東北大学災害科学国際研究所 活動報告書(2022年度)

著者名 東北大学災害科学国際研究所(IRIDeS)
掲載誌名 東北大学災害科学国際研究所
詳細ページ https://irides.tohoku.ac.jp/publication/annual_report.html

東日本大震災から10年以上の歩みを経て、次世代の防災学を体系化する研究所の活動記録です。
東日本大震災が被災者に与えた影響は「12年が経過した今もなお続いている」と明言しています。事前対策から復旧・復興、将来への備えまでを一連の「災害サイクル」と捉え、長期展望を持った研究の深化が必要であると論じています。


論文タイトル:大地震と連鎖的災害:健康と医療への潜在的影響(原文:Major Earthquakes & Cascading Events: Potential Health and Medical Implications )

著者名 HHS ASPR(アメリカ合衆国保健福祉省 災害・公衆衛生緊急事態への備え担当部局)
掲載誌名 HHS(アメリカ合衆国保健福祉省)公式ウェブサイト, 初版 2018年10月
詳細ページ https://files.asprtracie.hhs.gov/documents/aspr-tracie-major-earthquakes-and-cascading-events-potential-health-and-medical-implications.pdf

米国政府による、地震に伴う保健医療・公衆衛生上のニーズとリスクの網羅的チェックリストです。
「長期的な検討事項(Long-Term Considerations)」として、健康な人々が移住し、持病のある人や社会的弱者が取り残されることで、コミュニティ全体の健康水準(ベースライン)が慢性的に低下するリスクを挙げています。また、精神的ケアは再刺激となる余震のたびに長期的に必要になると述べています。


論文タイトル:長期化する仮設住宅居住の環境評価:表出要素に着目した評価手法の試み

著者名 岩佐明彦(法政大学デザイン工学部建築学科教授)、佐藤晃(新潟大学大学院)、須沢栞(新潟大学大学院)、棒田恵(職業能力開発総合大学校特任教授)
掲載誌名 住宅系研究報告会論文集10,日本建築学会2015.12
詳細ページ https://news-sv.aij.or.jp/jyutakukei/010/jtk_2015009.pdf

仮設住宅団地の外部から見える「住みこなし」等の要素を分析し、コミュニティの状態を評価しています。
震災から4年が経過し、居住期間が「予期せぬ長期化」に直面していることを前提としています。長期化に伴う施設の老朽化や入居者の減少が、コミュニティの弱体化という「顕在化しにくいソフト面の課題」を長期化させると考察しています。


論文タイトル:災害継承の防災・減災への貢献に関する理論的検討:災害継承とレジリエンス概念との接続という視点から

著者名 小林秀行(明治大学情報コミュニケーション学部准教授)
掲載誌名 日本災害復興学会論文集 No.24, 2024.7
詳細ページ https://f-gakkai.net/wp-content/uploads/2024/08/24_02.pdf

災害の記憶を語り継ぐことが、レジリエンス(回復力)の向上にどう寄与するかを理論的に考察しています。
復興は喪失体験の中から将来像を再構築しなければならない「長期的な悪戦苦闘の過程」であると定義しており、被災者の中には「そもそも期待されたような回復が果たせない」まま長期間を過ごす人々も存在し、その事実を直視し続けることの重要性を論じています。


論文タイトル:東アジアにおける災害の経済・福祉への影響と政策対応:災害復興における社会資本:回復力と慈愛に満ちた東アジア共同体に向けて(原文:Economic and Welfare Impacts of Disasters in East Asia and Policy Responses:Social Capital in Post Disaster Recovery:Towards a Resilient and Compassionate East Asian Community )

著者名 Daniel P. Aldrich(Purdue University, U.S.A.)
掲載誌名 ERIA(東アジア・ASEAN経済研究センター) Research Project Report 2011-8, Jakarta: ERIA. p157-178, 2012年12月
詳細ページ https://www.eria.org/Chapter_5.pdf

東京、神戸、東北などの震災事例を通じ、人間関係のネットワーク(ソーシャルキャピタル)が復興に果たす役割を考察しています。
復興は長く困難なプロセスであり、住宅や道路などの物理的なインフラよりも、住民同士の絆が長期的な核の役割を果たすと論じており、長期的で永続的な災害の影響を認識できないと、将来のリスク削減への投資不足を生じさせる恐れや、高齢者を孤立させる不適切な復興計画を招く恐れがあると警告もしています。


論文タイトル:グレーター・クライストチャーチ復興戦略(原文:Recovery Strategy for Greater Christchurch )

著者名 カンタベリー地震復興庁(2012年) / ニュージーランド・クライストチャーチ
掲載誌名 Greater Christchurch Partnership
詳細ページ https://www.greaterchristchurch.org.nz/assets/Documents/greaterchristchurch/recovery-strategy-for-greater-christchurch-Copy2.pdf

ニュージーランド・カンタベリー地震からの経済・社会・文化・環境の復興を目指す包括的戦略です。
復興では「初期の応急対応」から「中期・長期の復興」へと移行する複雑なフェーズがあり、地震活動が続く限り前のフェーズに逆戻りする可能性もあると指摘しています。「社会的ウェルビーイング(幸福・健康)の回復」は、新しい地域への定住という数年がかりのプロセスを含む「ホリスティックな過程」であると解説しています。


論文タイトル:クライストチャーチとカイコウラ地震の環境への影響:レジリエント戦略に活かすべき教訓(原文:Environmental Impacts of Christchurch and Kaikoura Earthquakes: Lessons Learned to Inform Resilient Strategies )

著者名 Margaret Ackerson (Stanford University) / Christine Beyzaei (Exponent) / Ribu Dhakal (University of Canterbury) / Kristen Hess (University of Colorado Boulder) / Yolanda C. Lin (Nanyang Technological University) / Xin Ma (WSP) / Andrew Makdisi (University of Washington) / Claire Pascua (University of Auckland)
掲載誌名 EERI(Earthquake Engineering Research Institute); “2019 Learning From Earthquakes (LFE) Travel Study Program” report, 2019年
詳細ページ https://learningfromearthquakes.org/wp-content/uploads/2019_Final_Report_Natural-Environment.pdf

ニュージーランドのクライストチャーチ(2011年2月)等の地震による自然環境(水質、景観、野生動物)へのインパクトと復興を分析したレポートです。
液状化による水質の悪化などは、より長期間にわたって感じられる影響であり、環境の悪化が特定の生物種に長期的なダメージを与える可能性を指摘しています。また、液状化リスクの高い「レッドゾーン」の土地利用問題は震災から10年近く経っても継続中であると述べられています。


論文タイトル:クライストチャーチ液状化脆弱性調査(原文:Christchurch Liquefaction Vulnerability Study )

著者名 Tonkin & Taylor Ltd
掲載誌名 クライストチャーチ市議会, 2020年7月
詳細ページ https://ccc.govt.nz/assets/Documents/Environment/Land/CCC-Liquefaction-ReportBody.pdf

ニュージーランドにおける液状化ハザードの特定と、将来の土地利用計画のための管理手法をまとめています。
建物やインフラの損傷そのものだけでなく、その後の複雑で長期にわたる修理・再建プロセスそのものがコミュニティの混乱を長引かせ、呼吸器系や心理的な健康問題を継続させると考察しています。



《 編集者 》
SEI SHOP(セイショップ)総合プロデューサー
平井敬也(ひらいひろや)

平井敬也

防災士(日本防災士機構登録No.040075)、日本人間工学会会員。
1970(昭和45)年、東京都世田谷区生まれ。神奈川県横浜市在住。日本大学大学院で安全工学・人間工学を専攻。大学院修了後、大手ゲーム製造メーカーに入社、企画開発、PL(製造物責任法)担当や品質管理(ISO9000)に携わる。2001(平成13)年、災害用長期備蓄食〈サバイバル®フーズ〉の輸入卸元、株式会社セイエンタプライズ取締役に就任。阪神淡路大震災で家族が神戸で罹災、日常の防災意識や危機管理の啓蒙普及を企図した無料メールマガジン『週刊防災格言』を07年よりスタート。毎週月曜日に防災格言を発信し続け2万人の読者を得ている。
【書籍】天災人災格言集―災害はあなたにもやってくる! ¥1,650(税込)





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